大花糸狸藻 シソ目/タヌキモ科/タヌキモ属 花期/7月中旬~11月
学名/Utricularia gibba L.
外来種駆除稀少
生態系被害防止外来種リスト「重点対策外来種」
#オオバナイトタヌキモ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/11/08
東南アジアなど世界に広く分布する常緑の多年草。浅い止水の水中にある水草で、花だけ水面から突き出て咲く沈水植物である。根はない。学名からウトリクラリア・ギッバとも。水中の茎葉はひょろひょろか細く頼りないものであるが、アクアリウムに用いられることがある。花もかわいらしく観賞用として栽培も。また、水中に捕虫嚢(ほちゅうのう)という小さな袋を作ってプランクトンなどを吸い込み捕らえて食べるため、食虫植物の愛好家が栽培することがある。ろくに世話をせずともよく茂るため、栽培は簡単。極めてよく似た近似種に日本在来種たるイトタヌキモ、別名ミカワタヌキモ(三河狸藻)があり、こちらは環境省レッドリストで「絶滅危惧II類(VU)」に指定されている。見た目の違いは花の大きさくらいしかないとされ、在来種イトタヌキモは花径5mm弱と極小で肉眼ではろくに見れたものではなく、外来種オオバナイトタヌキモは花径が10mm程度あって小さいながらもそこそこ観賞に足る大きさである。タヌキモの仲間は多くが絶滅危惧種となっており、希に(マニアが不法に投棄するなどして)帰化(野生化)してしまうことさえあるオオバナイトタヌキモは種の存続をも及ぼす厄介な存在となっている。神奈川県内にあるもので、タヌキモの仲間の在来種はやはりことごとく希少な絶滅危惧種となっており、湘南・鎌倉・三浦半島でこの手のものを見かけたらまずは本種であることが疑われる。本種自体も多く見かけるものでなし。
#オオバナイトタヌキモ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2021/10/09
秋の終わりかけ#オオバナイトタヌキモ(丸葉はスイレン) 鎌倉市・大船フラワーセンター 2020/11/03
秋の終わりかけ#オオバナイトタヌキモ(丸葉はアサザ) 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/11/15
秋の終わりかけ#オオバナイトタヌキモ(丸葉はアサザ) 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/11/15
もりもり茂った#オオバナイトタヌキモ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/08/19
名は、大きな花を咲かせる、葉が細い糸状の、タヌキモの仲間、の意。タヌキモは茎葉の姿がタヌキの尾っぽに見立てられたらしい。なお花を咲かせるので厳密には藻ではない。
#オオバナイトタヌキモの茎葉と捕虫嚢 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/08/19
#オオバナイトタヌキモの茎葉と捕虫嚢 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/08/19
#オオバナイトタヌキモの茎葉と捕虫嚢 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/08/19
#オオバナイトタヌキモの茎葉と捕虫嚢 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/08/19
#オオバナイトタヌキモの捕虫嚢 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/08/19
オオバナイトタヌキモの花
水中から細い花茎(かけい)を一本突き出し、ときに枝分かれして、その先端に黄色い花を一つ咲かせる。ツタンカーメンの黄金のマスクのごとく、顎髭(あごひげ)が手前ににょきっと突き出す姿が印象的。なお距(きょ)は必ずしも花弁より前方へ長く突き出るわけではないので要注意。
#オオバナイトタヌキモ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2020/11/03
#オオバナイトタヌキモ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/08/19
#オオバナイトタヌキモ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2024/08/25
#オオバナイトタヌキモ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/08/01
#オオバナイトタヌキモの花の裏側 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/11/08
鎌倉・光則寺で鉢植えにされている水草でない紫花は近似種のウサギゴケ(兎苔)。
東京都小平市・#東京都薬用植物園、東京都調布市・#神代植物公園植物多様性センター、横浜市金沢区・#金沢自然公園?
#大船フラワーセンター(グリーンハウス前、食虫植物展で展示したものの名残りか)
大和市・#泉の森(自然観察センターしらかしの家前)
参考資料
『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)