ヒナタイノコヅチ

日向猪子槌 ナデシコ目/ヒユ科/イノコヅチ属 花期/9月~10月 結実期/10月下旬~12月

危険薬用自生種

ヒナタイノコヅチ 茅ヶ崎市萩園・小出川沿い 2018/09/24

ヒナタイノコヅチ 茅ヶ崎市萩園・小出川沿い 2018/09/24

日向や明るい半日陰の草地、道端などに生えるやや大型な多年草。暗めの日陰に生えていることもある。(広義の)イノコヅチには変種の関係にあるヒナタイノコヅチと暗い日陰に生えるヒカゲイノコヅチ(日陰猪子槌)の二種があり、一般に区別されているものではないが、細かいことをいえば(狭義の)イノコヅチとはヒカゲイノコヅチを指すべきものらしい。住宅地周辺で目にするものは大方はヒナタイノコヅチの方。湘南・鎌倉・三浦半島で普通種。(広義の)イノコヅチの実は秋に”ひっつき虫”になる。※以下、本頁でイノコヅチといった場合は広義の意味で用い、それぞれを指す場合はヒカゲイノコヅチないしヒナタイノコヅチの名を用いることとする。

ヒナタイノコヅチ 鎌倉中央公園 2016/10/10

ヒナタイノコヅチ 鎌倉中央公園 2016/10/10

ヒナタイノコヅチ 茅ヶ崎市萩園 2018/09/17

ヒナタイノコヅチ 茅ヶ崎市萩園 2018/09/17

ヒナタイノコヅチ 茅ヶ崎市矢畑・千ノ川 2019/09/14

ヒナタイノコヅチ 茅ヶ崎市矢畑・千ノ川 2019/09/14

全体的な姿は、日当たりの良し悪しという生育環境の違いが大きく影響していると思うが、ヒナタイノコヅチは群生してこんもりもこもこよく茂っているものが多い。対してヒカゲイノコヅチはやや貧相で徒長気味。さほど密生もしない。

ヒナタイノコヅチの茂み 茅ヶ崎市矢畑・千ノ川 2019/09/14

ヒナタイノコヅチの茂み 茅ヶ崎市矢畑・千ノ川 2019/09/14

ヒナタイノコヅチの最大の特徴は、葉が濃い緑色ではなく(白い毛が多めに生えているため)色褪せ気味に見えること。葉は紫褐色(しかっしょく)で縁取られる傾向があり、縁(ふち)には白色の毛がよく目立つ。また葉の縁はよじれ気味に波打っている。

ヒナタイノコヅチの葉 茅ヶ崎市矢畑・千ノ川 2019/09/14

ヒナタイノコヅチの葉 茅ヶ崎市矢畑・千ノ川 2019/09/14

ヒナタイノコヅチの葉の縁 茅ヶ崎市矢畑・千ノ川 2019/09/14

ヒナタイノコヅチの葉の縁 茅ヶ崎市矢畑・千ノ川 2019/09/14

ヒナタイノコヅチの葉(紫褐色の縁取りなし) 茅ヶ崎市萩園・小出川沿い 2018/09/24

ヒナタイノコヅチの葉(紫褐色の縁取りなし) 茅ヶ崎市萩園・小出川沿い 2018/09/24

神奈川県北部には葉が細身なヤナギイノコヅチ(柳猪子槌)なるものがあるらしい。湘南・鎌倉・三浦半島に分布なし。

ヒナタイノコヅチの花

花序の長さはヒカゲイノコヅチのように異様に長くはならず、逆に少々短めと感じるものが多いか。小花(粒々に見えるもの)は隙間を開けずにびっしりと付く傾向あり。

ヒナタイノコヅチ 茅ヶ崎市萩園・小出川沿い 2018/09/17

ヒナタイノコヅチ 茅ヶ崎市萩園・小出川沿い 2018/09/17

ヒナタイノコヅチ 茅ヶ崎市萩園 2018/09/17

ヒナタイノコヅチ 茅ヶ崎市萩園 2018/09/17

ヒナタイノコヅチ 茅ヶ崎市芹沢 2018/09/22

ヒナタイノコヅチ 茅ヶ崎市芹沢 2018/09/22

小苞の基部にある付属体は小さい。ボールペン先の小さなボールくらいの、小さな点にしか見えないものである。ガイドブックなどではヒナタイノコヅチとヒカゲイノコヅチの区別はこの付属体によって行うとする記述が多いと思うが、確かに学術的にはそうかもしれないけれども、肉眼ではほとんど見えないに近いくらい小さく、違いも微妙なものなので、一般の人の目でこれを見分けられるものではないだろう。(日陰に生えたヒナタイノコヅチはヒカゲイノコヅチに近い姿をしていることがあるため、その際の判別には付属体をルーペ等でまじまじと覗き込んで見分けを試みるよりない。)

ヒナタイノコヅチ 茅ヶ崎市矢畑・千ノ川 2019/09/14

ヒナタイノコヅチ 茅ヶ崎市矢畑・千ノ川 2019/09/14

ヒナタイノコヅチの小花と、小苞の小さな付属体 藤沢市・新林公園 2016/10/06

ヒナタイノコヅチの小花と、小苞の小さな付属体 藤沢市・新林公園 2016/10/06

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