大葉夜叉五倍子 ブナ目/カバノキ科/ハンノキ属 花期/2月下旬~3月 結実期/11月中旬~12月中旬
学名/Alnus sieboldiana Matsum.
花粉症自生種
#オオバヤシャブシの雄花と雌花 厚木市・自然環境保全センター 2018/03/14
落葉高木で、雌雄同株(しゆうどうしゅ)の雌雄異花。日本固有種。ハンノキ(榛の木)の仲間であるが水辺を好むというわけではない。やせ地でも育ち、潮風をまともに受ける海に面した林縁でも見かける丈夫な木なので、緑化や土留め目的で植栽されることも。神奈川県内広域に分布あり。湘南・鎌倉・三浦半島にも自生はあるも、見かける機会は(植栽ものも含めて)あまりないのではないか。
海に面した林縁に生えたオオバヤシャブシ 真鶴町・真鶴岬 2022/06/17
海に面した林縁に生えたオオバヤシャブシ 真鶴町・真鶴岬 2022/06/17
#オオバヤシャブシの若木 横須賀市・観音崎公園 2022/06/13
冬のオオバヤシャブシ 横須賀市湘南国際村 2024/02/14
#開花時期のオオバヤシャブシ 厚木市・自然環境保全センター 2018/03/14
オオバヤシャブシの葉 真鶴町・真鶴岬 2022/06/17
オオバヤシャブシの葉 真鶴町・真鶴岬 2022/06/17
#オオバヤシャブシの葉 横須賀市・観音崎公園 2022/06/13
落葉直前のオオバヤシャブシ 真鶴町・真鶴岬 2017/01/16
#オオバヤシャブシの冬芽と去年の実の残骸 大磯運動公園 2018/02/19
葉は、大きく、左右非対称。葉身基部が左右でずれる。
#オオバヤシャブシの葉 横須賀市湘南国際村 2017/11/12
#オオバヤシャブシの葉 横須賀市・観音崎公園 2022/06/13
#オオバヤシャブシの葉 横須賀市・観音崎公園 2022/06/13
#オオバヤシャブシの幹(樹皮) 厚木市・自然環境保全センター 2018/03/14
名は、葉が大きな、ヤシャブシの仲間、の意。夜叉は古代インドの鬼のことで、実がごつごつしていることから喩(たと)えられたもの。五倍子(ふし、付子)はタンニンが多く採れるヌルデ(白膠木)の実にできた虫こぶのことで、その代用になったことから。ヤシャブシは県内では丹沢や箱根といった山地に自生あり。湘南・鎌倉・三浦半島で見かけるハンノキの仲間は、ハンノキとオオバヤシャブシの二種だけ、と思っておいておよそ差し支えはない。県内では他に、ヤマハンノキ(山榛の木)、丹沢にあったらしいが県内絶滅のヤハズハンノキ(矢筈榛の木)、植栽逸出由来の帰化植物ヒメヤシャブシ(姫夜叉五倍子)、がある。
オオバヤシャブシの花
開花はハンノキより遅い。形状は似たようなものだが、より大きい。雄花はハンノキと違って柄(え)がなく、枝から直接生える。ずんぐりと太いので、(下向きには付くも)すらっとたらりとは下垂しないように見えるものが多い。雌花は、ハンノキより大きく、ハンノキやヤシャブシと違って、雄花よりも枝の先端側に付く。枝の先に雌花があって雄花があるのがハンノキやヤシャブシ、枝の先に雄花があって雌花があるのがオオバヤシャブシ、である。雌花も下垂しない。湘南・鎌倉・三浦半島での見頃は2月末。
オオバヤシャブシの蕾と冬芽 真鶴町・真鶴岬 2017/01/16
#オオバヤシャブシの雌花と雄花 厚木市・自然環境保全センター 2018/03/14
オオバヤシャブシの雄花と雌花 厚木市七沢・山神隧道~不動尻 2019/03/20
