タイリョウザクラ

大漁桜 バラ目/バラ科/サクラ属 花期/2月下旬~3月中旬
学名/Cerasus × kanzakura ‘Tairyo-zakura’

改良種稀少

タイリョウザクラ 小田原市成田・酒匂川 2024/03/02

#タイリョウザクラ 小田原市成田・酒匂川 2024/03/02

園芸栽培される落葉高木で、雌雄同株(しゆうどうしゅ)。静岡県熱海市で人為的に作出(さくしゅつ)されたサクラの一品種で、早咲きするオオシマザクラ(大島桜)の実生(みしょう)である。もう一方の親はカンザクラ(寒桜)と推定されている。品種名は、花色がサクラダイ(桜鯛)に似ているとして、漁師町ならではの大漁を祈願した縁起の良いおめでたい名前が付けられたもの。という経緯を知っていないと漁業とサクラが繋がらないので戸惑いを感じる人が多いようである。なおサクラダイとはタイ科のマダイ(真鯛)の春に因んだ別称の方をいうと思われるが、大漁祈願に名前が挙げられるほどのものではなかろうとは思うけれどもハタ科にサクラダイなる別の魚もおり、正確なところはどちらを指すのかよくわからない。ハタ科のサクラダイは体長15cm前後の小魚で、蒲鉾(かまぼこ)の原料に使われる。小田原市で蒲鉾の製造販売を手掛ける鈴廣(すずひろ)が積極的に植栽していることを鑑みるともしかしたら後者を指すのかとも勘繰れないでもない。どちらにせよ、魚自体もサクラの花色に因む名称なわけで、サクラに似た魚に似たサクラ、の意となる。神奈川県内では今のところ知名度高からずそこかしこに植えられているようなものではない、変わったサクラの一つ。枝が横に広がり、樹形は傘形(半球形、ドーム形)になる。見栄え良し。

タイリョウザクラ 小田原市風祭・鈴廣かまぼこの里 2024/03/02

#タイリョウザクラ 小田原市風祭・鈴廣かまぼこの里 2024/03/02

タイリョウザクラ 小田原市風祭・鈴廣かまぼこの里 2024/03/02

#タイリョウザクラ 小田原市風祭・鈴廣かまぼこの里 2024/03/02

タイリョウザクラ 小田原市風祭・鈴廣かまぼこの里 2024/03/02

#タイリョウザクラ 小田原市風祭・鈴廣かまぼこの里 2024/03/02

タイリョウザクラ 小田原市成田・酒匂川 2024/03/02

#タイリョウザクラ 小田原市成田・酒匂川 2024/03/02

タイリョウザクラ 小田原市成田・酒匂川 2024/03/02

#タイリョウザクラ 小田原市成田・酒匂川 2024/03/02

タイリョウザクラ 小田原市成田・酒匂川 2024/03/02

#タイリョウザクラ 小田原市成田・酒匂川 2024/03/02

幹(樹皮)はやたら黒っぽい。

タイリョウザクラの黒い幹(樹皮) 小田原市成田・酒匂川 2024/03/02

#タイリョウザクラの黒い幹(樹皮) 小田原市成田・酒匂川 2024/03/02

タイリョウザクラの花

かわいらしい、やや濃いめのピンク色。ぱっと見は人気が高くあちらこちらに数多く植えられているカワヅザクラ(河津桜)に似ており、自力での見分けは困難かも。ソメイヨシノ(染井吉野)より早咲き。カワヅザクラが見頃をとうに過ぎた頃、タマナワザクラ(玉縄桜)よりも若干遅れて、およそシナミザクラ(支那実桜)とほぼ同時期、といったあたりに見頃を迎えるだろう。季節の変わり目なので開花時期(および開花順)は天候に左右されやすいが、最盛期は、暖冬で早咲きすればおよそ2月末、例年は3月初旬、といったところか。遅れて満開したカワヅザクラらしきものあらば本品種である疑い。曇天・降雨・強風が多い時期ではあるが、青空を背景に日差しが当たるときれいに映える。

タイリョウザクラ 小田原市成田・酒匂川 2024/03/02

#タイリョウザクラ 小田原市成田・酒匂川 2024/03/02

タイリョウザクラ 小田原市成田・酒匂川 2024/03/02

#タイリョウザクラ 小田原市成田・酒匂川 2024/03/02

タイリョウザクラの小花柄と萼 小田原市成田・酒匂川 2024/03/02

#タイリョウザクラの小花柄と萼 小田原市成田・酒匂川 2024/03/02


#建長寺(まだ若木、山門前のオカメザクラの間=樹名板あり、唐門前=樹名板あり、共に遅咲き、令和6年(2024)4月上旬=別品種である疑いも?)

座間市・#相模が丘仲よし小道(さくら百華の道)、小田原市成田・#酒匂川(さかわがわ、市営桑原住宅西側~富士見大橋の左岸土手に並木、鈴廣かまぼこ惠水工場が植えたか、西面は土手上に道路あることからほとんどの下枝が伐られてしまっている)、小田原市風祭・#鈴廣かまぼこの里(一帯の施設群に多い、令和6年(2024、早咲き)2月26日頃、鈴廣かまぼこ公式ツイッターに開花情報あり)、静岡県熱海市網代・#阿治古神社(あじこ-、網代漁港(あじろ-)から移植された原木、社殿横に2本)

参考資料

『新日本の桜』 木原浩写真、大場秀章・川崎哲也・田中秀明解説 山と溪谷社発行(2007)

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