慈姑 オモダカ目/オモダカ科/オモダカ属 花期/9月~10月上旬 結実期/10月~11月上旬 旬/11月下旬~12月
学名/Sagittaria trifolia L. ‘Caerulea’
食用改良種
#クワイの雄花 茅ヶ崎市浜之郷 2019/09/19
中国生まれという大型な多年草で、雌雄同株(しゆうどうしゅ)の雌雄異花。オモダカ(面高)の栽培品種とされている。自分をサトイモ(里芋)か何かと勘違いしちゃっているのではないかと疑いたくなるほど全体的に大型化し、葉は幅広で、食用になる塊茎(かいけい)も大きくなる。名は、農機具の鍬(くわ)のような葉で芋ができるクワイモ(鍬芋)からの転訛(てんか)という。イギリスの音楽ユニットであるジャミロクワイ(Jamiroquai)は勿論まったくの無関係。湘南・鎌倉・三浦半島では時折川べりや水路、あるいは湿地ないし田んぼで見かけることがある。つまりは湿生植物ないし抽水植物(ちゅうすい-、水底に根を張って水面より上に葉や花が突き出るもの)。元は栽培されていたもので、放棄されて野良に帰化したものという。なお田んぼに雑草として大量に生えているのはオモダカである。
川べりに生えた成長途上のクワイ群(白色矢印) 茅ヶ崎市・小出川浜園橋下流 2018/07/03
川べりに生えた成長途上のクワイ群 茅ヶ崎市・小出川浜園橋下流 2018/07/13
川べりに生えた大きなクワイ群 茅ヶ崎市・小出川浜園橋下流 2018/09/17
川べりに生えたクワイ群 茅ヶ崎市・小出川萩園橋下流 2020/09/17
川べりに生えたクワイ群 茅ヶ崎市・小出川萩園橋下流 2018/09/17
クワイの葉 茅ヶ崎市浜之郷・小出川 2018/07/13
クワイの葉 茅ヶ崎市浜之郷・小出川 2018/09/17
クワイの花
花もオモダカより大型で、花径3.5cm。葉柄(ようへい)基部の間から蕾が顔を覗かせたかと思ったら花茎(かけい)をぐんぐん伸ばして四日目にはもう開花に至る。花茎下部には雌花が数個、その上には雄花が多めに付く。下の方から数個ずつ順に上に上に咲いてゆくので先に雌花から開花することになる。一日花なので、きれいな花を観察できる期間は長くない。
#クワイの蕾(顔を覗かせてから二日目) 茅ヶ崎市浜之郷 2019/09/16
花茎下部にあって中心部が緑色をしているのが雌花。
#クワイの雌花(開花初日) 茅ヶ崎市浜之郷 2019/09/19
#クワイの雌花 茅ヶ崎市浜之郷 2019/09/19
#クワイの雌花 茅ヶ崎市浜之郷 2019/09/19
花茎の上部にあって中心部が黄色なのが雄花。
#クワイの雄花(開花三日目) 茅ヶ崎市浜之郷 2019/09/21
#クワイの雄花 茅ヶ崎市浜之郷 2019/09/19
#クワイの雄花 茅ヶ崎市浜之郷 2019/09/19
ときに二本目の花茎が伸びてくることも。
クワイの実
翼(よく)付きの平たい種子が多数重なって球形になっている。
#クワイの未熟な実 茅ヶ崎市浜之郷 2019/10/15
#クワイの熟した実 茅ヶ崎市浜之郷 2019/10/28
#クワイの種子 茅ヶ崎市浜之郷 2019/10/28
クワイの塊茎
丸々太った青みを帯びた球形からサイ(犀)の角(つの)のような突起が生えている得体の知れない芋(いも)のようなものが師走(しわす、十二月)に入るとスーパーマーケットの野菜売り場に並ぶようになる。音が鳴るガラス細工のビードロ(ぽっぴん、ぽっぺん)のような形状に見えるかもしれない。これがクワイの塊茎(かいけい、平たくいえば球根)である。突起は来春伸びる用に準備されている芽。これを食べれば必ず”芽が出る”なんとも”めでたい(芽出たい)”縁起物としておせち料理などに好まれる。主な生産地は広島県福山市、次いで埼玉県。
#クワイの塊茎(観察のためにやや早期に掘り上げたもの) 茅ヶ崎市浜之郷 2019/11/14
#クワイの(小型の株でやや早期に掘り上げたため小さく痩せている)塊茎 茅ヶ崎市浜之郷 2019/11/14
食用になる#クワイ 2019/12/26
食用になる#クワイ 2019/12/26
神奈川県の河川や水路に逸出しているものを採取し食用とするのは大きなリスクあり。昭和時代(-1989)市街地の河川は今以上に汚濁甚だしく、合成洗剤やら生活排水やらが流れ込んでぶくぶく泡が立っていたような目に余るドブ川だった可能性大。堆積したヘドロの中で育ったクワイは、果たして水銀やらに汚染されていない安全なものといえるのかどうか。(危険だと断じているのではなく、安全性・危険性は不明だ、の意。)
横浜市戸塚区・#舞岡公園(耕作体験田んぼのオモダカに葉の幅が広いクワイの特徴が出ている)
茅ヶ崎市・小出川
清水谷、茅ヶ崎市今宿・下ノ川公園(南側の水路に)