オオバヤシャブシの雄花と雌花の特徴 厚木市七沢・山神隧道~不動尻 2019/03/20
オオバヤシャブシの雄花 厚木市七沢・山神隧道~不動尻 2019/03/20
#オオバヤシャブシの雄花 厚木市・自然環境保全センター 2018/03/14
オオバヤシャブシの雌花 厚木市七沢・山神隧道~不動尻 2019/03/20
オオバヤシャブシの雌花 厚木市七沢・山神隧道~不動尻 2019/03/20
#オオバヤシャブシの雌花 厚木市・自然環境保全センター 2018/03/14
葉は、花が終わってから開き始める。
オオバヤシャブシの実
小さめなマツボックリ(松ぼっくり)みたいな形状の実ができる。冬に入って熟す。古い実は翌年の花期どころか夏くらいまで残る。枝から柄が出てその先に実が一個付く。ヤシャブシは、柄が二又に分かれてその先に実が一個ずつ付くので、サクランボ(のイメージ)みたいな姿になる。
#オオバヤシャブシの未熟な実 横須賀市・観音崎公園 2022/06/13
#オオバヤシャブシの未熟な実 横須賀市・観音崎公園 2022/06/13
#オオバヤシャブシの未熟な実 横須賀市・観音崎公園 2022/06/13
#オオバヤシャブシの熟し始めた実 横須賀市湘南国際村 2017/11/12
オオバヤシャブシの熟して裂開した実 真鶴町・真鶴岬 2017/01/16
#オオバヤシャブシの古い実 大磯運動公園 2023/02/11
#オオバヤシャブシの古い実 大磯運動公園 2023/02/11
ハンノキの実は、およそ幅1cm余り×長さ2cm。オオバヤシャブシの実は、およそ幅2cm×長さ2.5cm。
ハンノキの実とオオバヤシャブシの実の比較
東京都調布市・#神代植物公園植物多様性センター(伊豆諸島ゾーン、観察最良な低木)、横浜市金沢区・#金沢自然公園(なんだろ坂、園内にヤシャブシ20本以上あるとか)
#観音崎公園(うみの子とりで入口に観察最適な低木)、#湘南国際村、#散在ガ池森林公園、#大磯運動公園(テニス壁打コートを囲うように数本、いずれもやや不良、雄花は高所のみ)
厚木市七沢(山神隧道~不動尻、3月20日頃、ヤシャブシも=3月中旬)、厚木市・#自然環境保全センター(ツバキ園、七沢池畔、3月20日頃)、真鶴町・真鶴岬(三ツ石~番場浦の潮騒遊歩道に多い、真鶴町・番場浦海岸駐車場)
参考資料
『日本の固有植物』 加藤雅啓・海老原淳編 東海大学出版会発行(2011)
『牧野 日本植物図鑑』 牧野富太郎著 北隆館発行(1940)
オオバヤシャブシ雌花、雄花(今回はじめて認識した)を眺めると春の足音が聞こえてくる感じ。
もうすぐ桜が咲き始めるとか・・・。
次々と落葉樹の木の芽が動き出して 山全体が美しい萌黄色になるまでは
まだかなと思い いざ萌黄色の山並みを見れば何だか無性に焦りだす(笑)
既に県内絶滅してるヤハズハンノキ、帰化植物ヒメヤシャブシ・・・。
知れば知るほど 身近な自然が壊れてると実感しますね
山神隧道って暗くてお化けトンネルって呼ばれる、不動尻の間も散策されたのですね。
寂しい所ですが意外と人とすれ違うので これもまたビックリな場所ですが、、、。
熊注意!の看板にビビりながら渓流沿いを好む野鳥見たさに不動尻まで
何度も歩いた事あります。出合頭にキョンに会いお互いビックリとか懐かしい
(キョンキョンじゃないですよ、念のため)
画像が横須賀、厚木、大磯、真鶴と凄いフットワークで何時もながら驚きます。