雁首草 キク目/キク科/ガンクビソウ属 花期/8月~11月初旬 結実期/10月~11月
学名/Carpesium divaricatum Siebold & Zucc. var. divaricatum
薬用自生種
ガンクビソウ 逗子市・神武寺裏参道 2017/12/02
丘陵地や山地の薄暗い林内に生える多年草。変種と呼び分ける意味でもキバナガンクビソウ(黄花雁首草)と呼ばれることがある。雁首とは煙管(きせる、時代劇に出てくる和製パイプ)の先端部分のこと。花がくいっとやや下向きに曲がって咲く姿が喩(たと)えられた。神奈川県内でまあまあ普通種。湘南・鎌倉・三浦半島でも三浦丘陵などのハイキングコースを歩いていれば出くわすだろう。どこにでも大量に生えているというほどではないにせよ、真夏から初秋にかけて馴染み深い野草である。市街地にはない。
ガンクビソウ 逗子市・神武寺裏参道 2019/09/14
ハイキングコース沿いに生えたガンクビソウ 藤沢市・新林公園 2021/08/27
ハイキングコース沿いに生えたガンクビソウ 藤沢市・新林公園 2021/08/27
ハイキングコース沿いに生えたガンクビソウ 藤沢市・新林公園 2021/08/27
ガンクビソウ 鎌倉広町緑地 2022/09/06
ガンクビソウ 藤沢市・新林公園 2017/10/11
ガンクビソウ 藤沢市・新林公園 2019/11/16
ガンクビソウ 横浜市栄区・横浜自然観察の森 2018/08/02
ガンクビソウ 逗子市・神武寺裏参道 2017/12/02
小振りなガンクビソウ 藤沢市・新林公園 2019/11/16
結実期のガンクビソウ 藤沢市・新林公園 2019/11/16
茎をよく分岐させ、葉を多く付ける。茎下部の葉は幅広で、しっかりと長めの柄(え)があり、鋸歯は浅い。茎上部になるほど細めになる。
ガンクビソウの葉 逗子市・神武寺裏参道 2017/12/02
ガンクビソウの茎上部の細めの葉 横浜市栄区・横浜自然観察の森 2018/08/02
ガンクビソウの葉 藤沢市・新林公園 2021/08/27
ガンクビソウの(やけに丸っこい)葉 藤沢市・新林公園 2021/08/27
ガンクビソウの茎下部の葉 藤沢市・新林公園 2021/08/27
ガンクビソウの花
頭状花序(頭花)は、先端側が細まり、しっかりと濃い黄色をしている(色がくすんだ花は咲き終わり)。総苞は反らない。なお花時に根生葉(こんせいよう)はない。以上はガンクビソウとヤブタバコ(藪煙草)に共通。枝ないし葉腋(ようえき)から伸びた柄の先端に頭花が一つ付いていたらガンクビソウ、頭花に長い柄がなく葉腋(ようえき)にもぴったり接して付いているようならヤブタバコである。
ガンクビソウ 藤沢市・新林公園 2017/10/11
ガンクビソウ 藤沢市・新林公園 2017/10/11
ガンクビソウ 藤沢市・新林公園 2021/08/27
ガンクビソウの先細る頭花 はやま三ヶ岡山緑地 2016/09/30
枝先咲きの近似種にサジガンクビソウ(匙雁首草)とコヤブタバコ(小藪煙草)があるが、頭花の姿が違う。サジガンクビソウはガンクビソウにはたいして似ておらず、むしろコヤブタバコと紛らわしい。
ガンクビソウの実
種子(のように見えるそれぞれが痩果(そうか))は意外にもべたべたしており、動物の体や人の衣服に付着するひっつき虫となる。
ガンクビソウの熟した実 藤沢市・新林公園 2019/11/16
ガンクビソウの熟した実 藤沢市・新林公園 2019/11/16
ガンクビソウの種子 藤沢市・新林公園 2019/11/16
横浜市栄区・横浜自然観察の森(コナラの道21番周辺の階段脇、7月下旬~8月中旬)
馬堀自然教育園、逗子市・神武寺(裏参道)、新林公園、高麗山公園(高来神社~滝の沢に少ない、湘南平車道沿いに点在)
参考資料
『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)