マンリョウ

万両 ツツジ目/サクラソウ科/ヤブコウジ属 花期/7月 結実期/10月下旬~2月
学名/Ardisia crenata Sims

自生種改良種保護

マンリョウの実 鎌倉市・大巧寺 2018/02/15

#マンリョウの実 鎌倉市・大巧寺 2018/02/15

夏に強い直射日光が当たらないやや薄暗い林内に生える常緑の小低木で、雌雄同株(しゆうどうしゅ)。幹は一本直立し、樹高はふつう人の膝(ひざ、高さ0.5m)くらいであるが、ときにひょろっと背丈だけ高くなり、あるいは全体的に大型化して、樹高は1mを超えるものもある。ヒャクリョウ(百両)ことカラタチバナ(唐橘)と姿が似ており、見慣れていないと見分けが難しい。湘南・鎌倉・三浦半島でも丘陵地を中心とした林床(りんしょう)に自生があり、特に珍しいものではない。冬を彩る真っ赤な実がセンリョウ(千両)の実と併せて正月を迎える縁起物として人気が高く、ホームセンターの園芸コーナーでもふつうに市販されており、鎌倉の寺境内のみならず民家の庭などにもよく植栽されている定番の植物となっている。真夏の炎天下に長時間晒しさせしなければ、栽培は容易。害虫被害もない。

マンリョウ 大和市・深見歴史の森 2018/12/31

マンリョウ 大和市・深見歴史の森 2018/12/31

マンリョウの実 鎌倉市・安国論寺 2016/12/04

#マンリョウの実 鎌倉市・安国論寺 2016/12/04

マンリョウの実 鎌倉市・安国論寺 2016/12/04

#マンリョウの実 鎌倉市・安国論寺 2016/12/04

マンリョウ 鎌倉市・海蔵寺 2019/02/01

#マンリョウ 鎌倉市・海蔵寺 2019/02/01

クマザサにマンリョウの実 鎌倉市・一条恵観山荘 2019/12/05

クマザサに#マンリョウの実 鎌倉市・一条恵観山荘 2019/12/05

マンリョウの実 茅ヶ崎市浜之郷 2016/01/08

#マンリョウの実 茅ヶ崎市浜之郷 2016/01/08

マンリョウ(シロミノマンリョウ) 鎌倉市大船・常楽寺 2023/12/30

#マンリョウ(シロミノマンリョウ) 鎌倉市大船・常楽寺 2023/12/30

葉は幹の上部だけに集中して、幹から直接、または幹から水平に伸びた枝に生えるため、樹形はヤシ(椰子)の木っぽく見えるものが多い。葉の縁(ふち)には丸みを帯びた鋸歯(きょし)が多くあり。カラタチバナ(百両)はもっと葉身(ようしん)が長く、縁の鋸歯はおよそないに等しく内腺点と呼ばれる点々模様ばかりがよく目立つ。

マンリョウの葉 大和市・深見歴史の森 2018/12/31

マンリョウの葉 大和市・深見歴史の森 2018/12/31

マンリョウの葉 茅ケ崎里山公園 2018/01/12

#マンリョウの葉 茅ケ崎里山公園 2018/01/12

大型化したマンリョウの葉 茅ヶ崎市・腰掛神社 2024/01/14

大型化したマンリョウの葉 茅ヶ崎市・腰掛神社 2024/01/14

大型化したマンリョウの枝に付いた葉 茅ヶ崎市・腰掛神社 2024/01/14

大型化したマンリョウの枝に付いた葉 茅ヶ崎市・腰掛神社 2024/01/14

栽培品種の葉は、主脈で谷折りになり縁が波打つ傾向が強く見られる。湘南・鎌倉・三浦半島の自生品にはこのような性質はない。

マンリョウ(栽培品種)の葉 鎌倉市・海蔵寺 2019/02/01

#マンリョウ(栽培品種)の葉 鎌倉市・海蔵寺 2019/02/01

変種にオオバマンリョウ(大葉万両)あり。別名オオミマンリョウ(大実万両)、オオミノマンリョウ(大実の万両)。樹高、枝の長さ、葉の大きさ、鋸歯の様子、支脈の透けて見え方、などが異なる。

マンリョウの花

枝先で咲く。どうやら一斉に満開せずぽつりぽつりと咲いてゆくらしい。

マンリョウ 茅ヶ崎市浜之郷 2018/07/03

#マンリョウ 茅ヶ崎市浜之郷 2018/07/03

マンリョウ 茅ヶ崎市浜之郷 2018/07/03

#マンリョウ 茅ヶ崎市浜之郷 2018/07/03

マンリョウ 茅ヶ崎市浜之郷 2018/07/08

#マンリョウ 茅ヶ崎市浜之郷 2018/07/08

マンリョウ 茅ヶ崎市浜之郷 2018/07/08

#マンリョウ 茅ヶ崎市浜之郷 2018/07/08

マンリョウ(シロミノマンリョウ) 茅ヶ崎市浜之郷 2019/07/26

#マンリョウ(シロミノマンリョウ) 茅ヶ崎市浜之郷 2019/07/26

マンリョウの実

緑色から赤く色付く。豊かに実がなるため”新年は一年中お金に困らないように”との願いを込めて庭や境内によく植えられる。ときに白実の品種もあり、シロミノマンリョウ(白実の万両)と呼び分けられることがある。白実もふつうに売られているので目にする機会はちょくちょくあろう。

