相模蘭擬 クサスギカズラ目/ラン科/シュンラン属 花期/6月下旬~10月 見頃/7月下旬
学名/Cymbidium nipponicum (Franch. & Sav.) Rolfe
自生種稀少保護
環境省レッドリスト2018「絶滅危惧IB類(EN)」
サガミラン=神奈川県レッドリスト2020「準絶滅危惧」
神奈川県レッドリスト2006「絶滅危惧II類」
サガミランモドキ 真鶴町 2017/08/01
マヤラン(摩耶蘭)の白花種、のようなもの。単にサガミランとも。サガミランはマヤランと同一種なのだとする見解からは、サガミランはマヤランの別名という扱い。サガミランとマヤランは別種だとする見解からは、混乱を避けるため独立してサガミランモドキという呼び名も当てられているようだ。つまり、サガミランといった場合はマヤランないしサガミランモドキを指す。もしマヤランに白花品種があった場合はサガミランモドキとの識別はなかなか容易でなさそうだ。なお神奈川県(相模国)固有種ではない。
神奈川県内でも稀に目撃情報が寄せられているが、マヤランでさえ比にならないくらいに稀。サガミランモドキは、マヤランが咲き終わった頃に開花するか。マヤランも同様だが、花が開き始めてから全開するまでに思いのほか日数を要してじれったいが、かといって油断をしているといつの間にか朽ちて終わっているから驚き呆れる。一日花ではないにせよちょうど見頃の花を見るのはなかなか難しく、頻繁に足を運んで開花状況を確認する必要あり。
サガミランモドキ 真鶴町 2017/07/28
サガミランモドキ 真鶴町 2017/08/01
サガミランモドキ 真鶴町 2017/07/26
サガミランモドキ 真鶴町 2017/08/01
サガミランモドキ 真鶴町 2017/08/01
“自生のラン”というだけでマニアの間では価値が高いらしく、残念なことに盗掘被害が絶えない。
「サガミランモドキ」の名称について 国立科学博物館筑波実験植物園の2006-2014年度研究結果「菌従属栄養植物の系統と進化」(植物科学最前線)によると遺伝子分析の結果からマヤランとサガミランは別種との判定であり、かつての腐生植物⇒菌従属栄養植物のような改め方がなく、環境省は平成20年度「絶滅のおそれのある動植物種の生息域外保全に関する基本方針(案)」に基づき自然環境局が2009年2月に出した「絶滅危惧植物種子の収集・保存等に関するマニュアル」でも依然として「モドキ」のまま、神奈川県のレッドデータブックでは明快に「サガミラン」と表記されています。2015年秋頃から当方の公園では照葉樹林及び土手に「マヤラン」とこのランがベニタケ等のキノコとともに菌根菌を共有し共にでています。生物の多様性はともかく、その名称については地域別の呼称とは異なるので、ややこしくないほうが良いのではと思っています。