摩耶蘭 クサスギカズラ目/ラン科/シュンラン属 花期/6月下旬~10月 見頃/6月下旬~7月上旬
学名/Cymbidium macrorhizon Lindl.
自生種稀少保護
環境省レッドリスト2018「絶滅危惧II類(VU)」
マヤラン 真鶴町 2017/07/10
林床や林縁部に生える多年草。名は、発見地である兵庫県神戸市・摩耶山(-さん)に因む。サガミラン(相模蘭)とも。マヤランは地面から花茎(かけい)を伸ばすのみで葉はない。神奈川県内では人が入り込まない林があれば広域に自生している(はずである)が、目にする機会はかなり稀。高齢者の間で絶大な人気を誇るランの仲間とあって盗掘被害が多い。ただし生育に必要な栄養分は自分の体内にかくまっている特殊な菌類(キノコ)から貰っている腐生植物(ふせいしょくぶつ)なので、盗み持ち帰ったとて枯らして終わり。その菌類もまた特定の樹木が生えている特定の環境があってこそ存在しうるものなのである。
マヤラン 横須賀市・衣笠山公園 2017/07/19
マヤラン(葉はテイカカズラのもの) 真鶴町 2017/07/10
ナギ(梛)のような葉を伴うものはナギラン(梛蘭)、白花のマヤランらしき近似種にサガミランモドキ(相模蘭擬)がある。
マヤランの花
シュンラン(春蘭)の仲間なので花はよく似ている。
マヤラン 座間市・座間谷戸山公園 2017/07/09
マヤラン 座間市・座間谷戸山公園 2017/07/09
マヤランの蕾 二宮町 2017/07/10
マヤラン 真鶴町 2017/07/10
マヤランの実
サガミランモドキより小果柄が明瞭。
マヤランの若い実 横浜市戸塚区・舞岡公園 2020/11/14
マヤランの未熟な実 東京都調布市・神代植物公園植物多様性センター 2018/11/10
参考資料
『日本のラン ハンドブック ①低地・低山編』 遊川和久解説 中山博史・鷹野正次・松岡裕史・山下弘写真 文一総合出版発行(2015)
最近は 腐生植物とは言わず 菌従属栄養植物というと色々な論文などで言われているようですが・・・・・
サガミランは マヤランの白化したものとか一時言われていたようですが サガミランは遺伝子的にシュンランに近い系統と分析された研究書も出ているようです。
先日 マヤランの近くにサガミランを数株見つけましたが 目で見ただけで 両種は明らかに違うように思えました。
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