色付き途中のマンリョウの実 鎌倉市・安国論寺 2011/11/13

色付き途中の#マンリョウの実 鎌倉市・安国論寺 2011/11/13

マンリョウの実 鎌倉市・瑞泉寺 2016/11/13

#マンリョウの実 鎌倉市・瑞泉寺 2016/11/13

マンリョウ(シロミノマンリョウ)とマンリョウの実 鎌倉市大船・常楽寺 2012/02/12

#マンリョウ(シロミノマンリョウ)と#マンリョウの実 鎌倉市大船・常楽寺 2012/02/12

マンリョウの実 茅ケ崎里山公園 2018/01/12

#マンリョウの実 茅ケ崎里山公園 2018/01/12

マンリョウの実 大和市・深見歴史の森 2018/12/31

マンリョウの実 大和市・深見歴史の森 2018/12/31

マンリョウの実 茅ケ崎里山公園 2018/01/12

#マンリョウの実 茅ケ崎里山公園 2018/01/12

マンリョウ(シロミノマンリョウ)の実 鎌倉市大船・常楽寺 2023/12/30

#マンリョウ(シロミノマンリョウ)の実 鎌倉市大船・常楽寺 2023/12/30

果実は枝の先端に付くが、枝にあった葉は落ちてなくなり、枝は果実専用の果柄(かへい)であるかのような姿と化していることが多い。全体的に大型化して枝も長く伸びた場合は葉が残りがちで、オオバマンリョウ型の姿となる。カラタチバナ(百両)は枝が短く、そもそも基本的に葉を伴わない。

マンリョウの実 逗子市・蘆花記念公園旧脇村邸 2019/01/24

#マンリョウの実 逗子市・蘆花記念公園旧脇村邸 2019/01/24

マンリョウの実 鎌倉市・瑞泉寺 2016/11/13

#マンリョウの実 鎌倉市・瑞泉寺 2016/11/13

マンリョウ(シロミノマンリョウ)の実 鎌倉市・貞宗寺 2019/01/11

#マンリョウ(シロミノマンリョウ)の実 鎌倉市・貞宗寺 2019/01/11

マンリョウ(シロミノマンリョウ)の実 平塚市・高麗山公園 2017/03/08

マンリョウ(シロミノマンリョウ)の実 平塚市・高麗山公園 2017/03/08

大型化したマンリョウ 茅ヶ崎市・腰掛神社 2024/01/14

大型化したマンリョウ 茅ヶ崎市・腰掛神社 2024/01/14

大型化したマンリョウの枝に付いた葉と実 茅ヶ崎市・腰掛神社 2024/01/14

大型化したマンリョウの枝に付いた葉と実 茅ヶ崎市・腰掛神社 2024/01/14

しっかり赤色に色付いていながらも実はなかなか鳥に食べられることなく残る。と思って油断をしていると、なくなるときはあっという間で一気に売り切れてびっくりさせられる。赤くなってももうしばらく熟成させた方がおいしくなると考えているのか、ぐじゅぐじゅに熟したカキ(柿)など、単にマンリョウの実より好物なものが市中になくなっただけなのか、年末からウメ(梅)が咲く初春にかけて実が盗難に遭う時期はまちまち。マンリョウの実を正月飾りに利用したいと考えているのであれば、周囲に鳥除けの釣り糸を張り巡らせておく、あるいはマンリョウを網(ネット)で覆っておくなどの盗難防止の対策を。窃盗犯は主にヒヨドリ(鵯)で、真横の体勢で両脚で幹に摑(つか)まるというアクロバティックな離れ業(わざ)を繰り出して次々と実をぱくぱく啄(ついば)んでいく。

マンリョウの実、完売 静岡県・熱海梅園 2017/01/29

#マンリョウの実、完売 静岡県・熱海梅園 2017/01/29

実の皮を剥くとごく少量の果肉に包まれて種子がある、核果(かくか)。種子は乾燥を嫌うようなのでタネ播きするなら皮ごと土中に浅く埋める。タネは痩せたゴボウ(牛蒡)のような形の根を先に伸ばし、その後で地上に葉を芽吹かせる。従って、マンリョウの実(種子)を播いてもなっかなか発芽して来ないように感じられるに違いない。諦めて放っておくと完全に忘れた頃に葉が出て困惑する、あるいは掘ってみると根だけはあって”何だこれ”といった感じに。一旦掘り起こしてしまうと枯れやすいので要注意。

発芽したマンリョウ 茅ヶ崎市浜之郷 2020/09/22

発芽した#マンリョウ 茅ヶ崎市浜之郷 2020/09/22

発芽したマンリョウの根 茅ヶ崎市浜之郷 2020/09/22

発芽した#マンリョウの根 茅ヶ崎市浜之郷 2020/09/22

発芽したマンリョウ 茅ヶ崎市浜之郷 2020/09/22

発芽した#マンリョウ 茅ヶ崎市浜之郷 2020/09/22


#報国寺(白実も)、#瑞泉寺、#大巧寺、#安国論寺(庫裏前)、#建長寺(天源院参道)、#海蔵寺、#常楽寺(白実も)

平塚市・高麗山公園(中央広場に白実も)

大和市・深見歴史の森(森のひろばに白実も)

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