エゴマ

荏胡麻 シソ目/シソ科/シソ属 花期/9月中旬~10月 ⇒(令和5年(2023)地球温暖化以降)9月末~10月 結実期/10月下旬~11月
学名/Perilla frutescens (L.) Britton var. frutescens

食用外来種駆除

エゴマの花 三浦市南下浦町菊名 2025/10/12

エゴマの花 三浦市南下浦町菊名 2025/10/12

東南アジア原産という一年草。元は人が栽培してきた農作物(のうさくぶつ)。古い時代に日本へ入ってきたため在来種の扱いになったりもする。葉が食用になり、種子からは油が採れる。鎌倉にある荏柄天神社(えがら てんじんしゃ)は、その地が奈良時代(710-794)には荏草郷(えがや ごう)といったことからの転訛(てんか)。この辺りはエゴマの一大産地だったのかもしれない。学術的にはシソ(紫蘇)や在来の野草であるレモンエゴマ(檸檬荏胡麻)と変種の関係にあるもの、または近似の別種、に位置付けられている。草丈は生育環境によって様々ではあるが、人の膝(ひざ)上(高さ60cm)くらいから、シソより大きく1.5mくらいにもなることがある。よく分枝(ぶんし)して大株になる。ぱっと見の姿はアオジソ(青紫蘇)に似ているが、葉の雰囲気が見慣れた(一般的には大葉(おおば)の名称で売られている)アオジソの葉とはちょっと違うように感じる、葉を千切ってにおいを嗅いでみるとやっぱりアオジソではなくなんだか不快臭がする(ことが多い)、それがエゴマである。特に搾油(さくゆ)向けだったと思われ昔はよく栽培されていたようであるが、油は安価な(ダイズ(大豆)やアブラナ(油菜)などから作られる)サラダ油(ゆ)が流通するようになり葉の風味も現代の日本人の口には合わないため、今となっては意図的に栽培されることはほとんどない。但し、栽培されていた名残りの逸出が神奈川県内のほぼ全域にある。直射日光があまり当たらないやや湿った半日陰ないし明るい日陰に好んで生えている。県北部の山間(やまあい)の林道沿いになどにも。真夏の猛暑の炎天下に長時間晒しても育ちうるが、水をよく飲むため水切れするようだと枯れる。ニホンジカ(日本鹿)は食べない不嗜好性(ふしこうせい)植物。シカ除けを目的にタネがばら播(ま)かれることがあるようだが、その一帯に帰化することは確実なので、自然豊かな山林にまでエゴマが生えるようだと在来種レモンエゴマとの交雑を招き遺伝子汚染させてしまうだろう。

