犬香薷 シソ目/シソ科/イヌコウジュ属 花期/9月~10月上旬
学名/Mosla scabra (Thunb.) C.Y.Wu & H.W.Li
自生種保護
イヌコウジュ 茅ヶ崎市・市民の森 2019/10/10
半日陰のやや乾燥した道端や草地などに生える多年草。花序が立っていればぱっと見でシソ(紫蘇)の仲間であることは気づくだろう。ただしシソよりも小型で、草丈は人の脛(すね)から膝(ひざ)上くらい。葉が小さめなのでこんもりもさもさな姿にはならない。湘南・鎌倉・三浦半島では里山地域で多からず少なからず、時折見かけることがある程度。夏場は草が生えていると機械で無選別に刈払いされてしまうところが多いため、イヌコウジュも刈られてしかるべき雑草と一緒にやられてしまう。確かにイネ科や外来種のしようもない駄雑草たちと一緒に生えてはいるが。
イヌコウジュ 二宮町・吾妻山公園 2022/09/26
イヌコウジュ 茅ヶ崎市芹沢・旧「芹沢城之腰」バス停付近 2019/09/27
イヌコウジュ 鎌倉市・東慶寺 2019/10/01
イヌコウジュ 茅ヶ崎市・市民の森周辺 2019/10/05
イヌコウジュ、丸葉はハマゴウ 茅ヶ崎市・市民の森 2019/10/10
イヌコウジュの葉 茅ヶ崎市・市民の森 2019/10/10
イヌコウジュの花序直下の幅広な葉 鎌倉市・東慶寺 2019/10/01
イヌコウジュの花序直下の幅広な葉 茅ヶ崎市・市民の森 2019/10/10
シソ科の野草は紛らわしいものがたくさんあって厄介であるが、イヌコウジュは特に同属のヒメジソ(姫紫蘇)にそっくりでよく誤認されることで有名。イヌコウジュは、乾燥気味の場所に生え、花序軸に開出毛が多く、萼片は細めで鋭利によく尖り、花序真下に付く一対の葉は幅広に変形しており、他の葉の鋸歯は浅め。ヒメジソは、やや湿った場所に生え、花序軸の毛はほとんどなく、花序真下の葉も他の葉と同形で、鋸歯は粗(あら)め。
イヌコウジュの花
白っぽい薄紫地に濃いめ紫(というよりピンク色)の斑が入る。ヒメジソの花はより白っぽく感じるもの。
イヌコウジュ 茅ヶ崎市芹沢・旧「芹沢城之腰」バス停付近 2019/09/27
イヌコウジュ 茅ヶ崎市芹沢・旧「芹沢城之腰」バス停付近 2019/09/27
イヌコウジュ 茅ヶ崎市・市民の森周辺 2019/10/05
イヌコウジュ 鎌倉市・東慶寺 2019/10/01
花序の軸に白色の短い開出毛が多いこともイヌコウジュの特徴でルーペを除けば明確に確認できるが、肉眼では毛らしきものが多いのか少ないのかあるような気がするという程度にしか見えないか。萼の稜も有毛。
イヌコウジュの萼 茅ヶ崎市・市民の森 2019/10/10
横浜市戸塚区・#舞岡公園、横浜市栄区・横浜自然観察の森、横浜市栄区・栄プール~天園
#東慶寺(松岡宝蔵前庭のモッコク下)、茅ヶ崎市・市民の森(駐車場周辺に多め、ただし市民の森管理地内は刈払いで全草丸禿げにされてしまう、管理棟向いの花壇に残されるか)
鎌倉広町緑地(管理事務所南東に僅少)、茅ヶ崎市芹沢・コミュニティバスえぼし号北部循環市立病院線旧小出循環コース「芹沢城之腰」バス停付近、二宮町・吾妻山公園(芝生広場北側に僅少)
松田町・松田山・中央農道(河南沢配水池上の沢沿い草地に多い)
参考資料
『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)