独活 セリ目/ウコギ科/タラノキ属 旬/3月~4月 花期/8月下旬~9月中旬 結実期/10月
食用薬用自生種稀少保護
ウドの芽(白神 山うど) 秋田県・JAあきた白神 2018/03/19
林縁部などに生える多年草で、雌雄同株(しゆうどうしゅ)。野山で見られる自生のウドはヤマウド(山独活)とも。春の新芽が山菜として人気が高いため栽培される。新芽は食用になるが、成長してしまったあとは大きく場所を取るばかりで何の役にも立たないことから「ウドの大木(たいぼく)」という言葉が生まれた。ただしウドは木ではなく草。もちろんイチョウ(公孫樹)のような大樹になるわけではなく、草にしてはかなり大型だという意味。アメリカンサイズな外来種よりもはるかにでかい。花序も含めれば背丈は1.5mから2m近くにまで育ち、幅もかなり取る。神奈川県内では丘陵地の林縁部などに稀に自生が見られるというが、かつて里山で栽培されていたものが残存している可能性も。
ウド 横浜市南区・こども植物園 2017/09/05
ウド 藤沢市大庭 2017/09/11
ウド 横浜市戸塚区・俣野園 2017/09/05
ウドの葉 小田原市・早川石丁場群 2018/08/26
混同しがちなものに、ハナウド(花独活)、ハマウド(浜独活)、シシウド(猪独活)、アシタバ(明日葉)などがあって少々ややこしいが、花が咲いている状態なら(花期も異なるため)見分けは意外とつけられるのではないか。
ウドの芽
地面から芽が顔を出して”たらの芽”状の姿になったら、周囲の土を20cm近く掘って地下の茎から採取する。
ウドの芽(白神 山うど) 秋田県・JAあきた白神 2018/03/19
日の当たらない真っ暗な室(むろ)の中で栽培したウドを軟化ウドないし軟白ウドという。ホワイトアスパラガスのような白さで見栄えが良く、灰汁(あく)などの癖(くせ)が少なく食べやすい。近隣では東京都の立川市・国分寺市・小平市などで栽培される”東京うど”が有名。ファーマーズセンターみのーれ立川(東京都立川市砂川町2-1-5)などで購入できる。これに対し、上の葉の部分には光が当たるように育てて葉がきれいな緑色に色づくようにしたものを緑化ウドという。緑と白のコントラストがきれいで、癖は少し強くなってしまうけれどもその分風味がよく立ち、自生のウドに近いおいしさが感じられる。
ウドの花
花はヤツデ(八つ手)に雰囲気が似る。
ウド 小田原市・早川石丁場群 2018/08/26
細く分岐した柄(え)の先端に咲くのが両性花。その途中におまけでくっ付いているようなのは雄花。雄花は開花が遅い。
ウド 横浜市戸塚区・俣野園 2017/09/05
ウドの両性花 横浜市戸塚区・俣野園 2017/09/05
ウドの両性花 藤沢市大庭 2017/09/11
ウドの両性花 藤沢市大庭 2017/09/11
ウド 横浜市戸塚区・俣野園 2017/09/05
ウドの実
緑色から真黒に熟す。柄が赤みを帯びるため、なんとなくヨウシュヤマゴボウ(洋種山牛蒡)っぽさを醸し出すかも。
ウドの実 箱根湿生花園 2017/10/01
ウドの実 箱根湿生花園 2017/10/01
ウドの実 横浜市南区・こども植物園 2017/10/18
ウドの実 横浜市南区・こども植物園 2017/10/18
ウドの実 横浜市南区・こども植物園 2017/10/18
ウドの実 横浜市南区・こども植物園 2017/10/18
東京都小平市・東京都薬用植物園(近隣に「東京うど」生産農家あり)、横浜市南区・こども植物園(事務所裏花壇、俣野園より僅かに遅い)、横浜市栄区・横浜自然観察の森、横浜市戸塚区・舞岡町小川アメニティ(小川越しに1株)、横浜市戸塚区・俣野園
葉山町上山口(棚田上の通り沿い石垣上、9月下旬~10月上旬)、鎌倉中央公園、六国見山森林公園、フラワーセンター大船植物園(「こうようざん」3本の南隣「きょうちくとう」囲い内のグリーンハウス側に多い)、藤沢市大庭・引地川流域の農地、高麗山公園(花水広場(=レモンガス南側)を入りレクセル湘南平塚の裏辺りに1株、9月初旬)