ひまらや桜 バラ目/バラ科/サクラ属 花期/11月中旬~12月中旬
学名/Cerasus cerasoides (D.Don) Sokolov
外来種稀少
#ヒマラヤザクラ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/12/08
東アジアのヒマラヤを原産とする落葉高木。秋冬咲きのいわゆる(広義の)フユザクラ(冬桜)の一種。そもそもサクラはヒマラヤ地方が原産で長い年月をかけて姿を変えながら日本へ伝播(でんぱ)してきたと考えられており、特にカンヒザクラ(寒緋桜)はこのヒマラヤザクラが原種であるといわれている。湘南・鎌倉・三浦半島で見られるのは大船フラワーセンターの一本のみか。自生地と環境が大きく異なるようで、植えれば自ずとすくすく育って花も良く咲かせる、とはいかないかもしれない。ちょっと特殊なサクラ。
落葉した秋の#ヒマラヤザクラ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2024/11/13
落葉した秋の#ヒマラヤザクラ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2024/11/13
#ヒマラヤザクラ(これでも花は最盛期) 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/12/08
#ヒマラヤザクラ(これでも花は最盛期) 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/12/08
葉は花が咲くとほぼ同時に、あるいは咲き終わる頃から展開し、クリスマス前にはもう立派な葉桜となる。開花と展葉のタイミングはどうやら同じ個体であっても年によってまちまちになるようである。暖地でないと若い葉が強い寒さに当たって落ち、株が枯れてしまうかもしれない。
#ヒマラヤザクラの開花時の若葉 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/12/08
#ヒマラヤザクラの開花時の若葉 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/12/08
#ヒマラヤザクラの開花時の若葉 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/12/08
#ヒマラヤザクラの葉裏 鎌倉市・大船フラワーセンター 2020/01/10
#葉桜になったヒマラヤザクラ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/12/28
葉は厚みが出る。照りもあり。鋸歯は大きめでやや荒々しい。
#ヒマラヤザクラの初春の葉 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/02/07
#ヒマラヤザクラの初春の葉 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/02/07
#ヒマラヤザクラの春の葉 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/03/09
#ヒマラヤザクラの幹(樹皮) 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/12/28
ヒマラヤザクラの花
鎌倉がカエデ(楓)の紅葉目当ての観光客で賑わっている頃に前後して咲く。ソメイヨシノ(染井吉野)よりも少しばかり濃いめのピンク。花色は個体差あるか。
#ヒマラヤザクラ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/12/08
#ヒマラヤザクラの蕾 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/12/08
#ヒマラヤザクラ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/12/08
#ヒマラヤザクラ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/12/08
#ヒマラヤザクラの萼筒と萼片 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/12/08
#ヒマラヤザクラの萼筒 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/12/08
#ヒマラヤザクラの萼片 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/12/08
年が明けてから満開し、花は下向きに垂れ気味で、花弁はぱっとは全開せず、萼筒などの赤みが強めのサクラは、カンザクラ(寒桜)だろう。
東京都文京区・#東京大学本郷キャンパス、東京都新宿区/渋谷区・#新宿御苑(サービスセンター正面に向かって左側に1本)、東京都品川区・#戸越公園(正門外に若木、他1本)、東京都品川区中延・#弁天通り公園(濃いピンク色)、東京都世田谷区・#東京農業大学世田谷キャンパス、横浜市青葉区・#藤が丘地区センター(玄関前に1本)
東京都千代田区・#日本生命丸の内ビル(正面玄関向かって右側に若木1本)、東京都文京区・小石川植物園(枯死⇒幼木を植えたがそれも枯死⇒令和2年(2020)1月現在なし)
#大船フラワーセンター(ハナショウブのシャクヤク園側に1本、花付き良好でなし、熱海より遅い、同時期にフユザクラとコブクザクラも開花中)
横須賀市津久井・#東光寺(なし、寺がヒマラヤザクラと称している墓地際のはカンザクラ)
厚木市・#東京農業大学厚木キャンパス、開成町・#松田自動車学校、静岡県熱海市・#第1親水公園(駐車場脇に2本、特に早い)、静岡県熱海市下多賀・#熱海高校(校門外の海側に「原木」の大樹、11月末~12月初旬 ※例年この時期天気崩れ気味、令和3年(2021)11月21日)、熱海市上多賀・#長浜海浜公園(25本)、熱海市上多賀・#さくらの名所散策路(15本、早い)、静岡県熱海市下多賀・#多賀中学校(体育館北側に2本、11月下旬)、熱海市下多賀和田木・#月見ヶ丘公園(早い)
熱海高校付近の「原木」と呼ばれているものは、昭和42年(1967)東京大学に留学していたネパールのビレンドラ皇太子(のち国王)が伊東市を訪問した際、”熱海植物友の会”が熱海のサクラとウメの種子を献上、その返礼として翌年ネパールに自生しているヒマラヤザクラの種子が贈られ、それが成長したものである(熱海市HP)。実生は多数あったが、現存しているのは唯一この一本のみである。熱海市はこれを元に(おそらく挿し木あたりで)増やし、市内の公園等に植樹を続けている。令和元年(2019)時点で南熱海地域(熱海市上多賀・下多賀他)を中心に約五十本あり。原木以外はいずれもまだ若木である。