マテバシイ

全手葉椎、馬刀葉椎 ブナ目/ブナ科/マテバシイ属 花期/5月末~6月中旬 結実期/9月

自生種

マテバシイ 横須賀美術館 2017/06/06

マテバシイ 横須賀美術館 2017/06/06

広葉樹林内に生える常緑高木で、雌雄同株(しゆうどうしゅ)の雌雄異花。日本固有種。近似種のスダジイ(須田椎)と併せて「シイの木」と呼ばれる。神奈川県内の林内にもふつうに生えているが、自生なのか植栽に由来するものなのかは不明。三浦半島や房総半島でマテバシイを多く見かけるのは、かつて東京湾内で盛んだったノリ(海苔)の養殖にマテバシイが使われており、大正時代を中心に人為的に盛んに植えられたため。ノリの養殖は今では海面に網を浮かべて行う「浮き流し(ベタ流し)」が主流であるが、古くは浅瀬に粗朶(そだ)と呼ばれる小振りな木をたくさん並べて突き刺しておきその枝に付着したものを採集するという方式だった。ノリ養殖用に海に刺した粗朶は篊(ひび)ともいう。これにマテバシイやモウソウチク(孟宗竹)が好まれたのだそうだ。薪炭材(しんたんざい)としても利用されきた。現在はシイタケ(椎茸)のホダ木にできないでもないがほぼ用途なく放置されている。公園木や街路樹として市街地にもよく植えられており、身近な木の一つである。

マテバシイと思われるもの(黄緑色)、下方の花はシャーレーポピー 横須賀市・くりはま花の国 2016/06/04

マテバシイと思われるもの(黄緑色)、下方の花はシャーレーポピー 横須賀市・くりはま花の国 2016/06/04

マテバシイ 横須賀美術館 2017/06/06

マテバシイ 横須賀美術館 2017/06/06

マテバシイ 横須賀美術館 2017/06/06

マテバシイ 横須賀美術館 2017/06/06

マテバシイ 茅ヶ崎市下町屋・小出川沿い 2018/05/27

マテバシイ 茅ヶ崎市下町屋・小出川沿い 2018/05/27

マテバシイ 茅ヶ崎市・下町屋河畔公園 2018/05/27

マテバシイ 茅ヶ崎市・下町屋河畔公園 2018/05/27

マテバシイの幹 茅ヶ崎市・下町屋河畔公園 2018/05/27

マテバシイの幹 茅ヶ崎市・下町屋河畔公園 2018/05/27

葉は主に枝先に付き、互生で、大きく硬い。鋸歯はない。スダジイの葉はもっと小さく、葉の先端側半分に鋸歯ができることが多い。

マテバシイの葉 茅ヶ崎市・下町屋河畔公園 2018/05/27

マテバシイの葉 茅ヶ崎市・下町屋河畔公園 2018/05/27

マテバシイの葉 横須賀美術館 2017/06/06

マテバシイの葉 横須賀美術館 2017/06/06

マテバシイの葉 茅ヶ崎市・下町屋河畔公園 2018/05/27

マテバシイの葉 茅ヶ崎市・下町屋河畔公園 2018/05/27

マテバシイの葉裏 茅ヶ崎市・下町屋河畔公園 2018/05/27

マテバシイの葉裏 茅ヶ崎市・下町屋河畔公園 2018/05/27

マテバシイの花

湘南・鎌倉・三浦半島では6月初旬を中心にその前後、ネズミモチ(鼠黐)の花が盛りを迎えている頃であるが、林のところどころを黄緑色に染めるのはマテバシイの花である。花はクリーム色(明るくやや薄めの黄色)、若葉は明るい緑色、古い葉は濃い緑色、これらが人の目にはごっちゃになって遠目では黄緑色として視認される。初夏の色濃くなった周囲の新緑とのコントラストがきれいでよく目立つだろう。なおスダジイの花はとっくに咲き終わっており花期は重ならない。クリ(栗)はマテバシイとほぼ同時期に開花あり、においも似る。

