シソ目/オオバコ科/ウンラン属 花期/12月~6月中旬
学名/Linaria spp.
外来種改良種
#リナリア 藤沢市・湘南モールフィル 2021/02/23
日当たりの良い場所で園芸栽培される、地中海沿岸地域から西アジアにかけてを主な原産地とする(日本では多くが)一年草(越年草)。ウンラン属に分類される植物(の外来種、の園芸品種)をひっくるめてリナリアと総称する。ヒメキンギョソウ(姫金魚草)とも。※リナリア・マロッカナ(学名/Linaria maroccana)やらリナリア・ビパルティータ(学名/Linaria bipartita)など様々な種があるも、交配もされていようから、本頁では細分化して考察せず、宿根リナリアと呼ばれることが多い多年草のリナリア・プルプレア(学名/Linaria purpurea)なども含めてリナリアと総称するにとどめる。またヒメキンギョソウという名前は、『神奈川県植物誌2018』によればリナリア・ビパルティータ(ムラサキウンラン(紫海蘭)とも)に充(あ)てられている別名であるも、混乱があり、園芸の分野では現実のところリナリア全般に充てられている呼称であるので、リナリアの流通名ということにしておく。本頁は、キンギョソウ(金魚草)、ネメシア、リナリア、というほぼ同時期に店頭に並べられ姿も紛らわしい”キンギョソウ三姉妹”を見分けられればそれで十分だ、という立場である。茎は直立し、草丈は品種や生育状態によるが人の膝(ひざ)下から上程度(30~50cm)のものが多いか。1m近くなるものもある。茎が細くて直立するのが特徴。市販されている花苗は摘芯(てきしん、ピンチ)されているので茎は何本も何本も立ち上がってきていることだろう。全草柔らかいので、強風でばさっと総倒れすることがあるので注意。寒さにまずまず強く、高温多湿に弱い。冬のうちは霜に当てないようにし、またやや乾燥気味に栽培すること。酸性土壌を嫌うので、鹿沼土とピートモスの使用は避け、植え付ける前に石灰を混ぜ込んでおくと良い(苦土石灰(くどせっかい)であれば二週間以上前に行うこと)。
民家の花壇に植えられた#リナリア 大磯町生沢(いくさわ) 2024/03/30
コンテナに植えられた#リナリア 藤沢市・湘南モールフィル 2021/02/23
コンテナに植えられた#リナリア(左上の赤紫はネメシア) 藤沢市・湘南モールフィル 2021/02/23
コンテナに植えられた#リナリア(右端の赤紫はネメシア) 藤沢市・湘南モールフィル 2021/02/23
花壇に地植えされた#リナリア 鎌倉霊園 2018/04/21
ホームセンターの園芸コーナーでは、パンジーだビオラだが売り場に溢れる冬(12月)に突入したあたりから、キンギョソウやネメシアと併せて同様に(生産者がビニールハウスで温度管理をして育てた花苗の)入荷が始まるだろう。ぱっと見で、花が大きいのはキンギョソウ、花が小さいのはネメシアとリナリア、か細い茎がひょろっと直立しているのがリナリア、といったイメージ。
キンギョソウ、ネメシア、リナリアは、葉の形状が異なる。キンギョソウの葉は披針形(ひしんけい)で鋸歯(きょし)ない全縁(ぜんえん)、ネメシアの葉の形状はキンギョソウに似ているが鋸歯があり、リナリアの葉は細い線形、をしている。
#リナリアの葉 藤沢市・湘南モールフィル 2021/02/23
#リナリアの葉 茅ヶ崎市・鶴嶺東コミュニティセンター 2021/03/04
紛らわしいが、ルナリアといったらまったくの別種であるゴウダソウ(合田草)のこと。
リナリアの花
茎上部に花が複数個咲く。花色は様々。かつてはゴマノハグサ科に分類されていただけあって、旧ゴマノハグサ科ならではの特徴ある形状をしている。人によってはキンギョソウよりもツタバウンラン(蔦葉海蘭)の花に似ていると感じるかもしれない。ハウスで促成栽培されたものが冬から出回るが、基本的には春の花。香りはない。
#リナリア 藤沢市・湘南モールフィル 2021/02/23
#リナリア 藤沢市・湘南モールフィル 2021/02/23
#リナリア 藤沢市・湘南モールフィル 2021/02/23
#リナリア 藤沢市・湘南モールフィル 2021/02/23
#リナリア 藤沢市・湘南モールフィル 2021/02/23
#リナリア 茅ヶ崎市・鶴嶺東コミュニティセンター 2021/03/04
#リナリア 茅ヶ崎市・鶴嶺東コミュニティセンター 2021/03/04
民家の花壇に植えられた#リナリア 大磯町生沢 2024/03/30
茨城県ひたちなか市・#国営ひたち海浜公園(大草原フラワーガーデンに40万本)
参考資料
『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)