三角蔓 ブドウ目/ブドウ科/ブドウ属 花期/5月末~6月中旬 結実期/8月~9月
学名/Vitis flexuosa Thunb.
食用自生種稀少保護
サンカクヅルの実 小田原市早川 2018/08/26
山地の林縁部などに生える蔓性の落葉藤本(とうほん)で、雌雄異株(しゆういしゅ)。エビヅル(蝦蔓)の仲間でよく似ているが、葉が明確に異なっている。太い茎を切断すると水分がしたたるらしく、別名ギョウジャノミズ(行者の水)。神奈川県内では丹沢や箱根に自生。大磯丘陵にも僅かながらあるとかないとか。
サンカクヅル 小田原市早川・姫ノ水橋 2023/07/02
サンカクヅルの雄花 小田原市早川 2018/05/26
サンカクヅルの葉にはエビヅルの葉に入る切れ込みがまったくないか、あっても浅く、だいたい三角形に見える。
サンカクヅルの葉 小田原市早川 2018/05/26
サンカクヅルの葉 小田原市早川 2018/08/26
サンカクヅルの葉 小田原市早川・姫ノ水橋 2023/07/02
サンカクヅルの葉 小田原市早川 2018/05/26
サンカクヅルの葉裏には、エビヅルの葉裏を埋め尽くすように生えている白っぽい細かな毛(クモ毛)がまったくなく、無毛。葉裏に関してはノブドウ(野葡萄)に様子が似ている。
サンカクヅルの葉裏 小田原市早川 2018/05/26
サンカクヅルの浅く切れ込みが入った葉 小田原市早川 2018/05/26
サンカクヅルの花
だいたいエビヅルに同じ。雄株の雄花序、雌株の雌花序ともに垂れ下がらず、上向きに立ち上がり気味に生える。
長めの花糸(かし)がよく目立ち、花火のような姿になっているものが雄花。
サンカクヅルの雄花 小田原市早川 2018/05/26
サンカクヅルの雄花 小田原市早川 2018/05/26
緑色の子房と花柱(かちゅう)が主役で、それを囲うように退化した雄蕊が付属するのが雌花。しごく地味。
サンカクヅルの雌花 小田原市早川 2018/05/26
サンカクヅルの雌花 小田原市早川 2018/05/26
サンカクヅルの実
緑色から黒っぽく変色して熟す。熟したものは食べられる。市販のブドウ(葡萄)に比べてしまえば甘味は弱く、渋さに加えてすこしえぐみも感じるか。現代の高度に品種改良されたブドウよりもちろん明らかに劣るものだが、贅沢なものがなかった江戸時代などにあってはさぞ人気の高級果物だったろう。山地に生える耐寒性が強めな株の実は、熟す前に冬を迎えて緑色のまま傷んでしまうことがあるかもしれない。
サンカクヅルの未熟な実 小田原市早川 2018/08/26
サンカクヅルの未熟な実 箱根町・南温泉荘 2017/09/25
サンカクヅルの実 小田原市早川 2023/08/11
サンカクヅルの実 小田原市早川 2018/08/26
サンカクヅルの実 小田原市早川 2018/08/26
サンカクヅルの紅葉
エビヅル同様、サンカクヅルの葉も赤に紫に紅葉するはず。
サンカクヅルの秋の葉 箱根町・南温泉荘 2017/09/25
サンカクヅルの紅葉しかけ 箱根町・南温泉荘 2017/09/25