七草粥(ななくさがゆ)にして頂く「春の七草」は誰もが知っているところだろうが、秋にも七草とされるものあり。食用にはせず、夏越(なごし)をしつつ花を物憂げに眺めて楽しむ。ということになってはいるのだが、夏から咲いている花も多く、現代の季節感に合致しているとはとてもいいがたくいまひとつ盛り上がらない。
奈良時代の歌人山上憶良(やまのうえのおくら)が「秋の野に 咲きたる花を 指(および)折り かき数ふれば 七種(ななくさ)の花」「萩の花 尾花 葛花 瞿麦(なでしこ)の花 姫部志(をみなへし) また藤袴 朝貌の花」と『万葉集』で詠んだのが秋の七草の始まりとされ、これに従い一般に、ハギ(萩)、オバナ(尾花、ススキ(芒)のこと)、クズ(葛)、ナデシコ(撫子)、オミナエシ(女郎花)、フジバカマ(藤袴)、キキョウ(桔梗)の七種とされる。朝貌の花はキキョウではなくアサガオ(朝顔)ではないのかという指摘もありよくわからない。
三浦半島「秋の七草寺社めぐり」
秋の七草に誘われて三浦半島の七ヶ所巡りは如何ですかという提案。期間限定(9月1日~10月20日)の特別な御朱印を受けることができる。三浦半島を一周するものだが、七草は一時期に咲き揃うものではないため、花見目当てに一日で巡拝することはできない。
青雲寺のオミナエシ) / 満願寺のナデシコ / 海南神社のハギ / 妙音寺のクズ / 延寿寺のキキョウ / 新善光寺のフジバカマ / 浪子不動のオバナ
湘南ひらつか七福神「秋の七草」
平成23年(2011)7月に発足した平塚市の新観光スポット「湘南ひらつか七福神」に秋の七草を設置。
長楽寺のオミナエシ / 妙安寺のナデシコ ※平成25年(2013)見当たらない / 蓮光寺のハギ ※本堂前に少々 / 平塚八幡宮のクズ ※平成25年(2013)見当たらない / 三嶋神社のキキョウ ※平成25年(2013)プランターあるが枯れている / 春日神社のフジバカマ ※日陰のため花期遅い / 善性寺のオバナ ※プランターに少々
新・秋の七草
昭和10年(1935)に東京日日新聞(現毎日新聞)が著名人に選ばせたものという。
長谷川時雨 ハゲイトウ / 菊池寛 コスモス / 斉藤茂吉 ヒガンバナ / 高浜虚子 アカマンマ / 牧野富太郎 キク / 与謝野晶子 オシロイバナ / 永井荷風 シュウカイドウ