珠芽猫の目 ユキノシタ目/ユキノシタ科/ネコノメソウ属 花期/2月下旬~3月 結実期/4月~5月
学名/Chrysosplenium maximowiczii Franch. & Sav.
自生種保護
環境省レッドリスト2018「準絶滅危惧(NT)」
ムカゴネコノメ 逗子市・森戸川源流 2018/03/18
直射日光が当たらない薄暗くじめじめ湿り気味な林床や沢近くに生える多年草。源流域に多い。スギ(杉)などの針葉樹林にも生える。日本固有種。ネコノメソウ(猫の目草)の仲間。ムカゴネコノメソウ(珠芽猫の目草)とも。名は、’地下または地上に走出枝を伸ばし、先にむかごをつける’(『神奈川県植物誌2018』)ことに因む。ランナー(走出枝、ストロン・匍匐茎 ※当サイトでは両者を厳格には区別せずランナーと呼ぶ)を伸ばしてユキノシタ(雪ノ下)のような増え方をし、土中に芋を作る、といった感じのイメージ。周辺に子株を作るため、生えている地点では小群落を形成することが多い。一般的に見られるヤマネコノメソウ(山猫の目草)よりもぜんぜん極小な個体でありながらしっかり花を咲かせているものがまま見られるのも特徴。イワボタン(岩牡丹)系のやや小型個体と同程度の大きさまで育つ。神奈川県内では丹沢や箱根方面に広く分布。湘南・鎌倉・三浦半島では森戸川源流域およびその周辺にのみ自生あり。自生地には少なくない。
ムカゴネコノメの群生 逗子市・森戸川源流 2018/03/18
ムカゴネコノメ 逗子市・森戸川源流 2018/03/18
葉は対生。ヤマネコノメソウは互生である。
ムカゴネコノメ 逗子市・森戸川源流 2018/03/18
ムカゴネコノメ 逗子市・森戸川源流 2018/03/18
ヤマネコノメソウとムカゴネコノメの比較 逗子市・森戸川源流 2018/03/18
ムカゴネコノメ 厚木市七沢・二の足林道~不動尻 2024/03/09
ムカゴネコノメ 厚木市七沢・二の足林道~不動尻 2024/03/09
小型個体でも開花するムカゴネコノメ 厚木市七沢・二の足林道~不動尻 2024/03/09
ムカゴネコノメの地際に伸びたランナー 厚木市七沢・不動尻 2024/03/21
ムカゴネコノメのランナーとむかご 厚木市七沢 2024/03/21
ムカゴネコノメの花
全体的には若々しい緑色で、花の近辺はそれより少しばかり明るい(少しだけ黄色っぽい)色になる。花弁(のように見えないでもないが学術的には萼片)は明るい黄緑色。明確に黄色いのは葯(やく)だけ。ネコノメソウであれば花時には花近辺の葉(苞(ほう)という)はもっと明瞭に黄色く変わる。
ムカゴネコノメ 逗子市・森戸川源流 2018/03/18
ムカゴネコノメ 厚木市七沢・二の足林道~不動尻 2024/03/09
参考資料
『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)
『日本の固有植物』 加藤雅啓・海老原淳編 東海大学出版会発行(2011)
はじめまして
マンションの敷地内に生えてました。絶滅危惧種の類とは思いもしませんでした(@_@;)