草苺 バラ目/バラ科/キイチゴ属 花期/3月下旬~4月中旬 結実期/5月中旬~6月上旬
危険食用自生種
クサイチゴ 平塚市・高麗山公園 2018/03/31
キイチゴ(木苺)の一種。名前に反して、草本(そうほん)ではなく木本(もくほん)。落葉低木で、雌雄同種(しゆうどうしゅ)。ごちゃごちゃした草藪にまみれて生えるため、花や実が付いていないと存在自体に気づかないかも。自然がある程度残っている地域の荒れ地のように見える草地に多い。群生しやすい。神奈川県内どこにでも分布する普通種。とされているが、茎に棘(とげ)があるためかよく刈払いされ、そんな頻繁に目にするものではなくなってきているような気がしないでもない。クサボケ(草木瓜)ほど稀少ではないものの、似たような運命を辿ってはいやしないか。クサイチゴは生命力が豊かでしぶといので各地の草藪でこっそり生き延びてはいるけれども。
葉は奇数羽状複葉(若い葉は三出複葉)で、深い切れ込みはない。葉が一枚一枚独立していること。そうでなければモミジイチゴ(紅葉苺)やカジイチゴ(梶苺)の可能性。葉の先端は細く尖る。細く尖っていない葉はナワシロイチゴ(苗代苺)か。
クサイチゴの葉 藤沢市・遠藤笹窪谷 2018/04/10
夏、草藪に紛れて、クズ(葛)などに対抗するかのように大きな五枚葉あり。茎や葉柄(ようへい)に棘あればクサイチゴの葉だろう。春の花咲くクサイチゴからは想像も付かない大きな葉。
クサイチゴの夏の葉 茅ヶ崎市萩園・相模川沿い 2018/08/04
クサイチゴの夏の葉 茅ヶ崎市萩園・相模川沿い 2018/07/10
クサイチゴの花
花は上向きに咲く。花弁は小さめで、ふつう花弁と花弁の間に隙間が生じる。雄蕊は豊かに広がる。
クサイチゴ 横浜市緑区・新治市民の森 2018/03/15
クサイチゴ 小田原市入生田・長興山紹太寺からシダレザクラへの道沿い 2016/03/31
クサイチゴ 藤沢市・遠藤笹窪谷 2018/04/10
クサイチゴ 藤沢市・遠藤笹窪谷 2018/04/10
クサイチゴ 大磯町・高麗山公園 2018/03/31
クサイチゴ(花弁が尖り気味なのは個体差か雑種か) 平塚市・湘南平 2018/03/31
クサイチゴの実
イチゴの名にふさわしく実は赤く熟す。キイチゴの一種なので、この実はおいしく食べられる。はじめやや酸味が気になるが、すぐに慣れて甘みばかりが立つように。リンゴ(林檎)味。タネもぷちぷちした食感が楽しめ文句なし。おいしい。クサイチゴや、似たような環境に生育するノイバラ(野茨)には棘があるので注意したい。
クサイチゴの実 秦野市北矢名・弘法山 2017/05/27
クサイチゴの実 秦野市北矢名・弘法山 2017/05/27
同時期、イチゴ系の赤い実ができるのはヘビイチゴ(蛇苺)、ヤブヘビイチゴ(藪蛇苺)、クサイチゴの三種類。クサイチゴは見た目からして全く違うので混同することはないだろう。
クサイチゴ(向かって左)とヤブヘビイチゴ(右)の実 秦野市北矢名・弘法山 2017/05/27
クサイチゴの実 茅ヶ崎市萩園・相模川沿い 2018/04/28
クサイチゴの実 茅ヶ崎市萩園・相模川沿い 2018/04/28
横須賀市・鷹取山、長柄桜山古墳群(第1号墳~第2号墳に多い)、藤沢市・遠藤笹窪谷(多い)、湘南平(南側園路)、大磯町・高麗山公園(山頂コースから地獄沢へ下りる分岐周辺などに群生、刈払いで滅失)
子供の頃、鎌倉に住んでいました。木苺と言って食べていた実が懐かしくて先日、昔住んでいた家の近くまで出掛け、今でも有るのか見て歩きました。偶然立ち寄った腰越漁港の端に木苺らしき木と花を見つけました。どうしてももう一度あの実を食べてみたくて、開花を見てから約1ヶ月後の4月26日に、再び訪れ様子を見ることにしました。木苺に色々種類があることを知りこの写真や情報を参考に出来ると今から楽しみにしています。