薄荷 シソ目/シソ科/ハッカ属 花期/7月下旬~9月
食用薬用自生種外来種改良種稀少保護
ヨウシュハッカか 茅ヶ崎市・清水谷 2016/07/29
ハッカ飴のあのハッカ。ハッカ属はひっくるめて英名ミント(Mint)。すうすうする清涼感を感じさせる成分メントール(メンソール、Menthol)が採れるため古くは栽培されていた。なお現在ガムやら歯磨き粉やらで広く使われているメントールは化学合成された工業製品とのこと。
日本在来種のハッカはニホンハッカ(日本薄荷)ないしワシュハッカ(和種薄荷)とも。これに帰化種で欧州原産のヨウシュハッカ(洋種薄荷)、同じくアメリカハッカ(亜米利加薄荷)が加わってくる。品種改良されたものや交雑種をも含めればこれらの見分けは容易でないため、本項では、それぞれの特徴を強く意識させる個体を除いて、ひっくるめてハッカとする。
ハッカ三種の同定方法
ニホンハッカ
萼片は細く尖る。
葉柄は(花序よりも)長め。
ヨウシュハッカ
萼片は細く尖らずほぼ正三角形。
葉柄は(花序よりも)短め。葉はやや幅広で丸みを感じる。
アメリカハッカ
萼筒が無毛で腺点が目立つ。
花序の真下に付属する葉が小さく花序に隠れがち。
葉はノギク(野菊)のような形状で、対生。千切って揉むとお馴染みのハッカらしい爽快な香りが漂ってくる。
ヨウシュハッカか 茅ヶ崎市・清水谷 2016/07/29
ヨウシュハッカの萼か 茅ヶ崎市・清水谷 2017/08/27
ヨウシュハッカの葉か 茅ヶ崎市・清水谷 2017/08/27
花は葉腋にダンギク(段菊)のような姿で咲き、色は白に近い薄紫。
ヨウシュハッカか 茅ヶ崎市・清水谷 2016/08/31
チョコミントアイスはペパーミント(欧州原産、スペアミントとウォーターミントの交雑種という)の香料を使用(ミントグリーン色は着色料によるものでミント由来ではない)。クールミントガム(ロッテ)やグリーンガム(同)もペパーミント。スペアミント(欧州原産)も爽快感ある香り付けに用いられる。これらは特殊な植物園にでも行かない限りお目にかかる機会はあまりないだろう。
名前が紛らわしいヤマハッカ(山薄荷)は近似種ではあるが、花がまったくの別物なので見間違えることはない。
横浜市中区・本牧山頂公園(9月中旬~下旬)、横浜市戸塚区・舞岡公園(ニホンハッカ、9月中旬~下旬)
藤沢市大庭・引地川親水公園南側の田んぼ(休耕田に)、清水谷