アゾラ

サンショウモ目/アカウキクサ科/アカウキクサ属 見頃/通年
学名(アゾラ・クリスタータ)/Azolla cristata Kaulf.

外来種改良種違法駆除稀少

アゾラ・クリスタータ=外来生物法「特定外来生物」
外来アゾラ類=生態系被害防止外来種リスト「緊急対策外来種」

水面にびっしり繁茂したアゾラ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/08/01

水面にびっしり繁茂した#アゾラ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/08/01

田んぼや池の水面に浮かぶ水草(浮遊植物)で、アカウキクサ属に分類されるシダ植物(のうち特に外来種のもの)をひっくるめてアゾラという。恐竜の皮膚のような姿をした小さな水草がたくさん浮かんでいたらアゾラの疑い。※本頁では主にアゾラ・クリスタータ、和名アメリカオオアカウキクサ(あめりか大赤浮草)を指すこととするが、よく似た仲間がいろいろあってぱっと見では識別困難なこと、生育地の性質から近づいて手に取って観察することが容易でないこと、アゾラ・クリスタータは特定外来生物に指定されているため持ち帰りや栽培が違法(罰則あり)であることなどから、深入り(厳格な鑑定)はせず、アカウキクサの仲間の外来種を総称してアゾラと呼ぶことにする。『神奈川県植物誌2018』によれば県内には、南米原産のアメリカオオウキクサ(アゾラ・クリスタータ)、同じく南米原産のニシノオオアカウキクサ(西の大赤浮草)、の二種が存在する。また、アメリカオオアカウキクサとニシノオオアカウキクサの人工雑種であるアイオオアカウキクサ(相大赤浮草)が(県内からはまだ発見されていないにせよ)存在しうる可能性が示唆されている。これらはじつは田んぼの雑草をカモ(鴨)に食わせるアイガモ(合鴨)農法に付随して人間が持ち込んだものである。不足するカモの餌となるように、あるいは水面に繁茂させることで水田雑草が生えることを抑制するために、という意図があったらしい。南米原産なだけあって耐暑性があり、真夏の猛暑でも余裕。なぜか耐寒性も高く、水さえ張っていれば真冬も越せる。外来種アゾラは、在来種との交雑、在来種の駆逐、水面を覆うことによる水の酸欠や日照の遮断(水質を悪化させ、生物を死滅させる)、景観の悪化、という問題を引き起こしている。

アゾラの未発達な株 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/08/01

#アゾラの未発達な株 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/08/01

アゾラ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/08/01

#アゾラ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/08/01

赤く染まったアゾラ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/08/01

赤く染まった#アゾラ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/08/01

赤く染まった冬のアゾラ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/12/28

赤く染まった冬の#アゾラ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/12/28

ハス鉢に生えた、赤く染まった真冬のアゾラ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2020/01/10

#ハス鉢に生えた、赤く染まった真冬の#アゾラ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2020/01/10

ハス鉢に生えた、赤く染まった真冬のアゾラ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2020/01/10

#ハス鉢に生えた、赤く染まった真冬の#アゾラ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2020/01/10

ハス鉢を覆った、よく赤く染まった真冬のアゾラ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2021/01/10

#ハス鉢を覆った、よく赤く染まった真冬の#アゾラ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2021/01/10

まっすぐな直根を伸ばす。根からは根毛と呼ばれる細かい毛が生え出ているのが特徴。

アゾラの根毛が生えた根 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/08/01

#アゾラの根毛が生えた根 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/08/01

神奈川県内には他に、日本在来種として、ぱっと見の姿が三角形になるアカウキクサ、根毛が発達しないオオアカウキクサ、の二種がある。共に絶滅危惧種。


#大船フラワーセンター(グリーンハウス前のハス鉢・スイレン鉢等に、仕入れたハス苗に付着して侵入された可能性を指摘しそれを放置することで事実上栽培展示している)、藤沢市・桜小路公園(鵠沼はす池、駆除活動を実施)

参考資料

『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)

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