ダンチク

暖竹、葮竹 イネ目/イネ科/ダンチク属 花期/9月~10月中旬 結実期(穂の見頃)/10月中旬~11月
学名/Arundo donax L.

有毒自生種外来種改良種駆除稀少保護

国際自然保護連合(IUCN)「世界の侵略的外来種ワースト100」

ダンチクの花(雌花と雄花) 茅ヶ崎市・太陽の郷庭園 2021/10/11

#ダンチクの花(雌花と雄花) 茅ヶ崎市・太陽の郷庭園 2021/10/11

海岸ないし海近くの川岸に生える大型な多年草で、雌雄同株(しゆうどうしゅ)。草丈は人の背丈を遙かに超えて、4mくらいにもなる超大型巨大ススキ(芒)、とでもいった感じの植物。よく群生する。穂がヨシ(葦、葭)のようで茎(イネ科の茎は稈(かん)という)がまるでタケ(竹)のような見た目になることから、別名ヨシタケ(葭竹)。ダンチクの名は、温暖な地域で見られるタケのようなものの意か、ヨシタケの漢字表記”葭竹”を誤読したか、不明。神奈川県内でも海辺に自生が見られるも自生地は少ない。茶花(ちゃばな)として利用されることがあるので、ときに栽培される。

ダンチクの小群落(右側はパンパスグラス) 茅ヶ崎市・太陽の郷庭園 2021/10/11

#ダンチクの小群落(右側はパンパスグラス) 茅ヶ崎市・太陽の郷庭園 2021/10/11

開花時期のダンチク 茅ヶ崎市・太陽の郷庭園 2021/10/11

開花時期の#ダンチク 茅ヶ崎市・太陽の郷庭園 2021/10/11

ダンチク(セイヨウダンチク) 鎌倉市・大船フラワーセンター 2021/09/11

#ダンチク(セイヨウダンチク) 鎌倉市・大船フラワーセンター 2021/09/11

斑が抜けかけているダンチク(セイヨウダンチク、左手前はススキ) 鎌倉市・常楽寺 2021/10/08

斑が抜けかけている#ダンチク(セイヨウダンチク、左手前は#ススキ) 鎌倉市・常楽寺 2021/10/08

葉は、直立した茎から生える茎生葉(けいせいよう)。やや力なくだらりと垂れているのが特長。主脈があまり明瞭でないのでアシの葉に似るが、ダンチクは葉の基部がひだ状の耳となって茎を抱く。明治時代(1868-1912)にヨーロッパから入ってきた斑入り(ふいり)葉の品種(Arundo donax ‘Versicolor’)が園芸栽培されることあり。オキナダンチク(翁暖竹)、シマダンチク(縞暖竹)、セイヨウダンチク(西洋暖竹)、フイリノセイヨウダンチク(斑入の西洋暖竹)と呼ばれる。市街地等で逸出がみられるとか。斑が消えかかっている個体がなくもないので、完全斑無しのセイヨウダンチクなんていうものももしかしたら存在しているかもしれない。※本頁ではダンチクとセイヨウダンチクを厳格には区別せず掲載する。

