犬四手、犬紙垂 ブナ目/カバノキ科/シデ属 花期/3月下旬~4月上旬 結実期/8月~11月
学名/Carpinus tschonoskii Maxim.
自生種
#イヌシデの若い雄花 横浜市金沢区・金沢自然公園 2017/03/29
丘陵地などの林内に生える落葉高木で、雌雄同株(しゆうどうしゅ)の雌雄異花。イヌは人間にとって役に立たない、特に用途がない、の意。四手(紙垂)は、神社で見られる白色の和紙を追って吊り下げた聖俗の境界を示す飾り。実の様子が見立てられたのだろう。結構な高木になるので花を間近で見る機会はなかなかないが、咲き終わって散った雄花がまるでケムシ(毛虫)か何かのようなにょろにょろした姿で地面を埋め尽くすので、”ああ、こんなところにイヌシデがあったのか”と気づかされる。湘南・鎌倉・三浦半島で普通種。公園にも植樹されている。風に揺れやすいので観察は無風の日に。
#イヌシデ 鎌倉中央公園 2017/03/30
#イヌシデ 鎌倉中央公園 2017/03/30
#実がなっているイヌシデ 茅ヶ崎市・中央公園 2018/10/15
イヌシデの虫こぶ
虫こぶまたは虫癭(ちゅうえい)とは、植物に小さな虫の幼虫などが寄生することによってできる不思議なこぶ状の膨らみのこと。
イヌシデメフクレフシ
イヌシデの枝(の先端とは限らない)に付く芽の部分が謎の肥大化をしたもの。ソロメフクレダニが寄生することでできるらしい。ソロはイヌシデのこと(俗称)。なおアカシデにも類似するアカシデメフクレフシができる。
イヌシデメフクレフシ 平塚市・花菜ガーデン 2021/01/19
イヌシデメフクレフシ 平塚市・花菜ガーデン 2021/01/19
イヌシデメフクレフシ 平塚市・花菜ガーデン 2021/01/19
落葉した冬の#イヌシデ 相模原市南区・相模原公園 2020/12/08
#イヌシデを中心とした冬の落葉樹林 二宮町・吾妻山公園 2021/01/21
#やや若いイヌシデの幹(樹皮) 茅ヶ崎市・中央公園 2018/10/15
#イヌシデの幹(樹皮) 相模原市南区・相模原公園 2020/12/08
近似種にアカシデ(赤紙垂)、クマシデ(熊紙垂)がある。丹沢などの山地にはサワシバ(沢柴)も。葉の形状と、実があれば苞の形状などで見分けるが、イヌシデとアカシデは特によく似ていてたいへん紛らわしいので注意を要する。
イヌシデの花
#イヌシデの若い雄花 横浜市金沢区・金沢自然公園 2017/03/29
#イヌシデの若い雄花と雌花 横浜市金沢区・金沢自然公園 2017/03/29
イヌシデの実
ビールの原料になるホップを思わせるクマシデに比べればふさふさ感が欠ける姿。実を形成している数多くの小さな葉は苞(ほう)と呼ばれるもの。苞は二枚で一対。種子はそれぞれの苞の内側基部にある。
#イヌシデの実 茅ヶ崎市・中央公園 2018/10/15
#イヌシデの実 茅ヶ崎市・中央公園 2018/10/15
#イヌシデの実 茅ヶ崎市・中央公園 2018/10/15
苞一枚の形はクマシデやアカシデと違って、イヌシデのはほぼ半身しかない形状。
#イヌシデのほぼ完熟した実 藤沢市・神台公園 2019/11/17
イヌシデの冬芽
#イヌシデの冬芽 藤沢市・神台公園 2020/12/10
#イヌシデの冬芽 藤沢市・神台公園 2020/12/10
横浜市金沢区・#金沢自然公園(なんだろ坂)
横須賀市・鷹取山公園(樹名板あり)、#鎌倉中央公園、藤沢市・#神台公園(まだ若木なので低所に花実あり、樹名板あり)、茅ヶ崎市・#中央公園、#花菜ガーデン(薔薇の轍)、二宮町・#吾妻山公園(野鳥の森にたいへん多い、ずれも高木)