プリムラ・ポリアンサ

ツツジ目／サクラソウ科／サクラソウ属　花期／12月～3月
学名／Primula × polyantha Mill.

外来種改良種

#プリムラ・ポリアンサ　茅ヶ崎市浜之郷　2021/02/07

園芸栽培される、（日本では）一年草。ヨーロッパ原産のプリムラ・ブルガリスとカウスリップ（プリムラ・ベリス）がヨーロッパで人工的に交配されて作出された園芸種群といわれている。プリムラ・ポリアンサス、プリムラ・ポリアンタ、園芸業界（花屋）では略してポリアンと呼ばれることもある。和名はクリンザクラ（九輪桜）。秋冬にホームセンターの園芸コーナーに数多く流通するプリムラ・ジュリアンの交配親でもある。現在はプリムラ・ポリアンサとプリムラ・ジュリアンの明確な線引きはできないほど両者共に高度に交配が進んでおり、平たく申せば、パンジーとビオラの関係と同様に、株全体や葉や花がちょっと大きめなのがプリムラ・ポリアンサ、比較的小振りなものがプリムラ・ジュリアンと名付けられて販売されている。ただ、ぱっと見はプリムラ・ジュリアンだろうと思しきものがプリムラ・ポリアンサの名前で売られていたりと、極端に大きいもの小さいものでない限りは、両者の区別はできたものではない。プリムラ・ポリアンサとプリムラ・ジュリアンを合わせてポリアンジュリアン、更に略してポリジュリなんて呼ばれることも。流通量は圧倒的にプリムラ・ジュリアンの方が多く、プリムラ・ポリアンサは売り場の隅っこに何点か並んでいる程度だろう。現代は何でも小さいものがかわいいと喜ばれる傾向にあり、プリムラ・ポリアンサは民家の小さな庭で栽培したり寄せ植えにするにはちょっと大きすぎるかなという印象を受ける。ボリューム感は圧勝。値段はプリムラ・ポリアンサの方がやや高め（一般的な品種で1鉢300円）。

花壇に植えられた#プリムラ・ポリアンサ　相模原市南区・相模原公園　2020/12/08

#プリムラ・ポリアンサ　相模原市南区・相模原公園　2020/12/08

栽培方法はプリムラ・ジュリアンに同じ。株は店頭に並んでいたときよりずば抜けて大きくなることはないので、鉢は買ったときとほぼ同じサイズまたは一回りだけ大きなものを選らび、土は水はけの良いものを用い、「マグァンプK（中粒）」などの緩効性化成肥料を元肥（もとごえ、もとひ）として土に混ぜ込み、根がやや弱いので根鉢は雑に扱わず根の先端を軽くほぐす程度にとどめて植え付け、日当たりの良い場所に置き、水やりは”土の表面が乾いたらたっぷり与える”と必ずいわれるが冬季はなかなか乾いて見えるものではなかったりするので、鉢を持ち上げてみて普段より明らかに軽くなったら、あるいは葉や花に水切れの兆候が表れ始めたらたっぷり（鉢底の穴から水がこぼれ出てくるまで）与えるようにする。日当たりは良ければ良いほど花付きは優れるが、生産者は遮光気味のハウス内で栽培していたのか、真昼間の直射日光にばしばし当てていると葉や花が僅かばかりしんなりよれよれしてしまうことがある。水切れを起こしている状態のようにも見えるが、放っておいても夜になればまたしゃきっと元に戻る。じつは本当の水切れだったときは水やりせねばいけないので、日差しが強すぎてしんなりしているのか水切れでしんなりし始めたのかは、しっかり見極めて対処したい。花盛りな間は思いのほか水は多く飲む。花（と株元に隠れてある蕾、何なら葉にも）には水をかけないこと。雨にも晒さない。霜にも当たらないよう、軒下に置くか、冷え込む夜間は玄関内に取り込むなどする。花がもりもり咲いている間はリン酸を多く含んだ「ハイポネックス」などの液肥をやると良い。花殻（はながら）は傷み始めの早い段階でこまめに摘む（花茎（かけい）を地際で切り取る）。花壇などに地植えした場合は、霜で株が傷む、雨で花が汚れたり傷む、の二点を免れない。