ダンチクの葉 茅ヶ崎市・太陽の郷庭園 2021/08/26

#ダンチクの葉 茅ヶ崎市・太陽の郷庭園 2021/08/26

ダンチクの葉 茅ヶ崎市・太陽の郷庭園 2021/08/26

#ダンチクの葉 茅ヶ崎市・太陽の郷庭園 2021/08/26

ダンチクの葉 茅ヶ崎市・太陽の郷庭園 2021/08/26

#ダンチクの葉 茅ヶ崎市・太陽の郷庭園 2021/08/26

ダンチク(セイヨウダンチク)の葉 鎌倉市・常楽寺 2021/10/08

#ダンチク(セイヨウダンチク)の葉 鎌倉市・常楽寺 2021/10/08

ダンチクの耳が茎を抱く葉の基部 茅ヶ崎市・太陽の郷庭園 2021/10/11

#ダンチクの耳が茎を抱く葉の基部 茅ヶ崎市・太陽の郷庭園 2021/10/11

ダンチクの耳が茎を抱く葉の基部 茅ヶ崎市・太陽の郷庭園 2021/10/11

#ダンチクの耳が茎を抱く葉の基部 茅ヶ崎市・太陽の郷庭園 2021/10/11

ダンチクの稈 茅ヶ崎市・太陽の郷庭園 2021/10/11

#ダンチクの稈 茅ヶ崎市・太陽の郷庭園 2021/10/11

ダンチク(セイヨウダンチク)のタケのような下部の稈 鎌倉市・常楽寺 2021/10/08

#ダンチク(セイヨウダンチク)のタケのような下部の稈 鎌倉市・常楽寺 2021/10/08

ダンチク(セイヨウダンチク)のタケのような下部の稈 鎌倉市・常楽寺 2021/10/08

#ダンチク(セイヨウダンチク)のタケのような下部の稈 鎌倉市・常楽寺 2021/10/08

ダンチクとほぼ同規模に巨大化する”お化けススキ”的なものにパンパスグラスがあるが、こちらは根生葉(こんせいよう)主体で葉は細い。花期はダンチクより早い。

ダンチクの花

イネ同様に、穂が若くて貧相なうちから雄蕊と雌蕊をちょろっと出すのみ。両性花らしい。花弁はない。

ダンチクの開花中の花穂 茅ヶ崎市・太陽の郷庭園 2021/10/11

#ダンチクの開花中の花穂 茅ヶ崎市・太陽の郷庭園 2021/10/11

ダンチクの花(雌花と雄花) 茅ヶ崎市・太陽の郷庭園 2021/10/11

#ダンチクの花(雌花と雄花) 茅ヶ崎市・太陽の郷庭園 2021/10/11

ダンチクの花(雌花と雄花) 茅ヶ崎市・太陽の郷庭園 2021/10/11

ダンチクの花(雌花と雄花) 茅ヶ崎市・太陽の郷庭園 2021/10/11

ダンチクの花(雌花と雄花) 茅ヶ崎市・太陽の郷庭園 2021/10/11

#ダンチクの花(雌花と雄花) 茅ヶ崎市・太陽の郷庭園 2021/10/11

ダンチクの花(雌花と雄花) 茅ヶ崎市・太陽の郷庭園 2021/10/11

#ダンチクの花(雌花と雄花) 茅ヶ崎市・太陽の郷庭園 2021/10/11

ダンチクの実

ふわふわなやや茶色っぽい果穂を作る。色的にはパンパスグラスの方が明るくてきれい。

ダンチクの開花が終わって箒のような姿になってきた果穂 茅ヶ崎市・太陽の郷庭園 2021/10/11

#ダンチクの開花が終わって箒のような姿になってきた果穂 茅ヶ崎市・太陽の郷庭園 2021/10/11

ダンチク(セイヨウダンチク)の花終わり 鎌倉市・常楽寺 2021/10/08

#ダンチク(セイヨウダンチク)の花終わり 鎌倉市・常楽寺 2021/10/08

ダンチク(セイヨウダンチク)の果穂 鎌倉市・常楽寺 2021/10/08

#ダンチク(セイヨウダンチク)の果穂 鎌倉市・常楽寺 2021/10/08


斉田浜、#茅ヶ崎 太陽の郷(南湖院記念 太陽の郷庭園に多め、一般公開、パンパスグラスも)

#常楽寺(駐車場東側に斑が抜けかけているセイヨウダンチク)、大船フラワーセンター(ツバキ園北東向かいの宿根ボーダー花壇にセイヨウダンチク)

参考資料

『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)

『牧野日本植物図鑑』 牧野富太郎著 北隆館発行(1940)

関連記事 – 仲間・似ている・紛らわしい

パンパスグラス

ヨシ(アシ)

ススキ

オギ

セイバンモロコシ

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『ダンチク』へのコメント

  1. ケンモチナオミ 投稿日:2021/11/08(月) 22:55:59 ID:0ad2dea76 返信

    丁寧な補足説明を ありがとうございました。
    貴重な時間をさいて頂いてすみません、、

    自生地以外では外来種で増えると迷惑
    植物も大変ですね。
    西洋ダンチクは刈り掃うのとしたら相当な労力でしょう

    ダンチクは自生種・稀少・保護。で

    「世界の侵略的外来種ワースト100」
    時間を忘れて見てしまいそう、ワカメが含まれてるのは
    確かにぴんとこないなぁ
    いつも画像が充実ですが 標準ズームを使いこなしているのですね
    凄いなぁ、、

    • mirusiru.jp 投稿日:2021/11/09(火) 22:15:50 ID:99ab50e94 返信

      文一総合出版から『イネ科ハンドブック』という本が出てますから、図書館等で探してみてください。わけわかんなくなっておもしろいですよ。

      • ケンモチナオミ 投稿日:2021/11/14(日) 21:01:29 ID:df1a5bb16 返信

        そろそろアマゾン川から『イネ科ハンドブック』が流れ着きます(笑)

        公園を散歩しながらオギ?見つけて
        実物の葉の出方を見て、、ススキとの違いを確認できた?と思う。

        私はチカラシバが好きです。
        確かイネ科だと思います、チカラシバもハンドブックに掲載してるかなぁ?

