姫立金花 キンポウゲ目/キンポウゲ科/ヒメリュウキンカ属 花期/3月~4月上旬
学名/Ficaria verna Huds.
有毒外来種改良種駆除
#ヒメリュウキンカ 横浜市戸塚区・俣野園 2017/03/30
園芸栽培される、ヨーロッパ原産の多年草。名は、より小型でかわいらしい、リュウキンカに似るものの意。公園や庭のちょい植えに利用される。川の土手など、野外への逸出も。日当たりが良く、乾燥しない場所に好んで生える。『神奈川県植物誌2018』によれば七つもの亜種があり、形態は様々。これらをひっくるめて(広義の)ヒメリュウキンカと総称してしまっているが、厳密には小型でなおかつ葉腋(ようえき)にむかごを作るものが(最狭義の)ヒメリュウキンカと呼ぶべきものらしい。※本サイトでは深く立ち入らず、小型なものを(狭義の)ヒメリュウキンカ、大型なものをキクザキリュウキンカ(菊咲立金花)として二分(にぶん)して掲載する。単にヒメリュウキンカといった場合は(キクザキリュウキンカを含まない)小型な狭義のヒメリュウキンカをいうこととする。
#ヒメリュウキンカ 横浜市戸塚区・俣野園 2017/03/30
#ヒメリュウキンカ 横浜市戸塚区・俣野園 2017/03/22
日本在来種のリュウキンカは水辺という特殊な環境に生えるため、身近な場所でおいそれと栽培できるものでなし。湘南・鎌倉・三浦半島の市街地周辺で見かけるものは(小型な)ヒメリュウキンカか(大型な)キクザキリュウキンカのどちらかと考えて差し支えない。
#ヒメリュウキンカ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2020/02/24
#ヒメリュウキンカ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/03/18
#ヒメリュウキンカ 横浜市戸塚区・俣野園 2017/03/22
野生化したヒメリュウキンカ 茅ケ崎里山公園 2018/03/28
葉はリュウキンカに比べて小さく、鋸歯もなだらか。地面からあまり立ち上がらず、地べたにやや張り付き気味に葉が展開する。
#ヒメリュウキンカの葉 横浜市戸塚区・俣野園 2017/03/22
#ヒメリュウキンカの葉 鎌倉市・大船フラワーセンター 2020/02/24
#ヒメリュウキンカの葉 鎌倉市・大船フラワーセンター 2020/02/24
#ヒメリュウキンカの葉 鎌倉市・大船フラワーセンター 2020/02/24
ヒメリュウキンカの花
花弁の枚数は、キクザキリュウキンカと同様でふつう十枚弱。別途萼片三枚あり。リュウキンカは花弁(のように見える萼片)が五枚あるだけである。花径は約3cmで、時期的にも重なるユキワリイチゲ(雪割一華)などと同等のサイズ感である。キクザキリュウキンカの花はばらつきあるも花径3cm~5cm超、全体的な姿からしても明らかに大きいと感じるものである。花弁には強い光沢あり。
#ヒメリュウキンカ 横浜市戸塚区・俣野園 2017/03/30
#ヒメリュウキンカ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/03/27
花弁が細めなもの幅広なもの、十枚以上あるものなど、花の姿は個体差あり。写真に撮ると花弁の一部が白色に映るのは、花弁に照りがあるため日光(ないしストロボ光)を強く反射しすぎて色が飛んでしまったため。実物は黄色一色である。なお咲き終わりかけてくると花弁は白っぽく傷む。
ヒメリュウキンカ 茅ケ崎里山公園 2018/03/28
#ヒメリュウキンカ、花径3cm 鎌倉市・大船フラワーセンター 2020/02/24
#ヒメリュウキンカの萼片 鎌倉市・大船フラワーセンター 2020/02/24
一般に見かけるものは黄色花のみであるが、じつは園芸品種がいろいろある。
#ヒメリュウキンカ(’ケン・アスレット・ダブル(Ken Aslet Double)’) 茅ヶ崎市浜之郷 2022/03/15
#カラスバヒメリュウキンカ(’カッパーノブ(Coppernob)’) 茅ヶ崎市浜之郷 2022/03/15
#カラスバヒメリュウキンカ(’カッパーノブ(Coppernob)’)、開花初日は黄色花 茅ヶ崎市浜之郷 2022/03/31
ヒメリュウキンカの実
ヒメリュウキンカ属(ヒメリュウキンカ、キクザキリュウキンカ)の雌蕊は球形、リュウキンカ属(リュウキンカ、エンコウソウ(猿猴草)、エゾノリュウキンカ)の雌蕊は突起物の集合体、という明らかな形状の違いがある。従って実の形も違ってくる。
参考資料
『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)