牡丹 ユキノシタ目/ボタン科/ボタン属 花期/1月~2月、4月中旬~5月上旬 結実期/8月~9月
学名/Paeonia suffruticosa Andrews
薬用改良種
#ボタン 東京都小平市・東京都薬用植物園 2017/05/09
園芸栽培される、中国原産の落葉小低木。シャクヤク(芍薬)とよく似ているがシャクヤクは草、ボタンは木という大きな違いがある。茶色く硬い幹が細くともあらばボタン。最盛期は5月1日前後。
#冬ボタンの葉 鎌倉市・鶴岡八幡宮 2020/01/09
#冬ボタンの葉 鎌倉市・鶴岡八幡宮 2020/01/09
#冬ボタンの葉 鎌倉市・鶴岡八幡宮 2020/01/09
#ボタンの葉 茅ヶ崎市浜之郷 2020/04/03
#ボタンの葉 鎌倉市・建長寺 2024/05/04
#ボタンのやや異形な葉 鎌倉市・建長寺 2024/05/04
主に真夏の前後(6月~7月、8月下旬~10月)、外来種ヒロヘリアオイラガ(広縁青刺蛾、日本生態学会「日本の侵略的外来種ワースト100」)と思しき幼虫が葉の裏側に発生することがあるので要注意。イラガの仲間は”電気虫”の異名がある通り、刺されると激しい痛みに襲われる有毒で極めて危険な迷惑害虫。葉をよく観察し、食痕(しょっこん)が出来ていたら葉ごと切除し駆除したい。若齢幼虫は体長5mmもないかなり小さな毛虫なので、高齢者は発見にかなり苦労するかも。
#ボタンの葉を食い荒らし始めたヒロヘリアオイラガ?の若齢幼虫の群れ 茅ヶ崎市浜之郷 2020/07/07
#ボタンの葉に付いたヒロヘリアオイラガ?の幼虫(体長約10mm) 茅ヶ崎市浜之郷 2020/10/11
冬、ボタンは枯れても硬くて瑞々(みずみず)しい幹と枝がしっかり残る。シャクヤクは草本(そうほん)なので地上部はすべて枯れて消滅する。
幹と枝だけ残る冬の#ボタン 鎌倉市・鶴岡八幡宮 2020/01/09
#ボタンの冬芽 茅ヶ崎市浜之郷 2020/01/13
近隣では横浜市金沢区がボタンで有名。永島家が江戸時代以降に大規模な牡丹園を構えたことに由来する。永島家は、東京都文京区・湯島聖堂(儒教創始者である孔子を祀る廟所でのち学問所、国史跡)の儒官だった十七世紀の永島祐伯(号して泥亀(でいき))に始まり、明治時代に至るまで金沢区一帯を埋め立てて新田(泥亀新田)の開発を行った名家。永島家の土地・家屋のみならず牡丹園も最早現存はしていないが、その名残が菩提寺である龍華寺(りゅうげじ)境内のボタン、あるいは旧伊藤博文金沢別邸に併設された牡丹園のボタンである。「泥亀の牡丹」を偲(しの)んで、ボタンは横浜市金沢区の花に制定されている。金沢区役所広報キャラクター(金沢区公式ゆるキャラ)は「ぼたんちゃん」。
冬ボタン
ボタンはふつう春に咲くが、新春から楽しめるように人為的に促成栽培を行って開花調整したものがフユボタン(冬牡丹)と呼ばれる。従って真冬に咲く。鎌倉市・鶴岡八幡宮(つるがおかはちまんぐう)のいう”正月ぼたん”がこれである。寒さ除け(霜除け、雪除け)に藁囲いが付けられる。その囲いに遮られ花に直接日が差さないことも多く、写真撮影する人にとってはやや暗く感じられるかも。
神苑ぼたん庭園の#正月ぼたん 鎌倉市・鶴岡八幡宮 2020/01/09
神苑ぼたん庭園「湖石の庭」の#正月ぼたん 鎌倉市・鶴岡八幡宮 2020/01/09
神苑ぼたん庭園の#正月ぼたん 鎌倉市・鶴岡八幡宮 2020/01/09
#正月ぼたん(’黄冠’) 鎌倉市・鶴岡八幡宮 2020/01/09
#正月ぼたん(’緋扇’) 鎌倉市・鶴岡八幡宮 2020/01/09
#正月ぼたん(’八千代椿’) 鎌倉市・鶴岡八幡宮 2020/01/09
#正月ぼたん(’八千代椿’) 鎌倉市・鶴岡八幡宮 2020/01/09
#正月ぼたん(’黄冠’) 鎌倉市・鶴岡八幡宮 2020/01/09
#正月ぼたん(’島錦’) 鎌倉市・鶴岡八幡宮 2020/01/09
#正月ぼたん(’島錦’) 鎌倉市・鶴岡八幡宮 2020/01/09
#正月ぼたん(’百花殿’) 鎌倉市・鶴岡八幡宮 2020/01/09
