野蒜 クサスギカズラ目/ヒガンバナ科/ネギ属 旬/3月~4月 むかご/5月~6月上旬 花期/5月末~6月上旬
学名/Allium macrostemon Bunge
食用自生種
ノビルのむかご 茅ヶ崎市西久保 2020/06/02
里山近辺の草地などによく生えてくる多年草。特に田んぼや畑の周辺に多く生え出る。市街地の植え込みに居候していることも。名前は、野生のニンニク(大蒜)のようなものの意。実際はラッキョウ(辣韮)に近い。ニラ(韮)のようでもあるし、小型野生ネギ(葱)でもある。若くてきれいな葉や地下にできる鱗茎(りんけい)が食用になる。ほぼ同時期に食べられないハタケニラ(畑韮)の花も咲くのでくれぐれも混同しないようにしたい。草丈は人の膝(ひざ)下から腰くらい。ノビルは葉をちょっと千切ってみればニラのようなネギのような香気(こうき)がしっかりとあるのが特徴。参考)ハタケニラとノビルの見分け方
田んぼ周辺に生えたノビル 茅ヶ崎市西久保 2020/06/02
ノビル 藤沢市・引地川親水公園 2019/06/01
畑の隅っこにはよくニラも植えられて(放置されて)いるが、ニラは必ず密生するような状態で栽培される。ノビルは数多く生えているところでもびっしり密生していることはなく、一本一本間隔を空けるようにして生えている。
ノビルのむかご
花茎(かけい)のてっぺんに赤紫色のむかごが複数集まったぼんぼんを作る。むかごは自身のクローンである種子のようなもの。
ノビルの蕾 茅ヶ崎市浜之郷・小出川 2019/05/11
ノビルのむかご(白色は花の蕾) 茅ヶ崎市芹沢 2018/05/12
ノビルのむかご 茅ヶ崎市浜之郷 2018/05/05
ノビルのむかご 藤沢市・引地川親水公園 2019/06/01
むかごを蒔いてから鱗茎が食べられる大きさに育つまで、三年かかる。
ノビルの花
むかごの隙間からにょきっと小花が飛び出て咲く、ことがある。花色は白で、一部がうっすらと紫がかっている。
ノビル 茅ヶ崎市西久保 2020/06/02
ノビル 茅ヶ崎市西久保 2020/06/02
ノビル 茅ヶ崎市西久保 2020/06/02
基本的にノビルは花が咲かない、と言いたくもなるくらいノビルの花は見かける機会が少ない。むかごはあっても花が咲かない、というのがふつう。咲いたとしても開花期間がかなり短いため、どうしても見逃してしまいがち。またノビルの花が咲く頃は田植えの時期に重なるため、田んぼの周囲に生えていたノビル自体が刈払い機を使った無選別な除草に遭って一斉に姿を消してしまっていたりもする。
ノビル 茅ヶ崎市西久保 2020/06/02
ノビルのようだが、それにしては咲くのがちょっと早い、花数が多い、花色がピンクがかっている、といった違和感あるものは外来種で園芸栽培されるアリウム・ロゼウムだろう。
ノビルの鱗茎
地下に丸っこい鱗茎(りんけい)を作る。鱗茎というのはタマネギ状の物体のこと。それの小さいのができる。(傷んでいない若々しい葉と併せて)食べられる。旬は春ということになっているが、通年食べられる。生食可、よく言われるのは茹でて酢味噌和え、あるいは肉炒めにしても美味い。但し、少量食べただけでも香気は口内に何時間も残り、口臭はかなりにおうので、激しく要注意。
市販の#ノビルの鱗茎 JA東とくしま勝浦産 2020/12/24
ノビルだと思って有毒なスイセン(水仙)の球根を食べて中毒に、というニュースが毎年毎年報じられているので誤食せぬよう。この手の自然毒を誤って食べてしまうのはまずもって高齢者なのでよくよく注意されたい。スイセンを食べてしまうと、最悪死亡に至る。ノビルにはニラ・ネギ・ニンニク系統のにおいがあることを確認のこと。傷つけるとやたらとぬめぬめ粘る、という場合はスイセンの球根である疑い。タマスダレ(玉簾)(有毒)もよく似ているので注意。
マンションの中庭に数株生えていて、ムカゴが付いていたから間違いないでしょう。
恐らく、外部から持ち込んだ用土を足したときに混ざっていたのだと思います。
面白そうなので、ムカゴをほぐしてべランダで鉢に植え付けました。
球根が食べられるまで、二三年はかかるのでこのままにしておきます。
それで、スタ丼というお店のわずかな空き地にも生えていました。
精が付くのならノビルもそうで、この組み合わせに笑ってしまいました。