ヤハズソウ

矢筈草 マメ目/マメ科/ヤハズソウ属 花期/9月中旬~10月

自生種

ヤハズソウ 茅ヶ崎市円蔵・千ノ川 2019/09/14

ヤハズソウ 茅ヶ崎市円蔵・千ノ川 2019/09/14

日当たりの良い農道や、公園の芝生周辺などの低草地に生える一年草。名は、弓矢のお尻の部分である矢筈のようにV字形に葉が千切れることに因む。草丈は低く、人の足首程度。グラウンドカバーとして地面を覆うように生える。湘南・鎌倉・三浦半島では意外と身近なところに生えている雑草。葉や花が小さいためあまり意識して見ることはないと思うが、芝生やシロツメクサ(白詰草)のように踏みつけて歩いているはずである。

ヤハズソウの群生 逗子市・池子の森自然公園 2019/09/14

ヤハズソウの群生 逗子市・池子の森自然公園 2019/09/14

低草地に群生したヤハズソウ、黄色花はカタバミ 逗子市・池子の森自然公園 2019/09/14

低草地に群生したヤハズソウ、黄色花はカタバミ 逗子市・池子の森自然公園 2019/09/14

ヤハズソウの群生 茅ヶ崎市円蔵・千ノ川 2019/09/14

ヤハズソウの群生 茅ヶ崎市円蔵・千ノ川 2019/09/14

ヤハズソウ 茅ヶ崎市円蔵・千ノ川 2019/09/14

ヤハズソウ 茅ヶ崎市円蔵・千ノ川 2019/09/14

葉は三出複葉。支脈が白く直線的に多数入っているのが目に留まる。葉の先端をつまんで引っ張るとこの支脈に沿って千切れるため、葉がV字形に切れ込む姿となる。なお日が陰ると葉は閉じて休眠する。

ヤハズソウの葉 茅ヶ崎市円蔵・千ノ川 2019/09/14

ヤハズソウの葉 茅ヶ崎市円蔵・千ノ川 2019/09/14

ヤハズソウの矢筈形に千切れた葉 茅ヶ崎市円蔵・千ノ川 2019/09/06

ヤハズソウの矢筈形に千切れた葉 茅ヶ崎市円蔵・千ノ川 2019/09/06

茎には白い毛が密着するように生えているが、ルーペ等で確認すれば毛は下向きに生えていることがわかる。

ヤハズソウの茎や葉 茅ヶ崎市円蔵・千ノ川 2019/09/14

ヤハズソウの茎や葉 茅ヶ崎市円蔵・千ノ川 2019/09/14

全体的にはそっくりながら、葉にやや丸みがあって(茎の下部では葉先端側の方が幅広な倒卵形になる)、葉の先端が尖らずむしろ凹むものをマルバヤハズソウ(丸葉矢筈草)という。よくよく見れば実や種子も異なっているので別種である。ルーペで確認すれば、茎には上向きの毛が生えている。

名前が紛らわしいヤノネグサ(矢の根草)のまったくの別種。

ヤハズソウの花

ピンク色の、蝶形花(ちょうけいか)と呼ばれるマメ科ならではの形の花を咲かせる。かわいらしい花ではあるが、キツネノマゴ(狐の孫)の花よりも小さく、特に意識せず歩いている人は花が咲いていることさえ気づかないだろう。一日花なのか休眠するのか、夕方以降は開いている花を見かけない。

ヤハズソウ 茅ヶ崎市円蔵・千ノ川 2019/09/14

ヤハズソウ 茅ヶ崎市円蔵・千ノ川 2019/09/14

ヤハズソウ 茅ヶ崎市円蔵・千ノ川 2019/09/14

ヤハズソウ 茅ヶ崎市円蔵・千ノ川 2019/09/14

ヤハズソウ 逗子市・池子の森自然公園 2019/09/14

ヤハズソウ 逗子市・池子の森自然公園 2019/09/14

参考資料

『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)

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