        mirusiru.jpさんの記事は興味深くて
        学ぶこと、気づく事が多くて楽しみです。

        • mirusiru.jp 投稿日:2021/11/15(月) 04:48:22 ID:4a52314f0 返信

          えー!
          ぽちったんですか‥。イネ科の雑草ために1,800円+消費税をお支払いになられたと‥。変態さん(誉め言葉)ですね。前世がショウリョウバッタか何かだったのでしょうか‥。と言いながら私も持ってはいますが、写真が全頁緑色という糞地味な本ですよ。ピンクだ白だの花びらは一枚も出て来ないので、目が病んできます。最終的には”こんなもん、ぜんぶ同じや”って気になってきます。チカラシバ、116頁に‥。
          ちなみに姉妹本に『カヤツリグサ科ハンドブック』なるものもあったりします(現在は絶版状態なので本屋の在庫が切れたらおしまい。改訂版が出る予兆なのかは存じません)。進む道を間違えた人か、暇で暇で仕方ない人は、図書館で覗いてみてもよろしいかもしれません‥。
          ※ハンドブックシリーズは(ハンディタイプの図鑑全般に言えることですが)”完全ではない”のでご注意ください。身近なものでありながら掲載されてないものがいる、との文句は小耳に挟んでいます。

          なお共に、寝る前に布団の中で読むとほんの数分で眠りにつける良書です。ぐっすりいけます。

          オギ、お住まいの地域にもよるとは思いますけれども、意外と身近にあったはずです。
          オギとススキ、またしばらくすると、”アレ??”って思うようなのに出くわすと思います。”理解したはずなのに、混乱に陥る”を、私は何度も繰り返しました。

          • ケンモチナオミ 投稿日:2021/11/18(木) 06:07:34 ID:aa6ff20e4

            おっしゃる通り
            カヤツリグサ科ハンドブック、、
            手軽に購入不可ですね。あーー気になる!図書館へ久しぶりに行ってみようかな。私はマイノリティだと自信あり(笑)

          • mirusiru.jp 投稿日:2021/11/18(木) 19:30:30 ID:5f1acbd54

            道端歩いてて、これは何、あれは何、とイネ科だカヤツリグサ科だの雑草をおしえてくれる変人さん、カッコイイ!
            ただの読者で終わってしまっては何の意味もありません。私にも理解できるように、ブログ等で丹念におしえてくださいね。

  2. ケンモチナオミ 投稿日:2021/11/07(日) 20:55:48 ID:616d06f74 返信

    よく見たら箒のような穂で ススキではない、、背が大きい。
    パンパスグラスの見分けは分かるので おそらくセイヨウダンチクだ。

    長らく大規模な道路工事をしていて完成した道路わき沿いに
    ビックリする位に群生している所があります。

    タイトルの下 アイコンに
    有毒、自生種、外来種、改良種、稀少、保護と
    国際自然保護連合(IUCN)「世界の侵略的外来種ワースト100」とありますね

    希少と保護の対象でもあるのですか?
    「世界の侵略的外来種ワースト100」も見てみたくなりました。
    興味津々です、自分の現実を全て忘れるくらい夢中になれるかも、、、。

    暇人ですみません、気になりました、、。

    • mirusiru.jp 投稿日:2021/11/08(月) 00:17:37 ID:d450a93c7 返信

      ダンチクと見誤る可能性が高いのはパンパスグラスとアシでしょうか。ただ、本サイトには掲載がないセイタカヨシなどの罠(私がはまることもあります)もあったり。

      >長らく大規模な道路工事をしていて完成した道路わき沿いに
      >ビックリする位に群生

      道路工事と聞くと外来種を疑います。道路沿いにセイヨウダンチク群生って凄いですね。

      >タイトルの下 アイコン

      指摘を受けて、「駆除」を追加しました。笑
      本頁は”在来種として神奈川県内では希少なダンチク”と”外来の園芸植物セイヨウダンチク”を合わせて掲載しているので、「保護」と「駆除」やらが混在してちょっとわけが分からないことになっています。自然状態で生えているダンチク=自生種・稀少・保護、野外に逸出したセイヨウダンチク=外来種・改良種・駆除・稀少、が頁の構成の都合上ごちゃついている感じです。

      >世界の侵略的外来種ワースト100

      日本(のみならず分布がある)のダンチクも、本来ダンチクが生えていない地域に入ってしまうと現地の植生に脅威を与える、という意味です。神奈川県としては自生地少ないし個体数も多くはないのだから、機械でやたらめったらざくざく刈ってしまわないでよ、っていう保護が望まれるダンチクであっても、外来種としてダンチクが新しく入ってきてしまった国からしたら迷惑な厄介者になってしまいます。「世界の侵略的外来種ワースト100」は世界から見て、というものですので、日本人としてはあまりぴんとこないものもあります。ワカメとか。