スカシタゴボウ

透し田牛蒡 アブラナ目/アブラナ科/イヌガラシ属 花期/4月~11月

自生種

スカシタゴボウ 茅ヶ崎市浜之郷 2018/11/21

スカシタゴボウ 茅ヶ崎市浜之郷 2018/11/21

農地周辺に雑草として生える一年草(越年草)。畑にも生えるが、やや湿った田んぼが特にお気に入りのようだ。名は、タゴボウとも呼ばれるチョウジタデ(丁字蓼)のように黄色い花を咲かせ、葉がよく切れ込み(スカシユリ(透百合)のように)向こう側が透けて見えるもの、の意だろうか、よくわからない。チョウジタデには似てはいない。ふつうは手のひらサイズながらびっくりするほど大きく成長するものがあり、草丈は人の膝(ひざ)を超えてくることも。湘南・鎌倉・三浦半島でどうということのない普通種。真冬は枯れる。

スカシタゴボウ 茅ヶ崎市浜之郷 2018/05/25

スカシタゴボウ 茅ヶ崎市浜之郷 2018/05/25

よく見るサイズ感のスカシタゴボウ 寒川町田端 2018/10/03

よく見るサイズ感のスカシタゴボウ 寒川町田端 2018/10/03

スカシタゴボウ 茅ヶ崎市萩園・はぎそのフラワーガーデン 2018/10/31

スカシタゴボウ(白花はハキダメギク) 茅ヶ崎市萩園・はぎそのフラワーガーデン 2018/10/31

葉はふつう羽状中裂。基部は軽く茎を抱く。葉の縁(ふち)に不揃いな粗(あら)い鋸歯があり羽状中裂のような欠刻なくばミミイヌガラシ(耳犬芥子)の可能性。

スカシタゴボウの葉 茅ヶ崎市萩園・はぎそのフラワーガーデン 2018/10/31

スカシタゴボウの葉 茅ヶ崎市萩園・はぎそのフラワーガーデン 2018/10/31

他にも近似種や雑種があるため、葉の基部がどのように茎を抱いているか、葉の形状は、実の形状は、種子はきちんとできているか、などをよく確認し、典型例との相違を感じた場合は精査する必要あり。

スカシタゴボウの花

花序はナノハナ(菜の花)を小さくしたような姿。花色は明るい(レモン色に近い)黄色。小花は萼片四枚に花弁が四枚。小さいため、肉眼ではよくは見えない。開花は主に春だが、秋咲きもする。またその前後の季節にも花開いているものが散見されるため、結局のところ真冬を除いてほぼ通年咲いている。まるで外来種のような咲き方であるが、在来種らしい。

スカシタゴボウ 茅ヶ崎市萩園・はぎそのフラワーガーデン 2018/10/31

スカシタゴボウ 茅ヶ崎市萩園・はぎそのフラワーガーデン 2018/10/31

スカシタゴボウの実

ナノハナの仲間なので角果(かくか)と呼ばれるタイプの実。楕円形で、中央部が僅かばかりくびれる独特な形状。もっと長細い形だったらイヌガラシ(犬辛子)の仲間だろう。

スカシタゴボウの実 茅ヶ崎市浜之郷 2018/05/25

スカシタゴボウの実 茅ヶ崎市浜之郷 2018/05/25

スカシタゴボウの実 茅ヶ崎市浜之郷 2018/05/25

スカシタゴボウの実 茅ヶ崎市浜之郷 2018/05/25

スカシタゴボウの実 藤沢市大庭 2018/10/16

スカシタゴボウの実 藤沢市大庭 2018/10/16

参考資料

『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)

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