山桑 バラ目/クワ科/クワ属 花期/4月上旬~中旬 結実期/5月中旬~6月上旬 黄葉/11月下旬~12月上旬
食用自生種
ヤマグワの雌花 茅ヶ崎市今宿・下町屋歩道橋 2018/04/12
日本に自生するクワ。落葉高木で、ふつう雌雄異株(しゆういしゅ)。葉はカイコ(蚕)の餌として大事にされた。
ヤマグワ 葉山町長柄 2023/05/27
葉は、切れ込みが全くないものから複雑に切れ込むものまで形は様々。三深裂したものはカジノキ(梶の木)の葉に似る。
異様な形をしたヤマグワの幼木の葉 鎌倉市・宅間ガ谷 2016/09/16
ヤマグワの葉は、生えたての若葉でなくとも薄くてぺらっぺら。
ヤマグワの葉 東京都小平市・東京都薬用植物園 2017/05/09
ヤマグワの典型的な葉 横浜市栄区・横浜自然観察の森 2018/05/20
ヤマグワの幹 茅ケ崎里山公園 2017/04/21
ヤマグワの花
ヤマグワの花が開くのは、ソメイヨシノ(染井吉野)が咲き終わってみな葉桜(はざくら)になった頃。ヤマグワは花と同時に葉も開くが、これがなんともサクラの葉にように見えて仕方がない。サクラみたいな葉と一緒に妙な形状の花が咲いていたらヤマグワ、ということになる。
開花時期のヤマグワの葉 茅ケ崎里山公園 2017/04/21
ヤマグワの雄花 茅ケ崎里山公園 2014/04/21
ヤマグワの雄花 茅ケ崎里山公園 2014/04/21
ヤマグワの雄花 茅ケ崎里山公園 2014/04/21
雌花は虫か何かにしか見えない奇妙な形状をしているが、これを見つけてようやく「ああ、あの長い花穂が垂れていたのはヤマグワの雄花だったのか」と思い出すことになる。
ヤマグワの雌花 平塚市・花菜ガーデン 2017/04/21
ヤマグワの雌花 平塚市・花菜ガーデン 2017/04/21
ヤマグワの雌花 茅ヶ崎市今宿・下町屋歩道橋 2018/04/12
ヤマグワの実
粒々が集まったキイチゴ(木苺)やヒメコウゾ(姫楮)のような集合果を作る。実は次第に赤くなり、ブドウ(葡萄)のように濃い赤紫色(黒紫色)に熟す。赤いくらいではまだ酸っぱいかもしれないが食べられはする。黒っぽく完熟した実は甘く、ときに酸味がわずかに加わったブドウのような味。苦味などの嫌な癖はないので、ベリーのように冷やしてヨーグルトに入れれば普通においしく頂けるのではないか。ただし、カメムシ(亀虫)などが果汁を吸った後の果実を口にするのはためらいを感じてしまうのも確か。熟した実はスズメ(雀)などがついばんでゆく。
ヤマグワの実(中央のブドウ色の実が食べ頃) 横浜市栄区・横浜自然観察の森 2018/05/20
ヤマグワの実は雌蕊の長い花柱がまるで棘(とげ)や虫の脚のような姿で明確に残る。除去せずそのまま食べても意外と気にはならないもの。
前田川お国橋際(前田川遊歩道入口の反対側、雌株)、鎌倉中央公園(小段谷戸)、鎌倉市今泉台・滝ノ入隧道(散在ガ池森林公園東側のトンネル、北東側車道沿い)、藤沢市・新林公園(古民家裏広場中央、雌株)、清水谷(梅林東側、雌雄)、茅ヶ崎市今宿・下町屋歩道橋(「茅ヶ崎西インター」交差点)
マグワ
食用外来種改良種稀少
中国原産。養蚕用に栽培された。
葉はヤマグワ(山桑)のものとは異なり、異様に薄くぺらっぺらということはない。ふつう。
マグワの葉 東京都小平市・東京都薬用植物園 2017/05/09
マグワの花
マグワの実
マグワの実は比較的長く育ち、花柱が短い。熟すと花柱は消えてなくなる。
マグワの若い実 東京都小平市・東京都薬用植物園 2017/05/09
マグワの実 東京都小平市・東京都薬用植物園 2017/05/09
東京都小平市・東京都薬用植物園(雌株)
清水谷