エゴマの幼株 三浦市南下浦町菊名産 2025/04/11

#エゴマの幼株 三浦市南下浦町菊名産 2025/04/11

エゴマの幼株 三浦市南下浦町菊名産 2025/04/19

#エゴマの幼株 三浦市南下浦町菊名産 2025/04/19

エゴマの幼株 三浦市南下浦町菊名産 2025/04/24

#エゴマの幼株 三浦市南下浦町菊名産 2025/04/24

エゴマの群生 茅ヶ崎市・清水谷 2017/08/27

#エゴマの群生 茅ヶ崎市・清水谷 2017/08/27

林道沿いに生えた開花中のエゴマの群落 秦野市・戸川林道・竜神の泉 2023/09/25

林道沿いに生えた開花中のエゴマの群落 秦野市・戸川林道・竜神の泉 2023/09/25

開花中のエゴマのサイズ感 茅ヶ崎市・清水谷 2017/09/29

開花中の#エゴマのサイズ感 茅ヶ崎市・清水谷 2017/09/29

野草化して草地に茂った開花中のエゴマ 茅ヶ崎市・清水谷 2019/10/10

野草化して草地に茂った開花中のエゴマ 茅ヶ崎市・清水谷 2019/10/10

開花中のエゴマ 三浦市南下浦町菊名 2025/10/12

開花中のエゴマ 三浦市南下浦町菊名 2025/10/12

開花中のエゴマ 三浦市南下浦町菊名 2025/10/12

開花中のエゴマ 三浦市南下浦町菊名 2025/10/12

開花中のエゴマ 三浦市南下浦町菊名 2025/10/12

開花中のエゴマ 三浦市南下浦町菊名 2025/10/12

開花中のエゴマ 三浦市南下浦町菊名 2023/10/26

開花中のエゴマ 三浦市南下浦町菊名 2023/10/26

メナモミを囲うように生えたエゴマの群落 横須賀市・長坂緑地(沢山池の里山) 2025/10/19

メナモミを囲うように生えた花期後半のエゴマの群落 横須賀市・長坂緑地(沢山池の里山) 2025/10/19

花期後半に入ったエゴマの群落 横須賀市・長坂緑地(沢山池の里山) 2025/10/19

花期後半に入ったエゴマの群落 横須賀市・長坂緑地(沢山池の里山) 2025/10/19

放棄され草地で野生化した花期終盤のエゴマ 茅ヶ崎市・清水谷 2025/10/18

放棄され草地で野生化した花期終盤のエゴマ 茅ヶ崎市・清水谷 2025/10/18

花が咲き終わったエゴマ 茅ヶ崎市・清水谷 2025/10/27

花が咲き終わったエゴマ 茅ヶ崎市・清水谷 2025/10/27

葉は対生。シソの葉ほど極薄に感じず、シソのようには縮れず、葉を揉んでみるとシソの香りはせず、なんか一癖ある不快な青臭さがする(ことが多い)。スーパーマーケットの野菜売り場(冷蔵ショーケースの一番上の段)でエゴマの葉も売られていることがあるが、芳香が日本人好みでないためシソの葉に比べれば格段に人気なし。韓国人は焼肉と一緒にこのエゴマの葉を食べているらしい。焼肉店でしょうゆベースのタレに漬け込んだシソの葉みたいのが出てきたらエゴマの葉である。ときに「ゴマの葉」と称して売られているが、韓国云々・焼肉云々の説明書きがあったらその正体はゴマ(胡麻)ではなくエゴマの葉である。葉は虫に食害されやすい。犯人はオンブバッタ(負飛蝗)だろう。

エゴマの葉 横須賀市・長坂緑地(沢山池の里山) 2025/10/19

エゴマの葉 横須賀市・長坂緑地(沢山池の里山) 2025/10/19

エゴマの葉 茅ヶ崎市・清水谷 2017/08/27

#エゴマの葉 茅ヶ崎市・清水谷 2017/08/27

エゴマの葉 茅ヶ崎市・清水谷 2017/08/27

#エゴマの葉 茅ヶ崎市・清水谷 2017/08/27

エゴマの葉 茅ヶ崎市・清水谷 2025/10/03

エゴマの葉 茅ヶ崎市・清水谷 2025/10/03

エゴマの葉 茅ヶ崎市・清水谷 2025/10/03

エゴマの葉 茅ヶ崎市・清水谷 2025/10/03

葉を揉むと、不快臭ではなく、爽やかなレモンの香りがするものがある。この手のシソ科の植物は容易に交雑するので、もしかしたら近似の別種ないし変種に位置付けられているレモンエゴマのDNAが混じっているのかもしれない。不快臭がするエゴマ、レモンの香りがするエゴマ、芳香が弱いエゴマ、レモンの香りがするレモンエゴマ、が存在するので要注意。芳香を根拠に同定しようとすると混乱に陥る。エゴマとレモンエゴマは苞(ほう、小花の直下に付随する小さな葉のようなもの)の形状、苞の色、茎の毛、で見分けること。見るからにシソの葉でシソの香りがするものはシソである。

やや縮れるのでシソとの交雑を感じるエゴマの葉 横須賀市・長坂緑地(沢山池の里山) 2025/10/19

やや縮れるのでシソとの交雑を感じるエゴマの葉 横須賀市・長坂緑地(沢山池の里山) 2025/10/19

レモン臭があるのでレモンエゴマとの交雑を感じるエゴマの葉 三浦市南下浦町菊名産 2025/07/10

レモン臭があるのでレモンエゴマとの交雑を感じる#エゴマの葉 三浦市南下浦町菊名産 2025/07/10

レモン臭があるのでレモンエゴマとの交雑を感じるエゴマの葉 三浦市南下浦町菊名 2025/10/05

レモン臭があるのでレモンエゴマとの交雑を感じるエゴマの葉 三浦市南下浦町菊名 2025/10/05

レモン臭があるのでレモンエゴマとの交雑を感じるエゴマの葉裏 三浦市南下浦町菊名 2025/10/12

レモン臭があるのでレモンエゴマとの交雑を感じるエゴマの葉裏 三浦市南下浦町菊名 2025/10/12

紫色を帯びるのでシソとの交雑を感じるエゴマの葉裏 三浦市南下浦町菊名 2025/10/12

紫色を帯びるのでシソとの交雑を感じるエゴマの葉裏 三浦市南下浦町菊名 2025/10/12

葉身の基部周辺にはレモンエゴマやシソと同様に鋸歯(きょし)がないこと。葉柄(ようへい)付近までびっしり鋸歯があったら希少な野草トラノオジソ(虎の尾紫蘇)である疑い。

