次郎坊延胡索 キンポウゲ目/ケシ科/キケマン属 花期/3月中旬~4月中旬
学名/Corydalis decumbens (Thunb.) Pers.
有毒自生種稀少保護
ジロボウエンゴサク 小田原市早川 2024/03/24
乾燥しない保湿された半日陰の林内や林縁などに野草として生える多年草。野山でごくふつうに見かけるムラサキケマン(紫華鬘)の近似種で、だいぶ小型なもの。草丈は高さ10cmちょっと。風変わりな名前は、牧野富太郎博士によれば、三重県・伊勢地方の子供がスミレ(菫)を「太郎坊」、本種を「次郎坊」と呼んで、草相撲をしていたことに因むのだとか。また中国で本種の仲間が生薬の「延胡索」に利用されることから。”なんちゃらケマン”と”なんちゃらエンゴサク”に呼び分けられているが、同じ仲間である。神奈川県内では広域に分布があることから『神奈川県植物誌2018』は’全域にやや普通’呼ばわりしているが、冗談ではない、湘南・鎌倉・三浦半島ではそうそうお目にかかれるものではないなかなかの希少種である。野山で遭遇する比率は【ムラサキケマン99.999:ジロボウエンゴサク0.001:ヤマエンゴサク0.000000】といったところではないか。
農道脇に生えたジロボウエンゴサク 小田原市早川 2024/03/24
農道脇に生えたジロボウエンゴサク 小田原市早川 2024/03/24
農道脇に生えたジロボウエンゴサクとムラサキケマン 小田原市早川 2024/03/24
農道脇に生えたジロボウエンゴサク 小田原市早川 2024/03/24
農道脇に生えたジロボウエンゴサク 小田原市早川 2024/03/24
農道脇に生えたジロボウエンゴサク 小田原市早川 2024/03/24
ジロボウエンゴサク 小田原市早川 2024/03/24
ジロボウエンゴサク 厚木市上荻野・秋葉神社 2024/03/25
農地外れの雑草地に生えたジロボウエンゴサク 茅ヶ崎市芹沢 2019/04/03
農地外れの雑草地に生えたジロボウエンゴサク 茅ヶ崎市芹沢 2023/04/02
ジロボウエンゴサク 茅ヶ崎市芹沢 2023/04/02
ジロボウエンゴサク 茅ヶ崎市芹沢 2023/04/02
ジロボウエンゴサク 厚木市・神奈川県自然環境保全センター 2023/04/01
ジロボウエンゴサクの(斑入りの)葉 小田原市早川 2024/03/16
ジロボウエンゴサクの葉 小田原市早川 2024/03/16
ジロボウエンゴサクの葉 茅ヶ崎市芹沢 2019/04/03
ムラサキケマンとジロボウエンゴサクの葉の比較 厚木市・神奈川県自然環境保全センター 2023/04/01
ジロボウエンゴサクの葉 厚木市・荻野運動公園野草園 2023/03/31
ジロボウエンゴサクの葉 厚木市・荻野運動公園野草園 2023/03/31
ジロボウエンゴサクの花
ムラサキケマンによく似た姿の花が咲く。ムラサキケマンの極貧個体と紛らわしく感じてしまうかも。ムラサキケマンやヤマエンゴサク(山延胡索)とは葉や苞(花のすぐ下に付く小型な葉)の形状が異なっており、見分けは難しくない。本種の花はピンクに近い赤紫色であることが多い。見頃は3月下旬から4月初旬で、ヤマエンゴサクとほぼ同期。ムラサキケマンよりは早咲き。
ジロボウエンゴサク 小田原市早川 2024/03/24
ジロボウエンゴサク 小田原市早川 2024/03/24
ジロボウエンゴサク 小田原市早川 2024/03/16
ジロボウエンゴサク 小田原市早川 2024/03/16
ジロボウエンゴサク 小田原市早川 2024/03/16
ジロボウエンゴサク 小田原市早川 2024/03/16
ジロボウエンゴサクの苞には切れ込みなし。ヤマエンゴサクの苞には複数の切れ込みあり。ムラサキケマンの苞には多数の細かな切れ込みあり。
咲き始めジロボウエンゴサクの切れ込まない苞 小田原市早川 2024/03/16
参考)咲き始めムラサキケマンの多数の細かな切れ込みが入る苞 小田原市早川 2024/03/16
ジロボウエンゴサク 小田原市早川 2024/03/16
ジロボウエンゴサクの実
ジロボウエンゴサクの未熟な実 大和市・泉の森 2023/04/19
ジロボウエンゴサクの未熟な実 大和市・泉の森 2023/04/19
茅ケ崎里山公園、茅ヶ崎市芹沢
大和市・泉の森(野草園)、厚木市上荻野・秋葉神社(参道石段下)、厚木市・#荻野運動公園(野草園)、厚木市・神奈川県自然環境保全センター(N13~N7)、小田原市早川(早川のビランジュへの通路沿い)、箱根町仙石原・長安寺
参考資料
『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)
『牧野 日本植物図鑑』 牧野富太郎著 北隆館発行(1940)