ケンポナシ

玄圃梨 バラ目/クロウメモドキ科/ケンポナシ属 花期/6月中旬~下旬 結実期/9月中旬~10月

食用薬用自生種

ケンポナシの肥厚した柄と熟した実 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2018/10/16

#ケンポナシの肥厚した柄と熟した実 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2018/10/16

林内に生える落葉高木で、雌雄同株(しゆうどうしゅ)。樹高10~20mの大樹になる。成長した木の幹は縦に割れる。神奈川県内に広く自生があるというが、いかんせん大樹になっているものが多くて人目に付かない。花が高所で咲いていてもどうせクマノミズキ(熊野水木)か何かだろうと勘違いして見過ごしてしまいそう。大抵は秋に果柄(かへい)付きの実が地面に落っこちているのを発見してはじめてここにケンポナシがあったのかと気づかされる有様。その上を見上げてみても実は遥か高所になっているため肉眼では見えたものでない。

若葉の生えたケンポナシの若木 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2018/11/21

若葉の生えた#ケンポナシの若木(中央) 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2018/11/21

ケンポナシの若木 横浜市金沢区・金沢自然公園 2018/05/20

#ケンポナシの若木 横浜市金沢区・金沢自然公園 2018/05/20

葉は互生。『神奈川県植物誌2001』によればコクサギ(小臭木)型葉序(葉が右・右・左・左・右・右・左・左と二枚ずつ交互に付く)のようだが、観察した二本は共にただの互生(葉が右・左・右・左と一枚ずつ交互に付く)であった。どちらもある模様。

ケンポナシの葉 横浜市金沢区・金沢自然公園 2018/05/20

#ケンポナシの葉 横浜市金沢区・金沢自然公園 2018/05/20

ケンポナシの葉 横浜市金沢区・金沢自然公園 2018/05/20

#ケンポナシの葉 横浜市金沢区・金沢自然公園 2018/05/20

ケンポナシの葉 横浜市金沢区・金沢自然公園 2018/05/20

#ケンポナシの葉 横浜市金沢区・金沢自然公園 2018/05/20

ケンポナシの葉 横浜市金沢区・金沢自然公園 2018/05/20

#ケンポナシの葉 横浜市金沢区・金沢自然公園 2018/05/20

ケンポナシの葉 横浜市金沢区・金沢自然公園 2018/05/20

#ケンポナシの葉 横浜市金沢区・金沢自然公園 2018/05/20

ケンポナシの葉裏 横浜市金沢区・金沢自然公園 2018/05/20

#ケンポナシの葉裏 横浜市金沢区・金沢自然公園 2018/05/20

ケンポナシの赤みを帯びた葉脈がよく目立つ葉裏 横浜市金沢区・金沢自然公園 2018/05/20

#ケンポナシの赤みを帯びた葉脈がよく目立つ葉裏 横浜市金沢区・金沢自然公園 2018/05/20

ケンポナシの若木の幹 横浜市金沢区・金沢自然公園 2018/05/20

#ケンポナシの若木の幹 横浜市金沢区・金沢自然公園 2018/05/20

ケンポナシのひび割れはじめた幹 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2018/06/17

#ケンポナシのひび割れはじめた幹 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2018/06/17

よく似た変種にケケンポナシ(毛玄圃梨)あり。実が有毛、葉を乾燥させると緑色系から褐色に変色する、という二点を最低限満たしていればケケンポナシである疑い。神奈川県内にはない。

ケンポナシの花

集散花序と呼ばれる形状の花の集合体をつくる。小花は、星形に平開した花弁に見える萼片がふつう五枚(ときに四枚)。花弁は雄蕊を覆うカバーになっており、はじめ直立、のち萼片と雄蕊共々反り返る。花にはアリ(蟻)がよく集まる。

ケンポナシの蕾 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2018/06/17

#ケンポナシの蕾 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2018/06/17

ケンポナシ 横浜市金沢区・金沢自然公園 2018/06/17

#ケンポナシ 横浜市金沢区・金沢自然公園 2018/06/17

ケンポナシ 横浜市金沢区・金沢自然公園 2018/06/17

#ケンポナシ 横浜市金沢区・金沢自然公園 2018/06/17

ケンポナシ 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2018/06/17

#ケンポナシ 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2018/06/17

ケンポナシ 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2018/06/17

#ケンポナシ 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2018/06/17

ケンポナシ 横浜市金沢区・金沢自然公園 2018/06/17

#ケンポナシ 横浜市金沢区・金沢自然公園 2018/06/17

ケンポナシ 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2018/06/17

#ケンポナシ 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2018/06/17

ケンポナシの実

秋に実がなり食べられるという果物は多いが、ケンポナシは実ではなくて、実を支えている柄(え)の部分が膨らんで甘くなり、これが食用になる。果柄は所詮は枝なので口に残るものが多く、食べるというよりは軽く噛んでしゃぶるのがよい。甘味(あまみ)は随一。女子が砂糖を大量投入したカフェラテよりも甘い。甘い甘い、甘すぎるナシ(梨)のような味が確かにする。湘南・鎌倉・三浦半島の自然界になる果実等ではケンポナシが最も甘い。

ケンポナシの肥厚した柄と熟した実と種子 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2018/10/16

#ケンポナシの肥厚した柄と熟した実と種子 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2018/10/16

ケンポナシの肥厚した柄と熟した実 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2018/10/16

#ケンポナシの肥厚した柄と熟した実 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2018/10/16

ケンポナシの肥厚した柄と熟した実 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2018/10/16

#ケンポナシの肥厚した柄と熟した実 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2018/10/16

ケンポナシの肥厚した柄と熟した実 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2018/10/16

#ケンポナシの肥厚した柄と熟した実 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2018/10/16

ケンポナシの種子 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2018/10/16

#ケンポナシの種子 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2018/10/16

ケンポナシのケンポという変わった名前は、いびつに膨らんだ果柄がハンセン病(癩病)などが原因で変形したり指を失った腕に見立てられ、その腕や患者自身を侮蔑して指す言葉”てんぼう(手ん棒)”に由来するとされる。現在千円札の肖像に描かれている野口英世が子供の頃に左手に大やけどを負って指がくっ付いてしまい「てんぼう」と揶揄されいじめられた話は有名。テンボウナシが訛(なま)ってテンボナシ、更に転訛(てんか)するなどしてケンポナシになったようだ。


横浜市金沢区・#金沢自然公園(なんだろ坂、観察最適)、横浜市戸塚区・舞岡公園

森戸川源流、新林公園(散策路沿い展望台への分岐に巨木・樹名板あり)

六代御前の墓、光触寺(門外沢べり)、浄智寺谷戸、鎌倉中央公園、茅ケ崎里山公園、#氷室椿庭園(サンショウバラの並びに1本=観察不適、身体障害者用駐車場周辺に1本=通常立入不可・下部にも花あり観察最適)、高麗山公園

厚木市・自然環境保全センター

参考資料

『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)

『神奈川県植物誌2001』 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県立生命の星・地球博物館発行(2001)

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