ヨコハマヒザクラ

横浜緋桜 バラ目/バラ科/サクラ属 花期/3月中旬~4月上旬
学名/Cerasus × kanzakura ‘Yokohama-hizakura’

改良種稀少

ヨコハマヒザクラ 横浜市中区・本牧山頂公園 2020/03/17

#ヨコハマヒザクラ 横浜市中区・本牧山頂公園 2020/03/17

園芸栽培される落葉高木で、雌雄同株(しゆうどうしゅ)。横浜市港北区の白井勲(いさお)氏がカンヒザクラ(寒緋桜)とケンロクエンクマガイ(兼六園熊谷)を交配させて作出したサクラの新品種。南足柄市発祥のハルメキザクラ(春めき桜)が散り始めたあたりで見頃となる。ソメイヨシノ(染井吉野)が開花しつつある頃に見頃を迎えるカワヅザクラ(河津桜)っぽいサクラといったところ。ただし同時期に似たような花色のヨウコウザクラ(陽光桜)なるものもあり、見分けはちょっと難しい。湘南・鎌倉・三浦半島で見かけるそれらしきサクラはおよそヨウコウザクラの方。ヨコハマヒザクラは横浜市内へ行くと公園に植えられているものを見かけることがあるだろう。原木は横浜市中区・本牧山頂公園(ほんもくさんちょう-)の観山広場(かんざん-、ひざくらの丘)に移植されて現存する。

ヨコハマヒザクラ(原木) 横浜市中区・本牧山頂公園 2020/03/17

#ヨコハマヒザクラ(原木) 横浜市中区・本牧山頂公園 2020/03/17

ヨコハマヒザクラ(原木) 横浜市中区・本牧山頂公園 2020/03/17

#ヨコハマヒザクラ(原木) 横浜市中区・本牧山頂公園 2020/03/17

ヨコハマヒザクラ 横浜市中区・本牧山頂公園 2020/03/17

#ヨコハマヒザクラ 横浜市中区・本牧山頂公園 2020/03/17

ヨコハマヒザクラの花

カンヒザクラのDNAの影響から、下向きに咲く(ヨウコウザクラも同様)。花色は濃いめのピンク色(紅紫色)。ヨウコウザクラよりも少々色濃いが、両者を並べて見比べでもしない限りはわかるまい。花径は個体差が大きめにあるようながら、およそソメイヨシノ(ないしヨウコウザクラ)と同等ないしやや小さめ。花径3~4.5cm。花弁は楕円形で、先端に切れ込みあり。切れ込み付近に鋭利にぎざぎざした細かな複数個の欠刻なし(ヨウコウザクラは欠刻あり)。雌蕊が雄蕊よりも長いため一本突き出て見える(ヨウコウザクラの雌蕊は雄蕊と同長ないしやや短め)。

ヨコハマヒザクラの蕾 横浜市中区・本牧山頂公園 2020/03/17

#ヨコハマヒザクラの蕾 横浜市中区・本牧山頂公園 2020/03/17

ヨコハマヒザクラ 横浜市中区・本牧山頂公園 2020/03/17

#ヨコハマヒザクラ 横浜市中区・本牧山頂公園 2020/03/17

ヨコハマヒザクラ 横浜市中区・本牧山頂公園 2020/03/17

#ヨコハマヒザクラ 横浜市中区・本牧山頂公園 2020/03/17

ヨコハマヒザクラ 横浜市中区・本牧山頂公園 2020/03/17

#ヨコハマヒザクラ 横浜市中区・本牧山頂公園 2020/03/17

ヨコハマヒザクラ 横浜市中区・本牧山頂公園 2020/03/17

#ヨコハマヒザクラ 横浜市中区・本牧山頂公園 2020/03/17

ヨコハマヒザクラ、花径4cm 横浜市中区・本牧山頂公園 2020/03/17

#ヨコハマヒザクラ、花径4cm 横浜市中区・本牧山頂公園 2020/03/17

開花時、ふつう明確に花柄(かへい、花序柄)あり(ヨウコウザクラはないように見える)。ふつう散房花序で、花柄のばらばらの地点で小花柄に分岐してゆく(ヨウコウザクラは一地点で分岐する散形花序)。花柄・小花柄・萼筒(がくとう)・萼片は無毛(ヨウコウザクラは小花柄から萼筒基部にかけて有毛)。萼筒上部と萼片は(ヨウコウザクラよりも)強く赤みを帯びる。萼片は(ヨウコウザクラより)細めでシャープな印象、先端が僅かながら超音速旅客機コンコルドの鼻先状に内側に曲がる。萼片の縁(ふち)は少し内側にカールし、鋸歯なし(ヨウコウザクラは少ないながら鋸歯と縁毛(えんもう)あり)。鱗片葉(りんぺんよう)内側には開出気味でやや長い毛が多い(ヨウコウザクラは縮毛(しゅくもう)が多い)。

ヨコハマヒザクラの無毛の小花柄と突出する雌蕊 横浜市中区・本牧山頂公園 2020/03/17

#ヨコハマヒザクラの無毛の小花柄と突出する雌蕊 横浜市中区・本牧山頂公園 2020/03/17

ヨコハマヒザクラの特徴 横浜市中区・本牧山頂公園 2020/03/17

#ヨコハマヒザクラの特徴 横浜市中区・本牧山頂公園 2020/03/17


横浜市中区・#本牧山頂公園(観山広場(ひざくらの丘)に原木他多め、ついでに三溪園へ立ち寄っても見るべき花はほぼなし=シロモジネコヤナギユキヤナギシロバナタンポポ程度)、横浜市南区・#清水ケ丘公園、横浜市港北区・#岸根公園(ひょうたん原っぱ)

横浜市中区・#横浜公園(遊具広場周辺に数本)、横浜市中区・#本牧神社(駐車場、本牧山頂公園より遅い、本牧山頂公園管理事務所前から神社へ下りる道あり)、横浜市中区・#新本牧公園(外周のお馬通りに街路樹、本牧山頂公園より遅い)、横浜市南区・#こども植物園(花木園)、横浜市港北区・#新横浜駅前公園(ワールドカップ大橋付近に約20本=ヨウコウザクラでは?)

大船フラワーセンター(なし、平成31年(2019)サクラの柵内にケンロクエンクマガイの若木1本植樹・大樹に成長するまで近くでは見れない)、藤沢市・伊勢山公園(なし、「横浜緋桜 2010年2月21日 植樹」の樹名板あるがヨウコウザクラ)、寒川神社(なし、南門西側に「横浜緋桜」としてあるがヨウコウザクラ→平成29年(2017)納札殿側へ移植、高木)

参考資料

『新日本の桜』 木原浩・大場秀章・川崎哲也・田中秀明著 山と溪谷社発行(2007)

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