蠅毒草 シソ目/ハエドクソウ科/ハエドクソウ属 花期/7月~9月
学名/Phryma nana Koidz.
有毒危険自生種稀少
ハエドクソウ 大和市・泉の森 2019/07/08
乾燥しない薄暗い林内ないし林縁に生える多年草。昔、有毒成分がハエ取り紙に利用されていたのだそう。湘南・鎌倉・三浦半島で見かけるのは別種として分離されたナガバハエドクソウ(長葉蠅毒草)の方で、ハエドクソウを見かける機会はほとんどないのでは。葉の形状、小花の形状で見分ける。草姿も異なっており、葉が茎のある程度高いところにまで付き立体感があるのはハエドクソウの方、ナガバハエドクソウは茎が短く地面に近い場所にまとまって葉が付く。花軸は、ハエドクソウは短めで、草姿にややまとまりが感じられる。ナガバハエドクソウの花軸は異様にびよーんと長く伸びるきらいあり。
ハエドクソウ 大和市・泉の森 2019/07/08
ハエドクソウ 大和市・泉の森 2020/08/08
葉身基部は、ハエドクソウはおよそ切形(せっけい)から心形(しんけい)、ナガバハエドクソウはおよそ楔形(くさびがた)、という違いあり。
ハエドクソウの葉 横浜市戸塚区・俣野園 2017/08/06
ハエドクソウの葉 大和市・泉の森 2019/07/08
ハエドクソウの葉 大和市・泉の森 2020/08/08
ハエドクソウの花
花軸が長く伸びて下方の小花から順に咲いてゆく。花色は薄ピンク(肉眼ではほぼ白色に見える)。小花の上唇(じょうしん)は真上に突き出て二裂するが、その左右に(明瞭な)耳のような張り出し部分がある。
ハエドクソウ 大和市・泉の森 2019/07/08
上唇に耳状のせり出しがある(白色矢印)ハエドクソウ 大和市・泉の森 2019/07/08
ハエドクソウ 大和市・泉の森 2020/08/08
ハエドクソウ 横浜市戸塚区・俣野園 2017/08/06
ハエドクソウ 横浜市戸塚区・俣野園 2017/08/06
ハエドクソウ 横浜市戸塚区・俣野園 2017/08/06
ハエドクソウ 横浜市戸塚区・俣野園 2017/08/06
ハエドクソウの実
実はまるでイノコヅチ(猪子槌)のような姿で、同様にひっつき虫なので厄介。
ハエドクソウの若い実 横浜市戸塚区・俣野園 2017/08/19
指に張り付いたハエドクソウの若い実 横浜市戸塚区・俣野園 2017/08/19
横浜市栄区・横浜自然観察の森(霊園口階段沿い)、横浜市戸塚区・俣野園
藤沢市・遠藤笹窪谷
参考資料
『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)