松葉牡丹 ナデシコ目/スベリヒユ科/スベリヒユ属 花期/6月~9月 結実期/7月~10月
学名/Portulaca grandiflora Hook.
改良種
道端に植えられたほぼ放ったらかし#マツバボタン(手前の線葉はタマスダレ) 茅ヶ崎市浜之郷 2021/07/28
園芸栽培される、南米原産の一年草。江戸時代の終わりには日本に伝わっていたらしい。園芸種は色々あり。もしかしたらスベリヒユ属に分類される植物を総称していうポーチュラカの名前で呼ばれることもあるかもしれないが、一般的にポーチュラカといったら本種のことではない。名は、葉がマツ(松)に、八重咲きの花姿がボタン(牡丹)に見立てられたもの。別名ツミキリソウ(摘切草)とかツメキリソウ(爪切草)とも呼ばれ、その名の由来は繁殖力が強くて爪で切って地面に挿してもよく根付くからだとされるが、果たしてそんな挿し芽の話から名前が付くものだろうか。葉の形状が爪切りで切った爪のような形だからと考えた方が素直と思うが、詳しくは知らない。炎天下の乾燥地でも良く咲くことからヒデリソウ(日照草)、こぼれダネでまた来年生えてくることもあるのでホロビンソウ(不亡草)とも。日当たりの良い場所で、水はけの良い土を用い、過湿を嫌うので乾燥気味に栽培する。平たくいえば、放ったらかしの真夏の花壇に、かっさかさに乾燥しがちな道端のちょい植えにうってつけ。あまりにも乾燥が続くときは(水代わりに)薄い液肥を与えると良い。初夏(5月~6月)に園芸店等でポット苗が安価で販売されることがある。ただし現在、出回る数量はポーチュラカの方が圧倒的に隆盛で、マツバボタンは(売っているのも栽培されているのも)さほど見かけないかも。
川べりの花壇に植えられた#マツバボタン 寒川町・宮山大橋 2021/06/01
#マツバボタンの若い株 茅ヶ崎市浜之郷 2021/06/28
道端に植えられたほぼ放ったらかし#マツバボタン(手前の線葉はタマスダレ) 茅ヶ崎市浜之郷 2021/07/25
葉は短めな棒状の、多肉植物。葉の形状や名前の紛らわしさから、よくマツバギク(松葉菊)と混同されがち。マツバボタンの方が立体感があり、もこもこっと茂る。草丈は20cm、株張りは30cm程度。節から根は出さない。葉の基部に短めな白毛が生える。
#マツバボタンの葉 寒川町・宮山大橋 2021/06/01
#マツバボタンの葉 寒川町・宮山大橋 2021/06/01
近似の別種にヒメマツバボタン(姫松葉牡丹)あり。葉の基部から生える白毛が多くてよく目立ち、花は小さく1cm程度で赤紫色(濃いピンク色)。道端に帰化雑草として生えることがある。
マツバボタンの花
枝先で上向きに咲く。花径は品種によろうが4cm程度。”大輪”と称して売られていてもさほど大きな花ではない(結構大きな花を咲かせる品種もないわけではない)。ポーチュラカのような一重咲きもあるが、一般に流通しているのは八重咲き品種。単色もあるようだが、花色は、白、黄色、オレンジ、ピンク、赤、斑入りなどを一株で枝ごとに咲き分ける花色混合が多いか。元は昼にはしぼんでしまうものだったらしいが、いま出回っている品種は夕方まで咲いてくれるだろう。一日花ながら、(カタログで見るようなびっしり満開とはなかなかいかないものの)次々と新しい花が咲く。咲き終わるとすぐに花弁がべちゃっと葉にへばり付いて取れなくなるため、神経質な人は花殻(はながら)摘みに苦心するかも。
#マツバボタン 茅ヶ崎市浜之郷 2021/07/25
#マツバボタン 茅ヶ崎市浜之郷 2021/07/25
#マツバボタン 茅ヶ崎市浜之郷 2021/07/18
#マツバボタン 茅ヶ崎市浜之郷 2021/07/18
一重咲きの#マツバボタン 寒川町・宮山大橋 2021/06/01
マツバボタンの実
同属のスベリヒユ(滑莧)同様の蓋果(がいか)。熟すと蓋がぱかっと外れて、中に収まっていた種子をぼろぼろこぼす。
#マツバボタンの未熟な実 茅ヶ崎市浜之郷 2021/07/12
#マツバボタンの種子 茅ヶ崎市浜之郷 2021/07/12