#正月ぼたん(’百花殿’) 鎌倉市・鶴岡八幡宮 2020/01/09
ボタンの蕾は先端がちょろっと尖る。シャクヤクの蕾はまったくの球形。
#正月ぼたん(’八千代椿’)の蕾 鎌倉市・鶴岡八幡宮 2020/01/09
育てられた場所との寒暖差などが影響するのか、冬ボタンは花も葉も若干しんなりしがちになるものが多いのは致し方のないところ。
若干しんなりしているありがちな#正月ぼたん(’太陽’) 鎌倉市・鶴岡八幡宮 2020/01/09
人が手を加えずとも自ずと早咲きする品種はカンボタン(寒牡丹)という。冬ボタンと同様に真冬に咲く。寒ボタンは、冬の開花時に青々とした葉が豊かには付いていない、結構な確率で冬咲きしない、春と合わせて二季咲きする、というちょっと特殊なもの。
東京都台東区・#上野東照宮ぼたん苑(元旦~2月下旬、寒ボタンも僅少咲くようながらきれいな花を見れる確率は低いか、700円)、東京都文京区・#小石川後楽園(300円)
#鶴岡八幡宮神苑ぼたん庭園(正月ぼたん、約100株、元旦~2月上旬開園 09:00(-16:00入園)-16:30 500円・中高生200円・25名以上団体400円、かながわの花の名所100選「鶴岡八幡宮(ボタン)」、市指定天然記念物ケヤキ・市指定天然記念物シロシダレ(※指定員数は10株)標柱も)
鶴岡八幡宮「ぼたん見頃です」
神苑ぼたん庭園の入口に掲示される、毎年数多くの花好きな参拝客を吸引して止まないお馴染みの看板。鶴岡八幡宮の正月ぼたんはきれいな地植えに見えるがじつは鉢植えごと土中に埋め込んでいるもので、花が傷めば状態の良い予備と交換される、という手の込んだ作業が行われている。つまり”開園はしているけれど咲いていません”ということはなく、開園期間中は毎日きれいな花を楽しめるようになっている。控えの花がなくなったところで閉園。
春ボタン
通常の春咲きする品種をハルボタン(春牡丹)と呼ぶことも。
#ボタンの蕾 茅ヶ崎市浜之郷 2020/04/03
#ボタン 茅ヶ崎市浜之郷 2020/04/10
#ボタン 茅ヶ崎市浜之郷 2020/04/03
#ボタン 茅ヶ崎市浜之郷 2020/04/03
#ボタン 横浜市南区・こども植物園 2017/04/28
#ボタン 横浜市南区・こども植物園 2017/04/28
#ボタン 横浜市南区・こども植物園 2017/04/28
#ボタン 鎌倉市・円覚寺(えんがくじ) 2018/04/22
#ボタン(’白王獅子’) 鎌倉市・円覚寺(えんがくじ) 2018/04/22
ボタンは咲き終わると、花の形がぐしゃっと崩れて傷んでゆく。このため、ボタンは「散る」ではなく「崩れる」と表現される。
ボタン咲く頃、ツバキ(椿)やサザンカ(山茶花)などツバキ科の葉裏にチャドクガ(茶毒蛾)の卵塊(らんかい)が産み付けられていることがあるので、庭などの手入れの際には十分に注意されたい。
ボタンの実
#ボタンの若い実 鎌倉市・建長寺 2024/05/17
#ボタンの若い実 鎌倉市・建長寺 2024/05/17
#ボタンの若い実 横浜市南区・横浜市こども植物園 2024/05/22
#ボタンの未熟な実(不稔) 茅ヶ崎市浜之郷 2019/06/28
横浜市金沢区・#龍華寺(130株、仏像公開と併せて、永島家墓所あり)、横浜市金沢区・#旧伊藤博文金沢別邸(牡丹園、約220株)
#浄妙寺、#鶴岡八幡宮神苑ぼたん庭園(鎌倉ぼたん、4月1日~5月下旬開園 09:00(-16:00入園)-16:30 500円・中高生200円・25名以上団体400円、「ぼたん見頃です」の看板あるが地植えに加えて鉢植えの埋め込み替えを行っているため開園中は新しく綺麗な花をいつでも楽しめる、一斉満開はない、かながわの花の名所100選、市指定天然記念物ケヤキ・市指定天然記念物シロシダレ(※指定員数は10株)標柱も)、#建長寺(西来門内も開放)
#円覚寺(法堂跡)、#円覚寺松嶺院(4月中旬~5月初旬)、#円覚寺雲頂庵(山門外から、東国花の寺百ヶ寺)、#遊行寺、#長久保公園(駐車場入口に小さなボタン園)