空木 ミズキ目/アジサイ科/ウツギ属 花期/5月中旬~6月上旬 結実期/10月下旬~11月
学名(ウツギ)/Deutzia crenata Siebold & Zucc.
自生種
#ウツギ 横浜市金沢区・金沢自然公園 2018/05/20
林縁部などに生える落葉低木で、雌雄同株(しゆうどうしゅ)。日本固有種。なんちゃらウツギではなく単なるウツギ。本家ウツギ。名前の由来は、幹や枝に髄(ずい)がなく中空(ちゅうくう)だから。
#ウツギ 横浜市金沢区・金沢自然公園 2018/05/20
ウツギの葉 横浜市戸塚区・舞岡公園 2017/05/16
ウツギの花
蕾のうちはなぜか花軸(かじく)が起立しているが、開花が近づく頃には下向きに変わっている。なお花軸には細かい毛が密に生えている。
ウツギの蕾 横須賀市・湘南国際村めぐりの森 2017/05/17
ウツギの蕾 鎌倉中央公園 2017/05/20
マルバウツギ(丸葉空木)の花が終わって一段落ついてからウツギの花が開花する。
ウツギ 鎌倉中央公園 2017/05/20
ウツギ 横浜市戸塚区・舞岡公園 2017/05/16
花は純白で、まるでハクウンボク(白雲木)のよう。ぱっと平開はせず、やや半開きの状態。美しいこのウツギの花は”卯の花(うのはな)”と呼ばれ、旧暦4月が卯月(うづき)というはこの卯の花が咲き乱れる月の意とされる。
#ウツギ 横浜市金沢区・金沢自然公園 2018/05/20
#ウツギ 横浜市金沢区・金沢自然公園 2018/05/20
佐佐木信綱作詞の童謡「夏は来ぬ」(-きぬ、夏は来たの意)の歌い出し、”卯の花の 匂う垣根に 時鳥(ほととぎす) 早も来鳴きて”はよく知られたフレーズかもしれない。
ウツギ 横浜市戸塚区・舞岡公園 2017/05/29
ウツギは雄蕊の花糸(かし)に翼(よく)と呼ばれる出っ張りができるが、これがほぼ真横に突き出るのが特徴。花がよく似るヒメウツギ(姫空木)の翼は斜め上に向かって突き出る。
ウツギの花糸の特徴(様子が見えるように花弁を除去したもの)
花床(かしょう)にはマルバウツギ同様のオレンジ色の輪っかが(花弁と雄蕊をすべて除去しない限りは見えないものの)ある。
ウツギの花床(花弁と雄蕊をすべてむしり取ったもの) 鎌倉市大町 2018/05/18
八重咲きで花の外側がうっすら赤みを帯びる品種をサラサウツギ(更紗空木)という。公園などで栽培されることがある。
ウツギの実
マルバウツギの実と見間違えやすいが、ウツギの実の方が明らかに一回り大きく丸みを感じるもの。萼片が残らないのもポイント。マルバウツギの実は小さく、萼片が残る。
ウツギの実 湘南国際村めぐりの森 2017/11/12
ウツギの実 湘南国際村めぐりの森 2017/11/12
ウツギの実 横須賀市・貝山緑地 2017/10/24
ウツギの実 湘南国際村めぐりの森 2017/11/12
横浜市金沢区・#金沢自然公園(みずの谷下、うきうき林上)、横浜市戸塚区・舞岡公園
湘南国際村めぐりの森、鎌倉中央公園
滑川(夷堂橋下)
参考資料
『日本の固有植物』 加藤雅啓・海老原淳編 東海大学出版会発行(2011)