荒地野菊 キク目/キク科/アズマギク属 花期/5月中旬~6月、10月
学名/Erigeron bonariensis L.
外来種駆除
アレチノギクのよく見かける花の後 茅ヶ崎市・国道134号線 2019/06/05
南米原産の一年草(越年草)。市街地の道端などお役所が大規模に土木工事を行った場所、自然が失われて尚且つ他の雑草も生い茂ってこないような乾燥した場所に好んで帰化している雑草。アスファルトの割れ目や歩道に敷き詰められたタイルの隙間などからも生えてくる。荒れ地に生えるのが名前の由来。というより、これが生えてくるとなんとも手入れが行き届いていないさびれた荒れ地感を醸し出す。草丈は環境による差異大きいが、よく見かけるのは人の脛(すね)から膝(ひざ)程度のもの。昔はたいそうはびこったと聞いているが、湘南・鎌倉・三浦半島では現在は多からず少なからず。どこを歩いても見かけるほどでない普通種。
アレチノギク 茅ヶ崎市・浜須賀歩道橋 2019/06/08
アレチノギク 茅ヶ崎市・国道134号線 2019/06/05
アレチノギクの不格好でだらしない姿 茅ヶ崎市・国道134号線 2019/06/05
中心に直立してある茎よりも、そこから枝分かれした側枝(そくし)、あるいは更にその側枝の方がぐんぐん伸びて挙句の果てには茎よりも背高に成長するという奇妙な特質があり、ある程度大きくなった株はアンバランスで不格好に感じられる姿となる。強風に煽られたり人や散歩犬に踏まれたりして、曲がったりひしゃげたりしていることも多い。全体的にだらしない。
アレチノギクらしく側枝の方が長く伸びた姿 茅ヶ崎市・国道134号線 2019/06/05
アレチノギクの模範的な草姿 平塚市平塚 2021/06/28
アレチノギクの若い枝の葉 茅ヶ崎市・国道134号線 2019/06/05
アレチノギクの枝の花が咲く前の葉 茅ヶ崎市・国道134号線 2019/06/05
アレチノギクの葉 茅ヶ崎市・国道134号線 2019/06/05
アレチノギクの茎や葉 茅ヶ崎市・国道134号線 2019/06/05
近似種にオオアレチノギク(大荒地野菊)やヒメムカシヨモギ(姫昔蓬)などあり。ただし両者は主たる茎をどこまでも長く背高に直立させてときに人の背丈を超えてくる大型なものである。と思っていると時折人の膝(ひざ)くらいの草丈しかない状態で花を咲かせていたりもして少々紛らわしいのだが。
アレチノギクの花
開花はオオアレチノギクやヒメムカシヨモギよりも明らかに時期早く、梅雨入り前から。キク科らしい頭状花序(頭花)である。一般の人は咲いているかまだ蕾なのかよくわからないかもしれないノボロギク(野襤褸菊)系の花弁がない(ようにみえる)花。黄色の小花(両性の筒状花(とうじょうか)、鮮やかな黄色で目立つのは雄蕊)を白色の小花(雌性の舌状花、花弁は小さすぎて肉眼では見えない)が囲い縁取っている。横から見ると中膨れしない樽(たる)のような形をしており、ちょっとかわいらしい。オオアレチノギクよりも太ましいので、樽というより寸胴(ずんどう)形といった方がよいか。先端側がややすぼまる傾向あり。花粉の放出は短期間で完了し、すぐに黄色は色褪せてくすみ白は汚れる。形状も巾着形に変わってゆく。
アレチノギク 茅ヶ崎市・国道134号線 2019/06/05
アレチノギク 茅ヶ崎市・国道134号線 2019/06/05
アレチノギクのよく見かける花の後 茅ヶ崎市・国道134号線 2019/06/05
アレチノギクの実
小さいながらタンポポ(蒲公英)のようなふわふわした綿毛(冠毛)付きの実ができる。強風で飛ばされ種子(のように見える一つ一つが痩果(そうか))を拡散する。
アレチノギクの実 茅ヶ崎市・国道134号線 2019/06/05
アレチノギクの熟した実 茅ヶ崎市・国道134号線 2019/06/05
茅ヶ崎市東海岸三丁目・国道134号線(上り線歩道)