エゴマの葉 茅ヶ崎市・清水谷 2025/10/03

エゴマの葉 茅ヶ崎市・清水谷 2025/10/03

茎には長めの毛が生える。レモンエゴマの茎にはカールした短毛が密に生える。

エゴマの茎 横須賀市・長坂緑地(沢山池の里山) 2025/10/19

エゴマの茎 横須賀市・長坂緑地(沢山池の里山) 2025/10/19

エゴマの茎 茅ヶ崎市・清水谷 2025/10/27

エゴマの茎 茅ヶ崎市・清水谷 2025/10/27

エゴマの茎 茅ヶ崎市・清水谷 2025/10/27

エゴマの茎 茅ヶ崎市・清水谷 2025/10/27

エゴマの茎 横須賀市・長坂緑地(沢山池の里山) 2025/10/19

エゴマの茎 横須賀市・長坂緑地(沢山池の里山) 2025/10/19

レモン臭があるのでレモンエゴマとの交雑を感じるエゴマの長毛が少ない茎 三浦市南下浦町菊名産 2025/09/09

レモン臭があるのでレモンエゴマとの交雑を感じるエゴマの長毛が少ない茎 三浦市南下浦町菊名産 2025/09/09

エゴマの花

シソ同様に、茎頂部(けいちょうぶ)ないし葉腋(ようえき)から穂が突き出て咲く。花序は少しばかり倒れ気味ながらだいたい直立。ぱっと見はシソの花と同じ。花色はふつう白。花期は生育環境によりすこしズレが出るが、見頃はおよそ9月下旬ないしその前後。令和5年(2023)の地球温暖化以降は10月上旬から中旬。

エゴマの花 三浦市南下浦町菊名産 2025/10/03

#エゴマの花 三浦市南下浦町菊名産 2025/10/03

エゴマの花 横須賀市・長坂緑地(沢山池の里山) 2025/10/19

エゴマの花 横須賀市・長坂緑地(沢山池の里山) 2025/10/19

エゴマの花 三浦市南下浦町菊名産 2025/10/08

#エゴマの花 三浦市南下浦町菊名産 2025/10/08

エゴマの花のサイズ感 三浦市南下浦町菊名産 2025/10/08

#エゴマの花のサイズ感 三浦市南下浦町菊名産 2025/10/08

エゴマの花のサイズ感 三浦市南下浦町菊名産 2025/10/08

#エゴマの花のサイズ感 三浦市南下浦町菊名産 2025/10/08

エゴマの花 茅ヶ崎市・清水谷 2017/09/29

#エゴマの花 茅ヶ崎市・清水谷 2017/09/29

エゴマの花 茅ヶ崎市・清水谷 2025/10/18

エゴマの花 茅ヶ崎市・清水谷 2025/10/18

エゴマの花 茅ヶ崎市・清水谷 2025/10/18

エゴマの花 茅ヶ崎市・清水谷 2025/10/18

小花はシソ科の花らしく唇形花冠(しんけいかかん)で、下唇(かしん)基部に一対の黄色い斑紋(はんもん)あり。小花一個の開花期間は短く、一気に咲き進む。

エゴマの花 茅ヶ崎市・清水谷 2017/09/29

#エゴマの花 茅ヶ崎市・清水谷 2017/09/29

エゴマの花 茅ヶ崎市・清水谷 2025/10/18

エゴマの花 茅ヶ崎市・清水谷 2025/10/18

エゴマの花 三浦市南下浦町菊名 2025/10/12

エゴマの花 三浦市南下浦町菊名 2025/10/12

一個一個の小花の直下に付く苞は、蕾のうちは白っぽく見えるものも少なくないが、咲き進むにつれほぼ緑色になり、幅広でなく、左右の出っ張り部分は下方に強く反る傾向が見られる。レモンエゴマであれば、苞は蕾の頃から咲き終わりまで一貫して明確な白色で、やたら幅広で、反ることなくほぼ扁平な姿をしている。※参照)レモンエゴマとエゴマとシソの見分け方

