アレチニシキソウ

荒地錦草 キントラノオ目/トウダイグサ科/ニシキソウ属 花期/6月~10月

有毒外来種駆除稀少

草地に生えたアレチニシキソウ 藤沢市遠藤・小出川 2019/09/27

草地に生えたアレチニシキソウ 藤沢市遠藤・小出川 2019/09/27

原産地不明の一年草。身辺調査が進んでいないようで、よく正体不明といわれる。外来種ではないかとされるつまりは帰化雑草。トウダイグサ科なので有毒と考えて良いのではないか。全体的な姿はコニシキソウ(小錦草)に準ずるが、葉が明らかに丸っこいのが最大の違い。似たような丸葉型にハイニシキソウ(這錦草)というのがあるのでルーペで覗いて同定作業を行う必要あり。湘南・鎌倉・三浦半島では茅ヶ崎市北部を中心に帰化が確認されている模様。どうも小出川(こいでがわ)上流の農地周辺はシマツユクサ(島露草)を筆頭に外来種伝播(でんぱ)の起点になっている疑いあり。

小振りなアレチニシキソウ 藤沢市遠藤・小出川 2019/09/27

小振りなアレチニシキソウ 藤沢市遠藤・小出川 2019/09/27

コニシキソウのように茎は地面を這ってロゼット状に広がってゆくようであるが、他の低草と一緒に生えてしまった場合は日光を求めて立ち上がり気味になる模様。

草地に生えたアレチニシキソウ 藤沢市遠藤・小出川 2019/09/27

草地に生えたアレチニシキソウ 藤沢市遠藤・小出川 2019/09/27

葉は、どこにでも大量に生えている北米原産の帰化雑草コニシキソウを基準に鑑みて、丸っこい、葉の真ん中に赤斑が入らない。なおコニシキソウの葉にも赤斑が入らないものはある。今となっては稀少な在来種ニシキソウ(錦草)の葉にも赤斑は入らない。葉の表面を除いて全体的に(茎についていえば上側のみならず全周に)やや天然パーマがかった(しゅっと直線的には伸びない)白色の短い毛が多く生えていること。ハイニシキソウなら茎は上側にのみ短い伏毛(ふくもう)がある。葉の表面は無毛ではないが毛はかなり少なく、唐草模様のように網状脈が見える。

草地に生えたアレチニシキソウ 藤沢市遠藤・小出川 2019/09/27

草地に生えたアレチニシキソウ 藤沢市遠藤・小出川 2019/09/27

アレチニシキソウの花

ルーペで覗けば、腺体は濃いめのピンク色、それを縁取るように極めて小さな付属体(コニシキソウの仲間では花弁のように見えるもの)がかろうじてあり(あると念ずれば見えてくる、程度のもの)腺体よりも色薄いピンク。小さすぎて肉眼では見えがたく、ピンク色っぽい突起物があるような感じがする程度。とても花が咲いているとは気づかれまい。

アレチニシキソウ 藤沢市遠藤・小出川 2019/09/27

アレチニシキソウ 藤沢市遠藤・小出川 2019/09/27

アレチニシキソウの花(白色矢印) 藤沢市遠藤・小出川 2019/09/27

アレチニシキソウの花(白色矢印) 藤沢市遠藤・小出川 2019/09/27

アレチニシキソウの実

コニシキソウの仲間なので花が終わった後に丸っこい実ができる。『神奈川県植物誌2018』によれば”稜(りょう、出っ張り部分)付近に立った毛があるが、その毛はやや縮れ、側面にもまばらに生える”(注釈は当方で付した)とあるが、ルーペで覗いたくらいでは実の表面にも全体的に天パー白短毛が生えているようにしか感じられないだろう。ハイニシキソウであれば稜にのみ毛が生えているので、重要な同定ポイントである。なおコニシキソウの実も全体有毛、ニシキソウの実は無毛である。

アレチニシキソウの若い実(白色矢印) 藤沢市遠藤・小出川 2019/09/27

アレチニシキソウの若い実(白色矢印) 藤沢市遠藤・小出川 2019/09/27


藤沢市遠藤・小出川

関連記事 – 仲間・似ている・紛らわしい

コニシキソウ 平塚市馬入・相模川 2018/08/11コニシキソウ

ニシキソウ 茅ヶ崎市西久保・湘南東部総合病院 2018/09/20ニシキソウ

オオニシキソウ 平塚市馬入・相模川土手 2018/08/11オオニシキソウ

コミカンソウ 茅ヶ崎市西久保 2018/08/23コミカンソウ

ヒメミカンソウ 鎌倉市・収玄寺 2019/08/27ヒメミカンソウ

スベリヒユ 茅ヶ崎市西久保 2019/08/17スベリヒユ