マテバシイ 茅ヶ崎市・下町屋河畔公園 2018/05/27

マテバシイ 茅ヶ崎市・下町屋河畔公園 2018/05/27

マテバシイ 横須賀美術館 2017/06/06

マテバシイ 横須賀美術館 2017/06/06

マテバシイ 茅ヶ崎市下町屋・小出川沿い 2018/05/27

マテバシイ 茅ヶ崎市下町屋・小出川沿い 2018/05/27

マテバシイの雄花と雌花 茅ヶ崎市・下町屋河畔公園 2018/05/27

マテバシイの雄花と雌花 茅ヶ崎市・下町屋河畔公園 2018/05/27

やや垂れ気味の長い穂が雄花。肉眼では細かくて視認しづらいものの、雄蕊がにょきにょきたくさん生えていることだけはわかるだろう。(雌雄共に)花弁はない。スダジイやクリと同様に不快臭を放つ(ときに”精液のにおい”とも評される)。

マテバシイの雌花と雄花 茅ヶ崎市下町屋・小出川沿い 2018/05/27

マテバシイの雌花と雄花 茅ヶ崎市下町屋・小出川沿い 2018/05/27

マテバシイの雄花 茅ヶ崎市・下町屋河畔公園 2018/05/27

マテバシイの雄花 茅ヶ崎市・下町屋河畔公園 2018/05/27

やや上向きに立っている、花付きの貧相なものが雌花。正確にいえば、この穂の付け根側に付いているいくつかの小花が雌花である。基部が緑色で膨らみがあり、三本(肉眼では本数までは確認できない)の花柱が短く突き出る。なおこの穂の先端側に付く、開花が遅れる小花は雄花である。雌花の穂の先っぽ側の約半分にはおまけで雄花が付いている。

マテバシイの雌花 茅ヶ崎市・下町屋河畔公園 2018/05/27

マテバシイの雌花 茅ヶ崎市・下町屋河畔公園 2018/05/27

マテバシイの実

雌花穂だったものにいくつかの実が付く。おまけでついていた雌花穂先端側約半分(雄花の部分)は傷んでいるため、”途中で折れたり枯れたりしている汚い小枝に実が付いている”ように見えるだろう。なおマテバシイの実は熟すのに一年半かかる。花が咲き終わってその年の秋、ではなく、その翌年の秋に大きな実になる。従って、初夏に花が咲いているときには、よくよく観察すれば去年の花の実がまだ小さいながらも密かに付いていることに気づかされるだろう。

マテバシイの花期にある去年からの実 茅ヶ崎市・下町屋河畔公園 2018/05/27

マテバシイの花期にある去年からの実 茅ヶ崎市・下町屋河畔公園 2018/05/27

マテバシイの花期にある去年からの実 茅ヶ崎市・下町屋河畔公園 2018/05/27

マテバシイの花期にある去年からの実 茅ヶ崎市・下町屋河畔公園 2018/05/27

マテバシイの花期にある去年からの実 茅ヶ崎市・下町屋河畔公園 2018/05/27

マテバシイの花期にある去年からの実 茅ヶ崎市・下町屋河畔公園 2018/05/27

実は熟せばスダジイよりもかなり大きく、立派などんぐりらしい形状のどんぐりになる。シイの木の仲間なのでどんぐりではなく”シイの実”と呼ぶ方が正しいか。湯がいて灰汁(あく)抜きをすれば食べられるが、味はスダジイに劣っておいしくないという。

マテバシイの熟した実 茅ヶ崎市・下町屋河畔公園 2018/09/24

マテバシイの熟した実 茅ヶ崎市・下町屋河畔公園 2018/09/24

マテバシイの熟した実 茅ヶ崎市・下町屋河畔公園 2018/09/24

マテバシイの熟した実 茅ヶ崎市・下町屋河畔公園 2018/09/24

マテバシイの熟した実の帽子(殻斗) 茅ヶ崎市・下町屋河畔公園 2018/09/24

マテバシイの熟した実の帽子(殻斗) 茅ヶ崎市・下町屋河畔公園 2018/09/24

マテバシイの熟した実 茅ヶ崎市・下町屋河畔公園 2018/09/24

マテバシイの熟した実 茅ヶ崎市・下町屋河畔公園 2018/09/24

マテバシイの熟した実の特徴 茅ヶ崎市・下町屋河畔公園 2018/09/24

マテバシイの熟した実の特徴 茅ヶ崎市・下町屋河畔公園 2018/09/24


くりはま花の国

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