フジバカマ

藤袴 キク目/キク科/ヒヨドリバナ属 花期/9月下旬~10月上旬
学名/Eupatorium japonicum Thunb.

環境省レッドリスト2018「準絶滅危惧(NT)」
神奈川県レッドリスト2020「絶滅」
神奈川県レッドリスト2006「絶滅」

有毒稀少

フジバカマ 鎌倉市・光則寺 2018/09/28

#フジバカマ 鎌倉市・光則寺 2018/09/28

河原などに生える多年草で、秋の七草の一つ。日本に自生しているフジバカマは全体的に赤みが弱く、フジバカマ(園芸種)の花を見慣れている人の目には色褪せて映るか。草丈は1.5m前後で、人の胸から顔くらいの高さ。神奈川県内では、古い標本はあるようだが現在は絶滅し、自然界で見かける機会はない。よほどの好事家(こうずか)でない限り栽培もしていないのでは。

フジバカマ 鎌倉市・光則寺 2018/09/28

#フジバカマ 鎌倉市・光則寺 2018/09/28

フジバカマ 鎌倉市・光則寺 2018/09/28

#フジバカマ 鎌倉市・光則寺 2018/09/28

フジバカマ 鎌倉市・光則寺 2018/09/28

#フジバカマ 鎌倉市・光則寺 2018/09/28

フジバカマの(茎上部の)葉は、正しくは、基本的には三深裂しないのかもしれない。近似種のヒヨドリバナ(鵯花)と大差ない形状。葉が柔らかそうに見え、葉先はしんなり下に垂れる傾向。茎の色は、うっすら赤みがかることはあるものの、緑色。

フジバカマの葉 鎌倉市・光則寺 2018/09/28

#フジバカマの葉 鎌倉市・光則寺 2018/09/28

フジバカマの葉 鎌倉市・光則寺 2018/09/28

#フジバカマの葉 鎌倉市・光則寺 2018/09/28

根元に近い下部の葉は三深裂する。ただし、別個の小葉(しょうよう)が三枚あるようには感じられない程度の切れ込み具合かもしれない。なお下部の葉は腐ったり虫食いにひどくやられ、きれいな原状を維持していない。下部の茎は茶色になる。

フジバカマの茎下部の葉 鎌倉市・光則寺 2018/09/28

#フジバカマの茎下部の葉 鎌倉市・光則寺 2018/09/28

フジバカマの花

赤紫色は薄い。冷凍庫から出したばかりの霜(しも)が降りているあずきバー(井村屋)のような、白っちゃけた薄紫色。見頃は9月末から10月初旬。

フジバカマの蕾 鎌倉市・光則寺 2018/09/28

#フジバカマの蕾 鎌倉市・光則寺 2018/09/28

フジバカマ 鎌倉市・光則寺 2018/09/28

#フジバカマ 鎌倉市・光則寺 2018/09/28

フジバカマ 鎌倉市・光則寺 2018/09/28

#フジバカマ 鎌倉市・光則寺 2018/09/28

フジバカマ 鎌倉市・光則寺 2018/09/28

#フジバカマ 鎌倉市・光則寺 2018/09/28

フジバカマ 鎌倉市・光則寺 2018/09/28

#フジバカマ 鎌倉市・光則寺 2018/09/28

フジバカマの仲間にはひいらひいらと優美に舞い飛ぶアサギマダラ(浅葱斑)というチョウ(蝶)が飛来し蜜吸いすることが知られる。


東京都文京区・#小石川植物園(薬園保存園)、東京都小平市・#東京都薬用植物園、横浜市鶴見区・#馬場花木園

#光則寺

フジバカマ(園芸種)

藤袴 キク目/キク科/ヒヨドリバナ属 花期/10月中旬~下旬
学名/Eupatorium × arakianum Murata & H.Koyama

有毒改良種

フジバカマ(園芸種) 寒川町・川とのふれあい公園 2021/10/11

#フジバカマ(園芸種) 寒川町・川とのふれあい公園 2021/10/11

フジバカマの名前で園芸栽培される多年草。現在ホームセンターの園芸コーナー等でフジバカマとして販売されているもののほぼすべては、この中国渡来のフジバカマないしその園芸品種とされるもので、サワヒヨドリ(沢鵯)との交雑種とされるものはサワフジバカマ(沢藤袴)と呼ばれることも。平たくいえば、フジバカマの偽物。※本頁ではこれらをフジバカマ(園芸種)として扱う。