エゴマの蕾の苞 茅ヶ崎市・清水谷 2025/10/03

エゴマの蕾の苞 茅ヶ崎市・清水谷 2025/10/03

エゴマの蕾の苞 茅ヶ崎市・清水谷 2025/10/03

エゴマの蕾の苞 茅ヶ崎市・清水谷 2025/10/03

エゴマの蕾の苞 三浦市南下浦町菊名 2025/10/05

エゴマの蕾の苞 三浦市南下浦町菊名 2025/10/05

レモン臭があるのでレモンエゴマとの交雑を感じるエゴマの蕾の苞 三浦市南下浦町菊名 2025/10/05

レモン臭があるのでレモンエゴマとの交雑を感じるエゴマの蕾の苞 三浦市南下浦町菊名 2025/10/05

開花中のエゴマの苞 横須賀市・長坂緑地(沢山池の里山) 2025/10/19

開花中のエゴマの苞 横須賀市・長坂緑地(沢山池の里山) 2025/10/19

開花中のエゴマの苞 横須賀市・長坂緑地(沢山池の里山) 2025/10/19

開花中のエゴマの苞 横須賀市・長坂緑地(沢山池の里山) 2025/10/19

開花中のエゴマの苞 三浦市南下浦町菊名産 2025/10/08

開花中の#エゴマの苞 三浦市南下浦町菊名産 2025/10/08

開花中のエゴマの苞 三浦市南下浦町菊名 2025/10/12

開花中のエゴマの苞 三浦市南下浦町菊名 2025/10/12

花が咲き終わったエゴマの苞 三浦市南下浦町菊名 2025/10/12

花が咲き終わったエゴマの苞 三浦市南下浦町菊名 2025/10/12

花が咲き終わったエゴマの苞 茅ヶ崎市・清水谷 2025/10/18

花が咲き終わったエゴマの苞 茅ヶ崎市・清水谷 2025/10/18

エゴマの実

種子ははじめ白色で、黒っぽく熟す。完熟した実の種子からは食用油の「えごま油」が採れる。α-リノレン酸を多く含んでおり、動脈硬化や心疾患を予防する、あるいは老化防止になる、認知症を予防する、ダイエット効果があるなどと謳(うた)われて、昨今は健康食品としての人気が高まっているとかどうとか。えごま油は酸化しやすいため、加熱はしない(サラダにかけるなどの)生食用。えごま油にはエゴマ特有のくさみは一切なく、味はまろやか。オリーブオイルより使い勝手は良好。お高いが。

エゴマの熟してきた実 茅ヶ崎市・清水谷 2025/10/27

エゴマの熟してきた実 茅ヶ崎市・清水谷 2025/10/27

レモンエゴマの種子は明るい赤褐色。エゴマの種子はほぼ黒色に見える黒褐色(こっかっしょく)。

レモンエゴマとエゴマの種子の比較 茅ヶ崎市浜之郷 2026/01/04

#レモンエゴマと#エゴマの種子の比較 茅ヶ崎市浜之郷 2026/01/04

エゴマ(黒色)とレモンエゴマ(赤褐色)の種子の比較 茅ヶ崎市浜之郷 2026/01/04

#エゴマ(黒色)と#レモンエゴマ(赤褐色)の種子の比較 茅ヶ崎市浜之郷 2026/01/04


横須賀市・長坂緑地(沢山池の里山、サワガニ河原奥にメナモミを囲うように一群、レモン臭あり、葉にやや縮れあるものり)、三浦市南下浦町菊名(水間神社(みずま-)西方の車道沿い、レモン臭強め、葉裏赤いものも)、小網代の森(こあじろ-)、逗子市・池子の森自然公園、茅ヶ崎市・清水谷(典型的、10月下旬に「清水谷を愛する会」が栽培収穫⇒現在は放置されて少数が野生化)、茅ヶ崎市萩園・相模川沿い(茅ヶ崎市屋内温水プール駐輪場西側の林縁部・オオブタクサより外側でコセンダングサに混じって)

秦野市・戸川林道(竜神の泉付近の林道沿い、レモン臭あり)、小田原市早川・太閤一夜城と長興山史跡巡りコース(シキミ畑向かいのやや南方道端午後)

※一年草なので生え出る場所は安定しない。

参考資料

『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)

『鎌倉の地名由来辞典』 三浦勝男編 東京堂出版発行(2008)

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