姥目樫 ブナ目/ブナ科/コナラ属 花期/4月下旬 結実期/10月上旬~中旬
学名/Quercus phillyreoides A.Gray
自生種稀少保護
神奈川県レッドリスト2020「絶滅危惧IA類」
神奈川県レッドリスト2006「絶滅危惧IA類」
#ウバメガシ 茅ヶ崎市柳島・柳島海岸 2017/04/26
海岸林などに生える常緑の小高木で、雌雄同株(しゆうどうしゅ)の雌雄異花。ドングリができる木の一種である。『神奈川県植物誌2001』では神奈川県内の自生地は横須賀市御幸浜・武山駐屯地にある岩崎山のみとしていたが、『神奈川県植物誌2018』では三浦半島の海辺にあるものは自生であると改めている。県内では野生のものが絶滅危惧種になっているも、湘南海岸砂防林などには人工的にたくさん植樹されており目にする機会はかなり多い。トベラ(扉)かな、ナワシログミ(苗代茱萸)かな、はたまたシャリンバイ(車輪梅)かな、と思わせておいてじつはウバメガシという民家の生垣も多い。従ってこれらの逸出と考えるべきものもそこいらにあり。江戸時代に備中屋長左衛門が売り出した備長炭は、材が硬いウバメガシを用いたものだった(現在備長炭と称して市販されているものの正体は保証できるものでない)。
#ウバメガシ 大磯町大磯・旧東海道・車屋 2024/01/01
#ウバメガシ(右側、雄花で茶色っぽく見えるもの) 茅ヶ崎市柳島・柳島海岸 2017/04/26
ドングリ系の樹木としては葉は小振り。縁(ふち)が少しカールする。
#ウバメガシの生垣 茅ヶ崎市東海岸南 2018/04/14
#ウバメガシの葉 東京都調布市・神代植物公園植物多様性センター 2018/11/10
ウバメガシの花
目立つのは雄花の穂。
#ウバメガシの雄花の蕾 茅ヶ崎市柳島・柳島海岸 2017/04/26
#ウバメガシの雄花 茅ヶ崎市柳島・柳島海岸 2017/04/26
#ウバメガシの雄花 茅ヶ崎市・第一中学校 2018/04/14
生垣に利用されているウバメガシの雄花 茅ヶ崎市東海岸南 2018/04/14
雌花は新しい枝の葉腋(ようえき)にできる。なんだか赤っぽい色をしたものから花柱らしき突起が三本飛び出ているように見えなくもないけれど小さすぎて肉眼ではよくわからない、という感じのもの。
#ウバメガシの雌花 茅ヶ崎市柳島・柳島海岸 2017/04/26
ウバメガシの実(ドングリ)
実は花が咲いたその年の秋、ではなく翌年の秋に膨らんで茶色く熟す二年成(にねんなり)。殻斗は鱗(うろこ)状。首回りは白くなり、尻はすぼむ。
#ウバメガシの若い実(ドングリ) 茅ヶ崎市柳島・柳島海岸 2017/09/26
#ウバメガシの若い実(ドングリ) 茅ヶ崎市柳島・柳島海岸 2017/09/26
#ウバメガシの未熟な実(ドングリ) 茅ヶ崎市柳島・柳島海岸 2018/10/17
ドングリなのでにわかに茶色く色付いてぽろりと落下するので要注意。10月上旬から中旬か。しっかりとした濃い茶色に色付かないまま落ちるものも目立った。
#ウバメガシのほぼ熟した実(ドングリ) 茅ヶ崎市柳島・柳島海岸 2018/10/17
#ウバメガシのほぼ熟した実(ドングリ) 茅ヶ崎市柳島・柳島海岸 2018/10/17
#ウバメガシのほぼ熟した実(ドングリ) 茅ヶ崎市柳島・柳島海岸 2018/10/17
横須賀市東浦賀・叶神社(東叶神社裏の明神山=浦賀城跡=県指定天然記念物「叶神社の社叢林」に、現地の「横須賀風物百選 東叶神社」案内板にウバメガシ自生とあるが植栽の疑いも)、陸上自衛隊武山駐屯地(岩崎山、非公開)
城ヶ島(馬の背洞門)、#御成小学校(今小路側生垣)、#柳島しおさい公園
参考資料
「FLORA KANAGAWA No.61」 神奈川県植物誌調査会発行(2006)
木に興味のある私としてはとても良くまとめられて参考になります
ウバメガシは私の住所愛知県南知多町の町の木になっていたので興味深く拝見しました
ただ一つ気になったのは落葉樹になっていますが常緑のような気がしますがいかがでしょうか
このページの写真でも古葉と新葉が写っていて常緑の特徴と思いますが~
素人の意見で間違いでしたらごめんなさい