桂 ユキノシタ目/カツラ科/カツラ属 花期/3月中旬~4月上旬 結実期/10月~2月 黄葉/10月中旬~下旬
学名/Cercidiphyllum japonicum Siebold & Zucc. ex Hoffm. & Schult.
自生種
#カツラの黄葉 藤沢市・新林公園 2016/10/06
山地に自生する落葉高木で、雌雄異株(しゆういしゅ)。神奈川県内では丹沢などに自生があるようだが、湘南・鎌倉・三浦半島ではおよそ公園などに植えられているのみ。見かけるのは一本立ちの高木がほとんどであるが、叢生(そうせい、株立ち)するものもある。
#カツラの新緑 藤沢市・長久保公園 2017/04/17
#カツラの新緑 藤沢市・長久保公園 2017/04/17
鎌倉彫の材といえば、北海道産のカツラの木である。
#カツラの幹 藤沢市・舟地蔵公園 2017/10/18
#カツラ 鎌倉中央公園 2017/06/14
#カツラ 藤沢市・新林公園 2018/07/08
葉が大きく幅広で丸っこく見え、基部は深く湾入するヒロハカツラ(広葉桂)、別名ウチワカツラ(団扇桂)というものも日本国内にはあるらしい。神奈川県内自生なし。種子の翼(よく)の付き方に明確な違いがあり、カツラの翼は種子の片側に、ヒロハカツラは両側に付く。※公園木のカツラに葉が丸っこいものをまま見かけるが、本頁では明確にヒロハカツラであると断定できるものを除いてすべてカツラとしておく。
カツラの花
葉が出る前に花が咲く。まるで紅葉でもしているかのように赤く染まって美しい。但し花は気づかぬうちにあっという間に終わってしまって葉が生える。まだ蕾が多くて見頃はもう少し先だろう、それくらいの頃が見頃だと思っておいた方がよいくらい。花弁はない。
葯(やく)があるのが雄花。
#カツラの雄花 藤沢市・舟地蔵公園 2017/03/30
#カツラの雄花 藤沢市・舟地蔵公園 2017/03/30
#カツラの雄花 藤沢市・舟地蔵公園 2017/03/30
にょろっとしてるだけのが雌花。雌株には去年の実の残骸あり。
#カツラの雌花 藤沢市・舟地蔵公園 2017/03/30
#カツラの雌花 藤沢市・舟地蔵公園 2017/03/30
#カツラの雌花 藤沢市・舟地蔵公園 2017/03/30
カツラの実
カンレンボク(旱蓮木)以上にバナナっぽい姿。熟して枯れて種子を放出した後も残骸が翌春あたりまで(ときに丸々一年後まで)残る。
#カツラの実 藤沢市・舟地蔵公園 2017/10/18
#カツラの実 藤沢市・舟地蔵公園 2017/10/18
#カツラの実 藤沢市・舟地蔵公園 2017/10/18
#カツラの実 藤沢市・舟地蔵公園 2017/10/18
#カツラの完熟した実 藤沢市・舟地蔵公園 2017/11/21
中に入っている種子は驚くほど小さいもの。こんなものが大樹に変わるとは。羽根付き軽量なので、遠くまで風に飛ばされ分布を広げることができる。
#カツラの種子(一部) 藤沢市・舟地蔵公園 2017/11/21
カツラの黄葉
丸っこい心形(しんけい、ハート形)の葉が黄葉する。なお黄色に色付くのと同時進行的に散ってゆくことが多いので、株全体が黄色に染まるのを待っているとどんどん剥げ上がってゆく。
#カツラの黄葉 藤沢市・新林公園 2016/10/06
#カツラの黄葉 藤沢市・新林公園 2016/10/06
#カツラの黄葉 藤沢市・舟地蔵公園 2017/10/18
#カツラの黄葉した葉 藤沢市・新林公園 2016/10/08
黄葉もきれいであるが、カツラは枯れて散った落ち葉がポイント。キャラメルフラペチーノ(がどんな香りかは知らないが)のような甘い香りがするのだ。秋の公園に少しローストしたような謎の甘ったるくておいしそうな匂いがぷんぷん漂っていたら近くにカツラの木が植えられているに違いない。
#カツラの落ち葉 藤沢市・新林公園 2017/10/11
#鎌倉中央公園(山崎口内の広場、花は高所)、#新林公園(雌雄、花は高所)、#花菜ガーデン(令和3年(2021)春 キッズビレッジとユニバーサル遊具に株立ちの若木を多数植栽、樹名板なし)
#鎌倉鉢の木北鎌倉新館(雄株、花はとても高所、令和5年(2023)強剪定で上部失われた)、藤沢市片瀬・#密蔵寺(命名「愛染かつら」、平成25年(2013)頃枝下ろし)、#舟地蔵公園(中央メタセコイア周辺)
参考資料
『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)
『山溪ハンディ図鑑 14 樹木の葉 実物スキャンで見分ける1100種類』 林将之著 山と溪谷社発行(2014)