扉、海桐花 セリ目/トベラ科/トベラ属 花期/4月下旬~5月上旬 結実期/11月~1月
学名/Pittosporum tobira (Thunb.) W.T.Aiton
自生種
#トベラの雄花 茅ヶ崎市柳島・柳島海岸 2017/05/08
日当たりのよい海辺に生える常緑の低木で、雌雄異株(しゆういしゅ)。名は、節分(二月三日)にこの枝を扉に挟んで魔除けとした”扉の木”から。樹皮を剥ぐと苦みを伴った悪臭を放つため、これが疫鬼(えきき)を追い払うと考えられていたらしい。生イワシ(鰯)の頭を刺したヒイラギ(柊)の枝を門戸に掲げておくがごとし。トベラは乾燥などに強いため、シャリンバイ(車輪梅)やキョウチクトウ(夾竹桃)と一緒に幹線道路の街路樹に、シャリンバイやマサキ(柾)と合わせて海辺の砂防林にたいへん多く利用されている。公園などの植え込みにも多い。神奈川県内でもおそらく沿岸地域の丘陵地林内に自生があると思うが、植栽ものの逸出と区別できない。
海辺の緑化に植えられた#マサキ、#シャリンバイ、#トベラ(混植) 横須賀市・北下浦海岸遊歩道 2023/01/20
葉は互生ということになっているが、枝先にまとまって付くので輪生のような印象を受けるかもしれない。縁(ふち)は裏側へカールするのが大きな特徴。ヒメユズリハ(姫譲葉)と誤認せぬよう。
#トベラの葉 藤沢市鵠沼海岸・湘南海岸砂防林 2019/01/08
#トベラの斑入りの葉(園芸種) 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/12/08
葉の縁が巻いていないものは中国原産ヒメトベラ(姫扉)。
樹皮を剥いだ#トベラの古い枝、苦みを伴う臭さあり 茅ヶ崎市萩園 2020/03/12
トベラの近似種でも何でもないまったくの別種であるクサトベラ(草扉)なるものの種子が海岸に希に漂着し発芽することがあるので、海辺を散策する際には留意したい。見た目はトベラに瓜二つであるが軟らかいのでクサトベラというも、古い茎は木質化するので低木である。花がミゾカクシ(溝隠)に似た形状なので開花していれば一目でそれとわかるが、神奈川県では開花は期待できないか。そもそもは南西諸島(鹿児島県と台湾の間にある沖縄を含む島々の総称)および東京都・小笠原諸島に分布する南国の植物で、神奈川県では仮に生え出たとしても越冬できずに死滅するはずである。
トベラの花
はじめ白くて徐々に黄色っぽく変化。
#トベラの雄花 茅ヶ崎市柳島・柳島海岸 2017/05/08
トベラの実
熟すと三つに裂開する。
#トベラの裂開前のほぼ熟した実 藤沢市・長久保公園 2019/12/11
#トベラの裂開前の実 鎌倉市・鶴岡八幡宮 2019/12/05
トベラの実 三浦市・毘沙門海岸 2015/11/22
#トベラの実 藤沢市・龍口寺 2016/12/06
#トベラの実 藤沢市・龍口寺 2016/12/06
#トベラの熟した実 茅ヶ崎市・柳島海岸 2018/10/17
#トベラの熟して裂開した(強風で飛散した砂やら塵が貼り付いた)実 茅ヶ崎市・柳島スポーツ公園 2020/11/21
東京都調布市・#神代植物公園(大温室小笠原植物室にクサトベラ)
#北下浦海岸遊歩道(きたしたうら-、マサキやシャリンバイと合わせて多い)
#大船フラワーセンター(ピクニックグラウンドに斑入り)