丸葉藤袴 キク目/キク科/マルバフジバカマ属 花期/10月、(箱根)9月中旬~10月中旬
学名/Ageratina altissima (L.) R.M.King & H.Rob.
有毒外来種改良種駆除
生態系被害防止外来種リスト「総合対策外来種」
マルバフジバカマ 箱根町宮ノ下 2017/09/25
園芸栽培されることがある、北米原産の多年草。神奈川県内では箱根の山野に膨大な数が逸出帰化していることで悪名高い侵略的外来種。元は(小田急グループの箱根登山鉄道が運営している)箱根強羅公園で栽培されていたものというが、そこから漏れ出て、平成29年(2017)現在塔ノ沢から芦ノ湖に至るまで広範囲に自然繁殖している有様。秋彼岸(9月23日)を過ぎて少し涼しくなりかけた頃、国道1号線(東海道一般道)や国道138号線を車で走れば道路沿いに繁茂している清楚な白花は本種である。
マルバフジバカマ 箱根町宮ノ下 2017/09/25
木漏れ日程度しか当たらないやや薄暗く乾燥しない林床や林縁、沿道などに好んで生える。針葉樹を嫌わないようで、スギ(杉)やヒノキ(檜)の人工林にも生える。耐暑性にやや難があると思われ、真夏の炎天下に当てていると死滅する。湘南・鎌倉、あるいは横浜あたりにも侵出してきており、花がきれいなので駆除もされず、増える一方。毒性があり、シカ(鹿)が食べてくれない。
マルバフジバカマ 箱根町宮ノ下 2017/09/25
マルバフジバカマ 横浜市緑区・四季の森公園 2023/10/12
マルバフジバカマの葉 横浜市緑区・四季の森公園 2023/10/12
葉は対生。丸葉といっても、フジバカマ(藤袴)やヒヨドリバナ(鵯花)に比べれば葉が幅広という意味。実際の形状はまったく丸くは感じられない。葉柄(ようへい)に翼(よく)あり。葉柄基部は茎を抱く。
マルバフジバカマの葉 箱根町宮ノ下 2017/09/25
茎や葉が紫色を帯びる園芸品種はユーパトリウム’チョコレート’ないしユーパトリウム’チョコラータ’の名で市販されている。ユーパトリウム(Eupatorium)はヒヨドリバナ属に分類される植物の総称。本種は元はヒヨドリバナ属に分類されていた。
マルバフジバカマの花
花色はきれいな白。ぱっと見はフジバカマというよりはユーパトリウムかアゲラタムかと言った印象。在来種では色的にヒヨドリバナにちょっと似るか。より寒冷で秋が早く訪れる箱根ではタマアジサイ(玉紫陽花)が咲き終わる9月中旬から(見頃は9月末)、温暖な湘南地方では一歩遅れて10月に開花する。
マルバフジバカマ 箱根町宮ノ下 2017/09/25
マルバフジバカマ 箱根町宮ノ下 2017/09/25
マルバフジバカマ 箱根町宮ノ下 2017/09/25
マルバフジバカマ 横浜市緑区・四季の森公園 2023/10/12
マルバフジバカマ 横浜市緑区・四季の森公園 2023/10/12
横浜市緑区・四季の森公園(しょうぶ園奥の休憩所付近)、横浜市戸塚区・#俣野別邸庭園
#円覚寺松嶺院(鉢植え、9月中旬 ※9月14日まで閉門)
箱根(宮ノ下から堂ヶ島への道沿いなど、9月下旬~10月初旬)
参考資料
『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)