シクラメン

ツツジ目／サクラソウ科／シクラメン属　花期／11月中旬～4月
学名／Cyclamen persicum Mill.

外来種改良種

#シクラメン　鎌倉市・大船フラワーセンター　2021/01/10

園芸栽培される、地中海沿岸を原産とする多年草。その多彩な園芸品種が冬を彩る鉢植えとしてホームセンターの園芸コーナー等で販売されている。特にお歳暮需要を当て込んで、年末に向けて大量に出荷されてくることだろう（1月に入ると一気に品薄になるので購入は12月のうちに）。一般的なもので1鉢2,000円ないし3,000円程度（1月中旬以降に値引き（半額セール）され売りさばかれる）。珍しい品種の大鉢ならばその倍以上と、かなりいいお値段である。それでも昭和時代（-1989）は定番だったシャコバサボテン（蝦蛄葉仙人掌）を圧倒、一時だけブームとなったポインセチアも結局寄り切り、今なお確固たる地位を築いたまま揺るぎない。冬に売られているので冬の花というイメージが強いと思われるが、市販されているのは生産者が暖房を効かせたビニールハウスで育てたもので、じつは霜が降りるような寒さは大の苦手。買ってきたらば、暖房の効いていない暖かな（20℃前後の）屋内の明るい場所で栽培しなければいけないので要注意。寒いところに置いてしまうと花は一本残らずすべてばたばたっと倒れてしまうだろう。シクラメンはとにかく温度管理（と日当たり）が重要。近年は冬の屋外で栽培する小型な品種がガーデンシクラメンの名前で売られるようになり、小さくてかわいく安くてお手軽とあって、パンジー／ビオラ、ハボタン（葉牡丹）あたりと肩を並べる爆発的な人気を博している。※栽培方法等が異なるため、ガーデンシクラメンは別頁を設けて掲載した。和名は花の見た目からカガリビバナ（篝火花）。

#シクラメン、大振りなものはいずれも状態が悪い　鎌倉市・大船フラワーセンター　2021/01/10

状態の良くない#シクラメン　鎌倉市・大船フラワーセンター　2021/01/10

ホームセンターなどで買ってきたシクラメンは、いきなり日当たりの良い窓際に置いてはいけない。生産者は遮光気味にしてハウス栽培していることが多いため、窓際に置くと環境の急激な変化から花が全部ばたっと倒れてしまうことがある。従って、窓から離れた薄明るいテーブルの上などにしばらくは置きたい。本当は日当たり良い方が育ちも良くなるので、そこから一ヶ月くらいかけて徐々に窓際へ近付け順応させていきたい。結構デリケートなので細心の注意を払うこと。シクラメンは過湿が大嫌いなため、栽培は水はけの良い土を用い、鉢からしっかり水が抜けたら（鉢を持ち上げてみて明らかに軽くなったら）水をたっぷり（鉢底から水がびちゃびちゃこぼれ出てくるまで）やる。あるいは水切れ気味になってくると葉のぱりぱりした張りが少し失われるので、葉を手のひらで触ってみて柔らかいな元気ないなと感じたら水をたっぷりやるようにする。完全に水切れさせちゃうと花がばったり倒れてしまうので注意。

シクラメンの葉は、うっかりするとカンアオイ（寒葵）と見間違えそうな形状をしている。買うときは葉が半球形にこんもり盛り盛り茂っている株を選ぶ。シクラメンは葉の数とだいたい同じ数の花を咲かせるといわれているので、葉数の多いものを選びたい。なお葉は花芽に日が当たり風通しも良くなるよう、「葉組み（はぐみ）」という作業が加えられている。