フジバカマ(園芸種) 寒川町・川とのふれあい公園 2021/10/11

#フジバカマ(園芸種) 寒川町・川とのふれあい公園 2021/10/11

フジバカマ(園芸種) 横浜市戸塚区・舞岡公園 2018/10/18

#フジバカマ(園芸種) 横浜市戸塚区・舞岡公園 2018/10/18

神奈川県内の公園花壇、鎌倉の寺境内等で栽培されているものはフジバカマ(園芸種)の方である。

フジバカマ(園芸種) 横浜市戸塚区・舞岡公園 2018/10/18

#フジバカマ(園芸種) 横浜市戸塚区・舞岡公園 2018/10/18

フジバカマ(園芸種)は、茎上部や花柄(かへい)が着色料でも使っているかのような強い(緑色ではなく)赤紫色をしている。フジバカマ色というよりもサワヒヨドリ色といった方が分かりやすい。葉は茎上部に至るまで積極的に三深裂し、小葉が三枚付いているように見える。葉先はあまり垂れない。

フジバカマ(園芸種)の特徴 横浜市戸塚区・舞岡公園 2018/10/18

#フジバカマ(園芸種)の特徴 横浜市戸塚区・舞岡公園 2018/10/18

フジバカマ(園芸種)の茎やや上部の葉 横浜市戸塚区・舞岡公園 2018/10/18

#フジバカマ(園芸種)の茎やや上部の葉 横浜市戸塚区・舞岡公園 2018/10/18

フジバカマ(園芸種)の葉 横浜市戸塚区・舞岡公園 2018/10/18

#フジバカマ(園芸種)の葉 横浜市戸塚区・舞岡公園 2018/10/18

湘南・鎌倉・三浦半島の山野で見かける白花のフジバカマらしきものはヒヨドリバナ(鵯花)という近似種。ヒヨドリバナの仲間は葉が三裂しない。特に箱根で帰化が深刻な問題になっているマルバフジバカマ(丸葉藤袴)という外来種が栽培されることがある。

フジバカマ(園芸種)の花

花期はフジバカマよりも明らかに遅い。特に蕾の時点で、赤紫色(サワヒヨドリ色)の発色が強い。小花を囲むように生える毛が短く、目立たない。ヒヨドリバナと紛らわしい白花品種も。

フジバカマ(園芸種)の蕾 横浜市戸塚区・舞岡公園 2018/10/18

#フジバカマ(園芸種)の蕾 横浜市戸塚区・舞岡公園 2018/10/18

フジバカマ(園芸種)の蕾 横浜市戸塚区・舞岡公園 2018/10/18

#フジバカマ(園芸種)の蕾 横浜市戸塚区・舞岡公園 2018/10/18

フジバカマ(園芸種) 茅ケ崎里山公園 2017/10/11

#フジバカマ(園芸種) 茅ケ崎里山公園 2017/10/11

フジバカマ(園芸種) 茅ケ崎里山公園 2017/10/11

#フジバカマ(園芸種) 茅ケ崎里山公園 2017/10/11

フジバカマ(園芸種) 寒川町・川とのふれあい公園 2021/10/11

#フジバカマ(園芸種) 寒川町・川とのふれあい公園 2021/10/11

フジバカマ(園芸種) 横浜市戸塚区・舞岡公園 2018/10/18

#フジバカマ(園芸種) 横浜市戸塚区・舞岡公園 2018/10/18

フジバカマ(園芸種)の花にもアサギマダラ(浅葱斑)は飛来する。


横浜市戸塚区・#舞岡公園(小谷戸の里)

#新善光寺(山門くぐって右手植込み、三浦半島 秋の七草)、#スリランカティールーム(門外、やや遅め)、#英勝寺(通用門外の梅の下、遅い)、#長谷寺(妙智池畔=白花も、放生池畔)、#東慶寺(白花も)

#小動神社(参道花壇、滅失)、#茅ケ崎里山公園(谷の家花壇)、寒川町・#川とのふれあい公園(花壇)

参考資料

「KESエコロジカルネットワークプロジェクト 希少種の栽培実習 フジバカマ・ヒオウギ・キクタニギク 育て方・栽培管理の注意」 京都市都市緑化協会発行(2015)

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