キキョウソウ

桔梗草 キク目/キキョウ科/キキョウソウ属 花期/5月下旬~6月中旬

外来種駆除

キキョウソウの雄性期 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/06/13

キキョウソウの雄性期 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/06/13

北米原産の一年草。名はキキョウのような花を咲かせる草の意だろうが、本種もキキョウの仲間であるしキキョウも草である。分岐しない一本の茎を長く直立させ、その頂上部分で花を咲かせる独特な姿をしている。草丈はふつうは人の膝(ひざ)下くらいのものだが、生育環境により茎は異様に長く伸びて腿(もも)くらいにまでなることも。帰化雑草として、乾燥気味で背高な他の雑草が生えていない市街地の道路沿いや空き地、荒れ地、公園などに生えており、身近で見られるありきたりなものである。

若いキキョウソウ、既に閉鎖花はできかかっている 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/05/17

若いキキョウソウ、既に閉鎖花はできかかっている 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/05/17

開花前(閉鎖花は咲いて実もできつつある)のキキョウソウ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/05/17

開花前(閉鎖花は咲いて実もできつつある)のキキョウソウ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/05/17

開花前のキキョウソウは真上から見るとバラの花のよう 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/05/17

開花前のキキョウソウは真上から見るとバラの花のよう 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/05/17

キキョウソウ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/06/13

キキョウソウ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/06/13

背高に成長したキキョウソウ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/06/13

背高に成長したキキョウソウ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/06/13

スカシユリを超える背丈に伸びたキョウソウ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/06/13

スカシユリを超える背丈に伸びたキョウソウ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/06/13

葉は幅広。なんとなくだがツタバウンラン(蔦葉海蘭)の葉を思わせるような形状だと思っておくと、近似種ヒナキキョウソウ(雛桔梗草)の葉との違いが明瞭に感じられるようになるか。葉の基部は茎を深く抱く。

キキョウソウの葉(と、閉鎖花が作った実) 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/06/13

キキョウソウの葉(と、閉鎖花が作った実) 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/06/13

キキョウソウの葉の形状 茅ヶ崎市・東海岸南第六公園 2019/06/20

キキョウソウの葉の形状 茅ヶ崎市・東海岸南第六公園 2019/06/20

たいへん紛らわしいものにヒナキキョウソウあり。同様の場所に生え、だいたい同じような姿で同じような花を咲かせるため混同しやすい。熟した実に開く種子放出用の孔(あな)の位置が異なるのでそれで見分ければ明快。キキョウソウは生育状態により大きさは様々。ヒナキキョウソウより小型なキキョウソウもふつうに存在しており、サイズ感で判断してはいけない。参照)キキョウソウとヒナキキョウソウの見分け方

どちらもキキョウソウ(標準サイズはこの中間) 茅ヶ崎市・東海岸南第六公園 2019/06/20

どちらもキキョウソウ(標準サイズはこの中間) 茅ヶ崎市・東海岸南第六公園 2019/06/20

キキョウソウの花

じつは草丈が人の踝(くるぶし)くらいしかないときから咲いてはいるらしいが、閉鎖花なのでそうとは気づかず、草丈がどんどん伸びてまだ花は咲いていないはずなのに実だけがいつの間にか増えていくように見える。そしてある程度背高に成長した五月の下旬になってようやく、茎のてっぺんにキキョウを思わせる紫色の開放花が付くように変化する。従って、一番花が咲いたと思ったときにはもうその下方にいくつもいくつも実がなっているという奇怪な状態となる。花は一つのみならず四つくらいまでなら同時に咲くことも多い。※本頁で花といったら基本的には開放花を指す。

閉鎖花と実は葉腋に既にあるがそうと気づかないキキョウソウ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/05/17

閉鎖花と実は葉腋に既にあるがそうと気づかないキキョウソウ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/05/17

キキョウソウ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/06/13

キキョウソウ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/06/13

キキョウソウ 茅ヶ崎市西久保 2019/05/24

キキョウソウ 茅ヶ崎市西久保 2019/05/24

キキョウの仲間は雄性先熟(ゆうせいせんじゅく)。先に雄蕊が花粉を放出し、のち雌蕊の先端が開いて雌性(しせい)期に移行する。

キキョウソウの雌性期 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/06/13

キキョウソウの雌性期 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/06/13

キキョウソウの実

葉腋(ようえき)に若干数の蒴果(さくか)と呼ばれる実ができ、その中に小さな黒っぽい種子を多数納める。風に煽られて茎が右に左に降られると、実に開いた孔から種子がこぼれ出る仕組み。

キキョウソウの実の孔(葉は人為的に下へ押し下げたもの) 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/06/13

キキョウソウの実の孔(葉は人為的に下へ押し下げたもの) 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/06/13

キキョウソウとヒナキキョウソウの見分け方

ヒナキキョウソウの方が小型(大型化しない)、全体的に細身、葉も細めで先端が尖り気味、などの違いはあるも紛らわしいため、結局のところ熟した蒴果に開いた種子放出用の孔(あな)の位置の違いを確認した方が明瞭に見分けられる。


蒴果に開いた孔の位置の違い

キキョウソウとヒナキキョウソウの蒴果に開いた孔の位置の違い


大船フラワーセンター(サルスベリ園のスカシユリ周辺に多数)

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