筆竜胆 リンドウ目/リンドウ科/リンドウ属 花期/3月末~5月上旬
学名/Gentiana zollingeri Fawc.
自生種稀少保護
フデリンドウ 山北町世附(よづく)・丹沢湖~ミツバ岳 2017/04/04 10:25
柔らかな日差しが当たる明るい林内に生える、小型な一年草(越年草)。他の草がもしゃもしゃ茂っていない、落ち葉がさほど堆積していない、土が常時崩れる急斜面でない、人が暑いと感じる強い直射日光が長時間当たらない、といった場所を好む。春咲きする小型な近似種にコケリンドウ(苔竜胆)なるものがあって紛らわしい。共に、小さな個体では高さ2cmくらいしかなく、大きく育ったものでは高さ10cmになる。両者の大きさは(強いて申せばコケリンドウの方が小さいけれども気のせい程度の話でしかなく)大差なし。高さ3~4cmくらいまでの小さな個体であれば、すぐ目の前に生えていたって気づかずに踏み潰してしまうに違いない。それくらいどちらも小さく目立たない。ちなみに一般的に市販されている綿棒が7.8cmである。神奈川県内に広く自生があるため希少性はコケリンドウの方がはるかに高いが、フデリンドウもそうやすやすとお目にかかれるものでなし。植物園で栽培されることがある。
#フデリンドウの大株 厚木市・荻野運動公園野草園 2024/04/19 13:46
#フデリンドウ 横浜市南区・横浜市こども植物園 2024/04/20 13:30
#フデリンドウ 横浜市南区・横浜市こども植物園 2024/04/20 12:34
フデリンドウ 山北町世附・丹沢湖~ミツバ岳 2017/04/04 10:28
#フデリンドウ 横浜市南区・横浜市こども植物園 2024/04/29 10:41
#フデリンドウ 横浜市南区・横浜市こども植物園 2017/04/28 14:46
#フデリンドウの葉 横浜市南区・横浜市こども植物園 2024/04/20
フデリンドウの花
花は真上を向いて咲く。花色は日の当たり具合などで個体差は出そうだが、およそ(青紫というよりほぼ)青色。花期は長く、咲いたり閉じたりを繰り返し、見頃は4月中旬から下旬。蕾はあれど、なかなか花開かない難点あり。運が悪いと、花はいつ見ても何度見たって閉じている。フデリンドウという名は、そんな閉じたままの花の様子が筆の穂(毛の部分)に喩(たと)えられたもの。花はどうやら、日が当たると開き、陰ると閉じてしまうようである。従って、主に”晴天日の午前中遅め”が見頃となる。その時間帯であればおおよそ咲いているとも言えないが。朝、曇天日、日が傾いた午後遅く、では閉じてしまっていることがほとんど。
#フデリンドウ 横浜市南区・横浜市こども植物園 2024/04/29 10:33
#フデリンドウ 横浜市南区・横浜市こども植物園 2024/04/29 10:35
花を横から見て、萼片の先端が軽く反って開いていればコケリンドウ、そうでなければフデリンドウ、である。茎の分岐位置がどうの、根生葉の大きさがどうの、といった見分け方もあるらしいが、混乱するだけなので忘れた方がよい。
#フデリンドウの開かない萼片 横浜市南区・横浜市こども植物園 2024/04/20
#フデリンドウの開かない萼片 横浜市南区・横浜市こども植物園 2024/04/29
横浜市南区・#横浜市こども植物園(野草園=おそらくオカダンゴムシ(陸団子虫)に食われて花が汚い、自然観察林)、横浜市戸塚区・舞岡公園
衣笠山公園、三浦アルプス(葉山アルプス、椿尾根、北尾根)、新林公園
厚木市・#荻野運動公園野草園、箱根町仙石原・#長安寺
参考資料
『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)