野茨 バラ目/バラ科/バラ属 花期/5月上旬~中旬 結実期/10月中旬~11月
学名/Rosa multiflora Thunb.
危険薬用自生種
ノイバラ 茅ヶ崎市萩園・相模川沿い 2018/04/30
日当たりのよい草地や荒地で雑草にまみれて生える落葉藤本(とうほん)。というかノイバラが生えてくると荒れ地化する。ノバラ(野薔薇)とも。日本自生のバラの一種である。鋭い棘(とげ)があるのでノイバラ地帯にうっかり足を踏み入れてしまうと悲惨。手足は引っ掻かれて痛いわ、ズボンや靴下は傷めるわシャツにも絡まるわでもう最悪。だが白花は美しく甘い香りもじつに良い。湘南・鎌倉・三浦半島で普通種。丘陵地のハイキングコース沿いや河川周辺に多い。
ノイバラ 茅ヶ崎市萩園・相模川沿い 2018/04/30
ノイバラ 茅ヶ崎市萩園・相模川河原 2018/04/30
茂みに紛れるノイバラの結実期 寒川町宮山・相模川 2021/10/11
湘南・鎌倉・三浦半島に自生するバラ
神奈川県内に自生するバラは、ノイバラ、テリハノイバラ、アズマイバラ、サンショウバラ、モリイバラ、フジイバラの六種。そのうち湘南・鎌倉・三浦半島には、ノイバラ、テリハノイバラ、アズマイバラの三種が自生する。
全体的にアズマイバラにそっくりなので混同しないよう注意したい。参照)アズマイバラの特徴
ノイバラの葉 茅ヶ崎市萩園・相模川沿い 2018/04/30
ノイバラの(頂小葉が妙に長い)葉 横須賀市・湘南国際村めぐりの森 2017/11/12
ノイバラの虫こぶ
虫こぶまたは虫癭(ちゅうえい)とは、植物に小さな虫の幼虫などが寄生することによってできる不思議なこぶ状の膨らみのこと。
バラハタマフシ
ノイバラの葉の一部が膨れて球形になるもの。バラハタマバチが産卵して幼虫が棲みつくとこうなるらしい。花が咲き終わった5月中旬以降に数多く見られるようになる。
ノイバラの葉にできたバラハタマフシ 茅ヶ崎市萩園・相模川沿い 2018/05/25
ノイバラの葉にできたバラハタマフシ 茅ヶ崎市萩園・相模川沿い 2018/05/25
葉柄(ようへい)の基部に付く托葉(たくよう)はアズマイバラとの決定的な違いであるので、必ず形状を確認したい。赤みを帯びた腺状の細かい毛のようなものが無数に生えていてけばけばした印象なのが特徴。
ノイバラの托葉 茅ヶ崎市萩園・相模川沿い 2018/04/30
ノイバラの托葉 茅ヶ崎市萩園・相模川沿い 2018/04/30
ノイバラの托葉 横浜市栄区・横浜自然観察の森 2018/05/20
茎などにはバラ科らしい形状の棘がある。棘の先端はやや根元側に向いている烏帽子岩形の棘である。
ノイバラの棘のある茎 茅ヶ崎市萩園・相模川沿い 2018/05/25
ノイバラのくせして茎に棘のないのがある。トゲナシノイバラ(棘無野茨)という。
ホームセンターなどでふつうに販売されているバラの園芸種の接木苗(つぎきなえ)は、じつはトゲナシノイバラが台木(だいぎ)として使われている。日本の風土に適合し、旺盛に育って根をよく張ってくれて、面倒な棘もない、という意味でトゲナシノイバラが選ばれ(台木用に生産され)ている。じつは、そこら中のお宅の庭にはトゲナシノイバラが密かに植えられているのである。園芸業界では(ノイバラの)学名であるロサ・ムルティフローラの名前で呼ばれることも。
トゲナシノイバラ 茅ヶ崎市萩園・相模川沿い 2018/06/21
トゲナシノイバラの茎 茅ヶ崎市萩園・相模川沿い 2018/05/25
ノイバラの花
花見は必ず葯が黄色い花期のはじめに。時間がたつと雄蕊が茶色く変色してしまってそれがいつまでも残るため、見栄えが悪い。
ノイバラ 茅ヶ崎市萩園・相模川河原 2018/04/30
#ノイバラ 東京都小平市・東京都薬用植物園 2017/05/09
#ノイバラ 東京都小平市・東京都薬用植物園 2017/05/09
ノイバラ 茅ヶ崎市萩園・相模川沿い 2018/04/30
ノイバラの(雄蕊の花糸は白く葯は黒く変色した)雌性期 茅ヶ崎市萩園・相模川沿い 2018/04/28
ノイバラの実
ノイバラの実 寒川町宮山・相模川 2021/10/11
ノイバラの実 寒川町宮山・相模川 2021/10/11
ノイバラの未熟な実 寒川町・相模川 2018/07/10
ノイバラの実 横須賀市・湘南国際村めぐりの森 2017/11/12
鎌倉市・霊鷲山
湘南国際村めぐりの森、寒川町・相模川(神川橋南側東岸)、茅ヶ崎市・相模川(土手内側林縁部=トゲナシも、河原)