金魚草 シソ目/オオバコ科/キンギョソウ属 花期/12月~7月、ほぼ通年
学名/Antirrhinum majus L.
外来種改良種
#キンギョソウ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/03/27
日当たりの良い場所で園芸栽培される、地中海周辺地域を原産とする(日本では)一年草(越年草)、の園芸種。名前は見たまんま、花の姿がキンギョの尾ひれのようだから。英名はコモン・スナップドラゴン(Common snapdragon、Commonは「一般的な」、snapは色々な意味があるがここでは「咬み付く」か、dragonは「竜」)、転じて園芸業界(花屋)用語としてスナップないしドラゴンと略して呼ばれることがある。園芸品種は様々あり。草丈が低く抑えられた矮性(わいせい)、普通種、切花用などとして売られることが多い草丈1mを超えてくるような(ルピナルみたいな塔になる)品種もあるので、用途に合わせて間違えずに購入すること。早いものではパンジー/ビオラ、ガーデンシクラメンあたりが大量にどっと売り出される冬のはじめから同様に苗が店頭に並び(普通種のポット苗は120円程度)、見るべき花が少なくなった真冬から年明けを彩る花として利用される。但し、霜には当てないこと。流通時期、サイズ感や茎が立ち上がる点など、類似点の多いストックと対にして覚えておくと良いかもしれない。根が弱いので植え付け時に根をいじらない、移植も禁止、過湿に弱いというのが最大の弱点なので、水はけの良い土を用いて水やりは控えめにし(葉の張りが少し失われて軽くたらんと垂れたら水切れしている合図)、気持ち乾燥気味に育てる点なども、ストックに似ている。なお最も華やぐのはふつうは春。秋にタネ蒔きしたものが開花するのも春遅くになってから。春蒔きすれば梅雨の頃から開花する。耐暑性は低いので、基本的には夏本番を迎える頃には腐って終わり。ホームセンターの園芸コーナーで安価で販売されており、民家の庭や公園の花壇などで目にする機会はまあまああるだろう。
花壇に植えられた#キンギョソウ 茅ヶ崎市・ほし潮香公園 2019/06/20
咲き始めの#キンギョソウ(左奥は根腐れガーデンシクラメン、右奥はフヨウカタバミ) 茅ヶ崎市浜之郷 2020/12/06
#キンギョソウ 横須賀市・くりはま花の国 2018/02/08
コンテナに植えられた#キンギョソウ 横浜市金沢区・金沢自然公園 2020/12/15
冬の花壇に植えられた#キンギョソウ(奥の黄・赤)、その手前の紫系は#ストック 金沢自然公園 2020/12/15
#キンギョソウの茎中部の葉 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/03/27
上から水をばちゃばちゃと雑にかけていると、上の写真のように葉がカルキで白く汚れてしまう。水やりは必ず土にだけかけること。
#キンギョソウの葉 茅ヶ崎市浜之郷 2020/12/06
#キンギョソウの葉 茅ヶ崎市浜之郷 2021/02/07
#キンギョソウの葉 茅ヶ崎市・ほし潮香公園 2019/06/20
キンギョソウに似ているが、花が小さいな、花の形状もちょっとおかしいな、と感じたら、ネメシアかリナリアかもしれない。ネメシアの葉には鋸歯がある、リナリアの葉は細い線形、という明確な違いがあるので見分けることはできる。
キンギョソウの花
茎のてっぺんに花序を立てる。小花の花冠は、筒部があって、先は裂片が上下に分かれる。上側の上唇(じょうしん)は元プロ野球選手の三浦大輔(横浜DeNAベイスターズ)氏のリーゼントばりに反り立っていたり、下唇(かしん) は(上げ底で)ぼこぼこに膨れ上がっているから、かなり独特な形状。だが、じつは身近なところに生えている雑草トキワハゼ(常盤爆)と同じような構造である。実際その見た目からかつてはゴマノハグサ科に分類されていた。品種にもよるが、ふつう香りはなし。
#キンギョソウ 茅ヶ崎市・ほし潮香公園 2019/06/20
#キンギョソウ 横須賀市・くりはま花の国 2018/02/08
#キンギョソウ 茅ヶ崎市浜之郷 2020/12/12
#キンギョソウ 茅ヶ崎市浜之郷 2020/12/06
#キンギョソウ 横須賀市・くりはま花の国 2018/02/08
#キンギョソウ 茅ヶ崎市・ほし潮香公園 2019/06/20
#キンギョソウ 茅ヶ崎市・ほし潮香公園 2019/06/20
#キンギョソウ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/03/27
#キンギョソウ 横浜市金沢区・金沢自然公園 2020/12/15
下唇を人為的に下に引っ張ると、金魚のようでかわいらしかったはずの花が、竜だか怪獣だかが口を開いたかのような凶悪な姿に。スナップドラゴンという英名の意味も頷ける。蕊は上唇の下側に隠れてあり。
#キンギョソウの蕊 横浜市金沢区・金沢自然公園 2020/12/15
花の左右をぷにぷにつまんでやると口をぱくぱくさせる。
#キンギョソウ 茅ヶ崎市浜之郷 2020/12/23
特に春になると花序を高く伸ばしてくる。実ができると養分がそちらに持って行かれて花付きは悪くなるため、小花は咲き終わったら一つ一つ指先でつまんで摘み取る(切り取る)と良い。花序が徒長(とちょう)して見苦しくなってきたら、切り戻す。下方を探れば脇芽が出てきているだろうから、その上でハサミでちょきんと切る。そうすれば全体的な草丈は低めに抑制され、脇芽が成長すればまたそこで花を付けてくれるようになるだろう。肥料は植え付け時に緩効性化成肥料を土に混ぜ込んでおき、追肥は(キンギョソウに限らず、根を張らせるために)苗を植え付けた直後の二週間は禁止、その後追肥として緩効性化成肥料を、更に開花中は(開花に必要なのに吸収率が悪いリン酸を補ってやる)液肥や(健全な生育に必要な微量要素を補う)活力剤を与えると良い。キンギョソウは思った以上に”肥料食い”、でも根は弱いので、薄め弱めの肥料をしっかりやること。キンギョソウは思っているよりは栽培難易度がやや高めで、期待していたほどには花が咲いてくれない、花が途切れることがある。その場合は、水のやり過ぎ、日当たり悪すぎ、肥料切れ、あたりからまず見直しする。
春に満開した#キンギョソウ 茅ヶ崎市浜之郷 2021/03/20
キンギョソウの実
基本的には、花が咲き終わったらその都度こまめに(指先の爪でつまみ取るようにして)摘むこと。実ができれば株の栄養は実の方に取られてしまって花付きがその分悪くなる。が、キンギョソウは熟した実の形状がおもしろい、というより髑髏(どくろ)のようで不気味なことで知られるので、ある程度花は見飽きてきたところで実を残すようにしても良いかもしれない。
#キンギョソウの未熟な実 茅ヶ崎市浜之郷 2021/05/18
#キンギョソウの熟した実 茅ヶ崎市浜之郷 2021/05/18
#キンギョソウの熟した実 茅ヶ崎市浜之郷 2021/05/18
#キンギョソウの(上下を逆さにして写した)熟した実 茅ヶ崎市浜之郷 2021/05/18
#キンギョソウの熟した実 茅ヶ崎市浜之郷 2021/06/17
#キンギョソウの熟した実と種子(黒色の粒) 茅ヶ崎市浜之郷 2021/06/17
#くりはま花の国(冬季の園路沿い)、#円覚寺松嶺院