大荒地野菊 キク目/キク科/アズマギク属 花期/7月~10月
外来種駆除
外来生物法「要注意外来生物」(廃止)
日本生態学会「日本の侵略的外来種ワースト100」
オオアレチノギク 茅ヶ崎市西久保・新湘南バイパス下 2018/07/30
南米原産の一年草(越年草)。市街地の車道沿い、民家跡や工場跡の放置された更地など、人の手が入って造成された荒れ地に好んで生える帰化雑草。というかオオアレチノギクなどが生えてくると荒れ地化する。草丈は生育環境によってさまざまであるが、人の膝(ひざ)程度しかないもの、ひときわ大型で直立させた一本茎が人の背丈を超えて高さ2m程度に平気でなるもの、の両極端な二系統が目に付く。茎葉は、成長する時期がセイタカアワダチソウ(背高泡立草)にしては一歩早いのではないか、そう感じた大型雑草あらば本種の疑いが強い。湘南・鎌倉・三浦半島でありふれた、たいへん数多い普通種。
オオアレチノギク 茅ヶ崎市西久保・新湘南バイパス下 2018/07/30
オオアレチノギク 茅ヶ崎市西久保・新湘南バイパス下 2018/07/30
葉は茎にたくさん。葉腋から副次的な葉が生えるため、大小の葉が混在する。花期にはもう傷んで、葉や茎が若々しさを失って白っぽく(灰緑色に)なっている(鮮やかな緑色でない)。均等な大きな葉がびっしり生えていたらヒメムカシヨモギ(姫昔蓬)の可能性。両者ともに茎はがっちり太く、長めの毛がたくさん生えている。また成長具合(草丈)は個体差が大きく、各々の株が勝手に生えて勝手に育って勝手に花を咲かせている感じ。種(しゅ)として成長具合をほぼ均一に揃えて、茎が無毛に見えるものあらばセイタカアワダチソウの茎葉だろう。
オオアレチノギクの葉 茅ヶ崎市西久保・新湘南バイパス下 2018/07/30
理由は知らないが生態系被害防止外来種リスト(要注意外来生物の改訂版)からは除外された。オオアレチノギクが繁茂するような場所にはもはや保護すべき自然などないという判断か。
オオが付かないアレチノギクは近似の別種。ふつう人の脛(すね)から膝(ひざ)程度の草丈で、側枝が長く伸びるためだらしない不格好な姿をしている。
オオアレチノギクの花
いつまでたっても蕾のまんま開花しない、ように見えるノボロギク(野襤褸菊)系。キク科らしい頭状花序(頭花)である。アレチノギク同様に黄色い雄蕊を伸ばす両性の筒状花(とうじょうか)を白いけばけばした毛のように見える雌性の舌状花が囲っているのだろうが、アレチノギクのようにきれいに咲き分けないのでごちゃついておりどれが筒状花でどれが舌状花なのか判然としない。また舌状花とはいえ花弁は小さいので肉眼では見えない。
オオアレチノギクの咲き始めの若い花 茅ヶ崎市西久保 2018/08/03
オオアレチノギクの花から実への変遷 茅ヶ崎市西久保・新湘南バイパス下 2018/07/30
小さいながらも白い花弁と視認できるものが明確にあらばヒメムカシヨモギを疑いたい。ヒメムカシヨモギの方が花序は一回り小さい。
オオアレチノギクの実
花が咲き終わり次第、間を置かず順次ノボロギク系の綿毛ができる。一株が作る種子の数は十万個を超えるとか。
オオアレチノギクの実 茅ヶ崎市西久保 2018/08/03
オオアレチノギクの実 茅ヶ崎市西久保 2018/08/03
種が飛散して増えるのは、どうにもやっかいなのに、地面に這いつくばって、越冬する葉茎の忍耐力には負ける。根がガッチリしてほりだすのも一苦労。やっかいな植物。本当に荒れ地になってしまうよ。