一輪草 キンポウゲ目/キンポウゲ科/イチリンソウ属 花期/4月中旬~下旬
学名/Anemone nikoensis Maxim.
有毒自生種稀少保護
イチリンソウ 大磯町黒岩 2019/04/13
半日陰の乾燥しない草地や林縁部に生える多年草。日本固有種。ニリンソウ(二輪草)の仲間でぱっと見の雰囲気はよく似ているが、花はふつう一輪咲きする(二個目の蕾も待機しない)のでこの名がある。湘南・鎌倉・三浦半島にも自生地がまったくないわけではないらしい。とはいえ、一般の人がイチリンソウを目にする機会はまずないだろう。比較的多く自生があるニリンソウで事足りてしまうせいか、イチリンソウが鎌倉の寺境内や公園花壇で栽培されることもまずない。初夏には地上部は枯れてなくなるらしい。いわゆるスプリング・エフェメラル(Spring ephemeral、スプリングは”春”、エフェメラルは”儚いもの”や”短命なもの”の意、早春季植物、通称「春の妖精」)の一つ。
畑跡土手にイチリンソウの群生、奥はソメイヨシノ 大磯町黒岩 2019/04/13
畑跡土手にイチリンソウの群生 大磯町黒岩 2019/04/13
イチリンソウの群生 大磯町黒岩 2019/04/13
イチリンソウ 大磯町黒岩 2019/04/13
イチリンソウ 大磯町黒岩 2019/04/13
イチリンソウ 大磯町黒岩 2019/04/13
イチリンソウとニリンソウの見分けのポイントとしてよく”ニリンソウの葉は茎に直接付き、イチリンソウの葉には葉柄(ようへい)がある”点が挙げられる。確かにその通りではあるが、葉の形状が全く異なり花も違うのでぱっと見で別物であることは明らか。
イチリンソウの蕾と、柄がある葉 大磯町黒岩 2019/04/13
イチリンソウの葉 大磯町黒岩 2019/04/13
#イチリンソウと#ニリンソウの葉の比較 秦野市北矢名 2017/04/16
イチリンソウの仲間に、ユキワリイチゲ(雪割一華)、キクザキイチゲ(菊咲一華)、アズマイチゲ(東一華)がある。これらは明らかにイチリンソウより花期が早いが。外来種とその園芸種はアネモネという。
イチリンソウの花
花は一輪。花色は白。花弁(のように見える萼片)はふつう五枚。日が当たっていないと花は閉じる。
イチリンソウ 大磯町黒岩 2019/04/13
イチリンソウ 大磯町黒岩 2019/04/13
イチリンソウ 大磯町黒岩 2019/04/13
#イチリンソウ 秦野市北矢名 2017/04/16
#イチリンソウ 秦野市北矢名 2017/04/16
イチリンソウ 大磯町黒岩 2019/04/13
花弁裏側はうっすら赤紫色を帯びる。
イチリンソウの蕾 大磯町黒岩 2019/04/13
#イチリンソウの花の裏側 秦野市北矢名 2017/04/16
湘南・鎌倉・三浦半島でもよく見かけるニリンソウに比べて花は一回り二回り大きく、雄蕊の葯(やく)はふつう黄色(ニリンソウは白色)。
#イチリンソウと#ニリンソウの花の比較 秦野市北矢名 2017/04/16
#イチリンソウ 秦野市北矢名 2017/04/16
東京都小金井市他・#野川公園自然観察園、横浜市泉区・#天王森泉公園
厚木市・七沢森林公園、厚木市・#神奈川県自然環境保全センター自然観察園(N11地点、ニリンソウ群生に混じって、4月中旬~下旬)
参考資料
『日本の固有植物』 加藤雅啓・海老原淳編 東海大学出版会発行(2011)